- 遠野物語 (集英社文庫)/柳田 国男
- ¥540
- Amazon.co.jp
日本の民俗学の祖、柳田國男が岩手県の遠野地方に伝わる昔話を集めたもの。
民俗学がどういうものなのかよくわかりませんが、読み物として抜群に面白いと思います。
「あの話の元ネタはこれだったのか!」とか色々発見もあるし、読んでいて楽しいです。
「ようは日本の昔話でしょ」となめてかかると不気味な話が多くてけっこう怖い。夜中にトイレに行けません。
この大量の昔話、勧善懲悪や因果応報を説くわけでもなく、深い人間ドラマが隠されているわけでもなく、何かの寓話というわけでもなく、ただの「出来事」といった感じ。
そうした物語から柳田邦男が何かを読み解くでもなく、人間性の真理を発見するでもなく、ただただ大量に並べてあるわけです。
何か虫とか鉱物の標本を眺めているような感じがします。
たとえばこういう話。
「ある村の美しい女房が、ある日畑にキュウリを取りにいったまま、帰らなかった。のちにその女房は山男に攫われ、山の奥深くで暮らしているということが分かった。それ以来、その村ではキュウリを植えないことにした」
そうですか!としか言いようがないじゃないですか。
でもなんか面白いじゃないですか。
なんかそういう本です。
- 日本の昔話 (新潮文庫)/柳田 国男
- ¥380
- Amazon.co.jp
- 子どもに聞かせる世界の民話
- ¥2,752
- Amazon.co.jp