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僕の中でホラーの名作といえば、シャイニング、エクソシスト、遊星からの物体X、ゾンビなど。
シャイニングは、美しく恐ろしい映像表現の大成功とその後の影響力、エクソシストは、単純な霊現象ではないリアルホラーで世界観に関わるリアリティ、遊星からの物体Xはシナリオと演出力。
あ、エイリアンもそうか。エイリアンはシャイニングに近いかな。
ではゾンビは何か、というのがわかりにくいかもしれないので、ちょっと書く気になりました。
第一に、本作は『ゾンビ』というモンスターを発明したことが、最大の功績。(ホントはその前作ですが、有名にしたのは本作)
モンスターというと、悪魔、ドラキュラ=吸血鬼、フランケンシュタイン、狼男、ミイラ男、半魚人などなど。概ね、古いなぁって感じ。いまでも積極的に映画のモチーフになるのは、悪魔と吸血鬼くらいじゃね?
モンスターは数有れど、20世紀に発明され、その後ジャンルを確立するほどの影響力をもったモンスターは他に無いんじゃないかな。
また、ゾンビは、ホラーに哲学テイストを持ち込んだ、ほぼ唯一のホラーだと思う。他にあるかな?思い出せないな。
明確な理由もなく生活の周りにゾンビが増えていく、自分の愛した家族がある日ゾンビになる、ゾンビになるとそれは人間でなくある者はゾンビ狩りを楽しんだりする。
ゾンビは人の形をしている。ましてや家族そのもの。しかしナカミはゾンビ。直前まで自分が愛していた人が、ゾンビとなって襲ってきたときに、撃ち殺せるのか?
ゾンビとはいえ、ぬいぐるみをもった女の子を狩りして楽しむ男たちを、どう感じるか?そこに、倫理観への挑戦がある。
第三に、ホラーとして世界の変容を正面から描いた作品であることも、大きな魅力だ。
多くのホラーは、恐怖体験に主人公が巻き込まれ、解決して、世界はいつもと変わらない。本来なら、霊現象でも悪魔でも、存在するなら、この平凡な世界は一変してしまうインパクトをもっている。しかしほとんどのホラー映画は、世界の変容という大きなテーマに取り組まない。
しかし、ゾンビは、そんなぬるい解決を許さない。一旦ゾンビが発生したら、世界は滅びるしかない。一つの怪奇現象で世界が滅びるしかないという展開を示したホラージャンルは、多分他にない。
今でも、ゾンビ映画のほとんどで世界は滅亡する。それは、現代のゾンビ映画もこの「ゾンビ」という作品がもたらした呪縛から逃れられないことを示している。
名作な理由がわかってもらえたかなぁ。
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