HiDeTo -4ページ目

83

6月。
私の車で出かけた時、秀人は携帯を落として帰った。

秀人を友達の家でおろして私は帰った。

どのくらいか走った時、携帯が鳴る。

長く鳴って切れた。
近くのコンビニに駐車し、助手席付近をみているとドア側のシートベルトがある辺り、下の方に秀人の携帯

拾った時、また着信。

『七瀬』と表示されている。
秀人が気づいてさっきの友達の携帯からかけてるのかな、と思い、出る。

「何してた~? 明後日なんやけどぉ~」
若い女の子。

「……」
無言の私に七瀬さんは異変に気づき、電話を切った。

見てはいけないけど、メールの送受信履歴をみる。

七瀬…、クミ。
クミチャン…? もしかしてあの大学生?

まだ連絡とってるんや。
エリチャンではなく、クミチャンの方と。

82

陽菜からは二度と私に連絡はないと思う。

秀人に出会ってから失ったものが目につく。
大きいものばかりやからかな?

陽菜…。付き合いは浅いけど、いろんなこと話して楽しく過ごしてたのに。

…お金もそう。

何より自分自身を見失ってる気がする。

私は大きく道を外れたことなんてなかったんだ…。


じゃあ得たものは?

秀人と付き合って得たものは……


……思い出せない。
あったはずなんよ。でも何やったんかはわからない。


…終わりだ、て思った。

81

秀人はちょっと酔ってるっぽかった。よく喋る。

「陽菜はしつこかったなー。相当、俺のこと好きやったよ。
早く他の女のこと切って私と一緒になって!
て家へきてたよ」と。

私の知ってる陽菜はそんな積極的ではない。

そんなこと言いに行くタイプではない。

秀人は陽菜に言われたことをどんどん話してきた。

秀人は私と陽菜は面識あるけどそんなに仲良くない、と思っていたようだった。