✡️金子みすゞの世界
職業ー童謡詩人。
28歳【26歳説も】で服毒自殺。
自殺の動機ー夫婦関係の破綻
道楽夫から性病【淋病】を移された。
夫から創作活動と文通を禁止
された。
離婚ごの親権問題が拗れた。
当時は離婚すると子供は父親の親権
となる仕組みが合った。
娘の親権を守る為に、最後の日
娘と食事をして、一緒に風呂に
入り、娘が寝入った後
服毒自殺を図り死亡した。
こんな悲残な人生の中で
西条八十が若き童謡詩人の巨星と
激賛した。
私が金子みすゞの作品に触れたのは
数十年前にある雑誌で【大漁】に
出会った事です。
この作品に大きな感銘を受けました。
人間中心の心と目線を変えて
くれました。
更に、命の事、生かされて居ること。
見えないものも見える事。
聞こえないものも聞こえる事。
感じられないものも感じる事。
神秘的な不思議さを具体的に
考える事。
当たり前と思う事も何故?
と疑問を持てる事。
色々な事柄を教わりました。
ある意味、金子みすゞは私の
人生の師匠と言えます。
当時の童謡詩人会員は、西条八十
泉鏡花、北原白秋、島崎藤村
野口雨情、三木露風、山本牧水
与謝野晶子、金子みすゞと
女性は、二人でした。
金子みすゞの作品は本来
曲がつく事は想定していません
でした。
従い唄になった作品は少ないです。
当時のジャンルには詩人は
無く、童謡詩人と表されて
今したが、金子みすゞは詩人です。
映画化はドラマは、2001年
田中美里。
ドラマは1995年、小林綾子
2001年、松たか子
2012年、上戸彩
舞台は斉藤由貴等、7年間
演出は石井ふく子が多い。
出版は1930年、西条八十の追悼文
1991年寺田操著
1993年矢崎節夫著
1994年、感性の人金子みすゞを
始め同年2冊
1996年、4冊
1997年、4冊
1999年、5冊
2000年、9冊から
2025年、謎とき金子みすゞの
美しい30篇迄、沢山出版された。
私は松たか子のドラマを観たが
凄惨な結末にショックを受け
以後、映像は観ません。
✴️大漁
朝焼小焼けだ大漁だ
大羽鰮の
大漁だ
浜は祭りのようだけど
海の中では
何万の鰮の弔い
するだろう。
✴️石ころ
きのうは子供を
ころばせて。
今日はお馬を
つまずかす。
あしたは誰が
とおるやら。
田舎のみちの
石ころは
赤い夕日にけろりんかん。
✴️お魚
海のお魚はかわいそう。
お米は人につくられる
牛は牧場で飼われてる
鯉もお池で麩をもらう。
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたずら一つしないのに
こうして私に食べられる。
ほんとうに魚はかわいそう。
✴️蜂と神さま
蜂はお花のなかに
お花はお庭のなかに
お庭は土塀のなかに
土塀は街のなかに
世界は神さまのなかに。
ゆ
そうして、そうして、神さまは
小ちゃな蜂のなかに。
✴️花のたましい
散ったお花のたましいは
み仏の花園に
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて
おてんとうさまが呼ぶときに
ぱっとひらいて、ほほえんで
蝶々にあまい、蜜をやり
人にゃ匂いを、みなくれて
風がおいでとよぶときに
やはりすなおについてゆき
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。
✴️私と小鳥と鈴と
私が両手をひろげても
お空をちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のように
地面を速く走れない。
私がからだをゆすっても
きれいな音は出ないけど
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私
みんなちがって、みんないい。
✴️空の鯉
お池の鯉よ、なぜ跳ねる
あの青空を泳いでる
大きな鯉に、なりたいか。
大きな鯉は、今日ばかり
明日はおろして、しまわれる。
はかない事をのぞむより
跳ねて、あがって、ふりかえれ。
おまえの池の水底に
あれはお空のうろこ雲。
おまえも雲の上をゆく
空の鯉だよ、知らないか。
✴️土
こッつん、こッつん、打たれる土は
よい畠になって、よい麦生むよ。
朝から晩まで、踏まれる土は
よい路になって、車を通すよ。
打たれぬ土は、踏まれぬ土は
要らない土か。
いえいえそれは、名のない草の
お宿をするのよ。
✴️草の名
人の知っている草の名は
私はちっともしらないの。
人の知らない草の名を
私はいくつも知っているの。
それは私がつけたのよ
好きな草には好きな名を
人の知っている草の名も
どうせ誰かがつけたのよ。
ほんとうの名まえを知ってるは
空のお日さまばかりなの
だから私はよんでるの
私ばかりでよんでるの。
✴️朝顔
青いあさがおあっち向いて咲いた
白いあさがおこっちむいて咲いた
ひとつの蜂が、ふたつの花に
ひとつのお日が、ふたつの花に
青いあさがおあっち向いてしぼむ
白いあさがおこっち向いてしぼむ。
それでおしまい
はい、さようなら。
✴️こころ
お母さまは、大人で大きいけれど
お母さまの、おこころはちいさい。
だって、お母さまはいいました
ちいさい私でいっぱいだって。
私は子供で、ちいさいけれど
ちいさい私の、こころは大きい
だって、大きいお母さまで
まだいっぱいにならないで
いろんな事をおもうから。
✴️不思議
私は不思議でたまらない
黒い雲からふる雨が
銀にひかっていることが。
私は不思議でたまらない
青い桑の葉たべている
蚕が白くなることが。
私は不思議でたまらない
たれもいじらぬ夕顔が
ひとりでぱらりと開くのが。
私は不思議でたまらない
誰にきいても笑ってて
あたりまえだということが。
✴️お菓子
いたずらに一つかくした
弟のお菓子。
たべるもんかと思ってて
たぺてしまった一つのお菓子。
母さんが二つといったら
どうしよう。
おいてみて、とってみて
またおいてみて
それでも弟が来ないから
たべてしまった二つ目のお菓子。
苦いお菓子
悲しいお菓子。
✴️みんなを好きに
私は好きになりたいな
なんでもかんでもみいんな
葱もトマトもお魚も
残らず好きになりたいな。
うちのおかずはみいんな
お母さまがおつくりにたったもの。
私は好きになりたいな
誰でもかれでもみいんな
お医者さんでも、烏【カラス】でも
残らず好きになりたいな。
世界のものはみいんな
神さまがおつくりになったもの。
✴️積もった雪
上の雪さむかろな
冷たい月がさしていて。
下の雪重たろな
何百人ものせていて。
中の雪さみしかろな
空も地面【じべた】もみえないて。
✴️星とたんぽぽ
青いお空の底ふかく
海の小石のそのように
夜がくるまでしずんでる
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ
見えぬめものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの
瓦のすきに、だぁまって
春のくるまでけかくれてる
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ
見えぬものでもあるんだよ。

とても好き詞を紹介しきれませんが
もし、わたしがみすゞさんの作品に
出会っなかったら、自己中心の
世界で、生きたでしよう。
もし私がみすゞさんに出会っな
かったら、生かされている事の
倖せに気ずかなかったでしよう。
もし私がみすゞさんに出会わな
かったら、私が私であることに
気ずかなかったでしよう。
もし私が書き続けても
書きつくせないほど
みすゞさんに出会えて良かったと
心から思っています。
ですが、この評価は全て私の主観
であり、金子みすゞの作品を
評価出来ないと思われる方々も
居られると思いますが
其は其で正解と思います。
尚、金子みすゞの娘さん
上村ふさえさんは
母の詞を世にひろめる活動
イベントへの参加を通じて
母への思いを語り続けました。
2022年心不全のため95歳の
生涯をおえました。

了
