伯ちゃんは運転ができなくなって久しい。運転できるっちゃできたんだけど 危なっかしいので止めさせた それでよく通ったラーメン屋にも行かなくなった お蕎麦屋さんにも行きたがらなくなった。
伯ちゃんはテレビくらいしか道楽がない パソコンもゲームも触りたがらない ネットフリックスやアマプラくらいしか観るものがなくてもテレビをつけている。そして寝る。見てるうちに体力が保たないのかもしれない。
そのうち仕事をしていたころは観れなかった時間のローカル番組などを見ていると 各所にできた新しいスポットなどの特集などを放送し始める。クリスマスだ正月だ ホワイトイルミネーションだミュンヘンクリスマス村だと
伯ちゃんは二丁目ほどの蕎麦屋にも行きたがらないくらい弱っているのに そういうのを見ると「ここ行ってみた?」「行ってくればいいじゃん」「なにかの用事で寄ることもあるでしょ」などとしきりにプレゼンをはじめる。
もう自分が連れていけないから。
いつでも勝手に好きなところ行ってるよ 大丈夫だよ 心配ないよ。
年あけたらゲゲゲも見に行きますよ ちゃんとわがままに楽しんできますよ 大丈夫ですよ
クリスマスにはしゃちょさん一家が遊びに来てくれた 子どもたちはもう大きいからそれぞれのお仕事で一緒に飲む時間は少なかったけどやっぱりかわいいし 楽しくすごしてくれてうれしかった しゃちょさんは 塩漬け物件の話をして いずれそうなったら会社の住所もそこに移させてほしいと頼んだ。しゃちょさん 家賃を経費で入れようとまで言ってくれたけど儂ひとりくらいの心配は多分それほどないんだよ。ありがたいことに。でもそこまで譲歩してくれるっていう安心感はありがたかった
大好きなケーキは切りそびれたので四半分はお土産に持って行ってもらった そして チキンも焼いたし今年はいい出来だった。しゃちょさんがいてくれるだけで どんなに高いところからバンジーさせられても下にはマットが待機しているような安心感を感じる。
来年はどんなふうなクリスマスをできるだろうか これが最後のような気もしている
