美容師に限らない話かもしれないけれど同じ分の練習をして同じだけの人数を切り、同じ人から教わったとしても結果まで同じになることはない
それは感覚とかセンスとか...
そういう曖昧なもので片づけられることも多い
それはある意味で正しく、ある意味で正しくない
世の中には足が速い人もいれば遅い人もいる
歌を上手に歌える人もいればそうじゃない人もいる
努力でなんとかなるレベルとその先の到達できる場所
足が遅い人が走ることが好きな場合もあるだろうし、歌が上手じゃない人が人前で歌うことが好きな場合もある
向いている向いていないを探し続けて、なるべく少ない努力でなるべくたくさんの結果を残したくなる気持ちも分かる
でももっと大切なこともあるように思う
僕はたまたま美容師として結果が出ているから幸運だったと思う
一番最初に選んだ仕事で100人中100人に満足はしてもらえないかも知れないけれど、業界の中で言えば数字として残しているものは悪くない
むしろ自分の元々の能力を考えれば出来過ぎのようにも思える
中学生や高校生の頃はなにがオシャレかなんてあまりよく分からなかったし、男3兄弟のなかで育った僕は女性の髪をいじるなんてしたことがなかった
資格の上では美容師になっても自分に向いているのか向いていないのか考える時期もあった
高2の終わりになんとなく美容師になろうかなっていう感じで決めた進路
美容学校で小さいころから美容師になりたかったという話を聞くたびに後ろめたさを感じたこともあるし、それは今もある
それでも僕には未熟な頃から切らせてもらえたお客様がいて、その人たちは今でも来てくれる
それだけで美容師を続けていいと言われている気がしている
今だって髪を切るのは怖い
失敗が出来ないしやり直しも効かない
自分にとてつもない才能や美的感覚が宿っていて、手先に神が宿っていたらどんなに楽かなと妄想したこともある
上手くいかないことを才能や環境のせいにして本来見つめなければいけないことを見つめることが出来なかった時期もある
そんな僕だからこそ言える言葉があると思っていて。
感覚やセンスといったなんとなく曖昧で、でも確かにそこに存在するもの
そういうものを言い訳にして諦めることは、本当に本当の最後の一滴まで努力した末にすることだと思います
そういうものに負けないように、才能で劣っていたとしても違う結果が出るように・・・
そうやって自分に言い聞かせながら少しずつ昨日の自分よりももがいてもがいて、結果としてその先で成長していくことが大事なことです
最初から上手くいくことなんてないし、上手く踏み出せた一歩目も、上手く踏み出せなかった一歩目もあとから考えれば偉大な一歩に変わりはないと思えます
そしてその小さな成功も失敗も永遠に続くわけではありません
仕事は勝負じゃないから勝ち負けはない
でもなんとなくあるように見えてしまう
でもそこばかりに目が行き過ぎるとちゃんと見なければいけないところに目が届かなくなる
どんな仕事もそうだと思いますがちょっとずつちょっとずつ出来るようになっていきます
今は覚えることが多くて大変なことも、慣れていくことできっと普通に人並みに、志次第ではそれ以上に出来るようになる時が来ます
今自分に才能があるかないか
選んだ仕事が向いているか向いていないか
そういう悩みを抱えている人がいたとしたらもっと目先の課題に取り組んだ方がいいと思います
どんな仕事もやることは一緒
人の役に立つことです
自分に才能があるかないか・今の仕事が向いているかどうか
それを考える前に今与えられている仕事をもっともっとうまくやろう
次の世代にいい形で引き渡そう
そうやって毎日自分向き合い続けた人だけが自分に才能があるかないか・向いているか向いていないか分かるんだと思います
自分には才能がないからやめる
そんなことは死ぬほど努力してから言える人間になりたいなと思った最近です