1月9日(水)晴れ
その思いは、北海道網走地方でも強く感じたことだった。中央からすれば、遠く離れた辺境の地と言う位置付けに置かれ、観光の対象となっても、その政治的立場や独自の文化への理解は一部の人を除いてはどうなのかといったところだった。しかし、現地に立てば、そこが独自の文化圏を持つかけがえのない郷土であり、日本に復帰したからといって何もかもが中央志向に染められるのは沖縄としては不本意この上ない。沖縄から帰って、注文した本、2冊。
『うらそえ文藝』は、浦添市の文芸誌だが、この号は、尖閣問題を特集している。
沖縄からは410キロ、石垣から170キロ(台湾から170キロ、中国から330キロ)にある尖閣諸島は、日本内地より、はるかに近いだけにここに登場する論客の誰もが領有権に対する歴史的認識の経緯を踏まえ、古来からの歴史的な文献による研究者の論点を紹介しながら、沖縄の人々の生活意識も考慮した視点から述べていることが 沖縄県以外の日本で書かれた視点と大きく違っていることが感じられた。5人とも、尖閣諸島は日本固有の領土である事を前提に述べているが、全員がこの問題の複雑な諸相を踏まえて、解決は、加熱する国防論に任せた武力戦争に入ることを避け、外交的な方法によるべきだと願っておられる。中央が尖閣問題を大きく取り上げている割には、沖縄のマスコミが基地程にはこの問題を大きく取り上げないのは何故だろうかと筆者たちが疑問を抱いている。
また県民の中にも「中国は昔の琉球時代から交流もあり、まさか戦争なんかにならないだろう」と中国への安心感、信頼感を抱く人もある一方、尖閣諸島に近い石垣市内では中国の行為に対する抗議の集会などが多く開かれているにもかかわらず、その報道が少ないことが指摘されている。
事態は今や、そうした楽観論を吹き飛ばすような緊張した事態へ発展しているので、そのギャップを感じている筆者が多い。新聞が報じなければ、問題はないと考える人たち・・・新聞が書けば「なるほど」と信じる人が多いのは沖縄だけではないのだが・・・・
それにしても、大変説得力ある文章ばかりである。彼らの願いが、現在の領土問題の解決へつながるのか、彼ら自身も予想がつかないのではないだろうか。
中国が領有権を主張し始めた1969年以来、度重なる領空侵犯がくりかえされているが、2010年9月の中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突、逮捕、釈放の事件を境に、野田内閣によって尖閣列島の国有化が決まってからはさらに激しくなっている。現在、人々の関心が高まるのも無理ない状態だ。
外交の素人である自分には、わからないことがたくさんあるので、少しでも理解したい。それも政治的問題と言うより(表にはその姿しか見えてこないが)、尖閣に近い沖縄からみたらどうなのかという点でより知りたい。それにしても、素人の思いを超えて、政治的、軍事的な緊張関係が次第に激しくなる気配は不気味である。
話題は変わるが、いろいろな本を取り上げて読書会とその意見交換会をやる時を考えてみよう。
取り上げる本は様々であり、本の内容に対していろいろな考え方があるのは当たり前であるが、少なくとも、書いてある内容を理解するのが大前提で、批判や発展的意見の交換は、その次であると思う。
特にテーマを絞った場合、色々な幅広い文献にあたるのも、最終的な判断に至るまでの作業であり、結論を出すまでには結構な時間がかかるものではないだろうか。

尖閣問題とどう向き合うか・・・宮城鷹夫(元・沖縄タイムス論説委員・ジャーナリスト)
八重山から見た尖閣問題・・・・三木 健(ジャーナリスト・沖縄・八重山研究会会長)
尖閣諸島問題の背景・・・・江崎 孝(フリーライラ―)
問われる沖縄のアイデンティティ―リトマス試験紙としての尖閣問題・・・・伊波健一郎(フリーライラ―)
尖閣諸島を日本・中国・台湾の共存、共生の生活圏へ・・・上里賢一(琉球大学名誉教授)




沖縄が歩んできた厳しい道のりに対する執筆者たちの深い思いが反映されているような郷土への愛情と沖縄の未来を若者へ託す希望を感じる。
情緒的な表現はないが、懇切丁寧な解説、ふんだんな資料が少しでも沖縄の歴史と今を伝えようとする努力として伝わる。
沖縄から届いた2冊の書
沖縄の各地の図書館を回っていた間、その郷土資料の多さに感動したが、当然ながら領土問題に関する資料も沖縄県外の図書館の比ではない。沖縄に身を置いてそれらの資料に目を通すことができたら、生活感覚を持って、歴史的な見地からもこれまで知り得ない事がわかるだろうにと思うほどだった。その思いは、北海道網走地方でも強く感じたことだった。中央からすれば、遠く離れた辺境の地と言う位置付けに置かれ、観光の対象となっても、その政治的立場や独自の文化への理解は一部の人を除いてはどうなのかといったところだった。しかし、現地に立てば、そこが独自の文化圏を持つかけがえのない郷土であり、日本に復帰したからといって何もかもが中央志向に染められるのは沖縄としては不本意この上ない。沖縄から帰って、注文した本、2冊。
『うらそえ文藝』は、浦添市の文芸誌だが、この号は、尖閣問題を特集している。
沖縄からは410キロ、石垣から170キロ(台湾から170キロ、中国から330キロ)にある尖閣諸島は、日本内地より、はるかに近いだけにここに登場する論客の誰もが領有権に対する歴史的認識の経緯を踏まえ、古来からの歴史的な文献による研究者の論点を紹介しながら、沖縄の人々の生活意識も考慮した視点から述べていることが 沖縄県以外の日本で書かれた視点と大きく違っていることが感じられた。5人とも、尖閣諸島は日本固有の領土である事を前提に述べているが、全員がこの問題の複雑な諸相を踏まえて、解決は、加熱する国防論に任せた武力戦争に入ることを避け、外交的な方法によるべきだと願っておられる。中央が尖閣問題を大きく取り上げている割には、沖縄のマスコミが基地程にはこの問題を大きく取り上げないのは何故だろうかと筆者たちが疑問を抱いている。
また県民の中にも「中国は昔の琉球時代から交流もあり、まさか戦争なんかにならないだろう」と中国への安心感、信頼感を抱く人もある一方、尖閣諸島に近い石垣市内では中国の行為に対する抗議の集会などが多く開かれているにもかかわらず、その報道が少ないことが指摘されている。
事態は今や、そうした楽観論を吹き飛ばすような緊張した事態へ発展しているので、そのギャップを感じている筆者が多い。新聞が報じなければ、問題はないと考える人たち・・・新聞が書けば「なるほど」と信じる人が多いのは沖縄だけではないのだが・・・・
それにしても、大変説得力ある文章ばかりである。彼らの願いが、現在の領土問題の解決へつながるのか、彼ら自身も予想がつかないのではないだろうか。
中国が領有権を主張し始めた1969年以来、度重なる領空侵犯がくりかえされているが、2010年9月の中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突、逮捕、釈放の事件を境に、野田内閣によって尖閣列島の国有化が決まってからはさらに激しくなっている。現在、人々の関心が高まるのも無理ない状態だ。
外交の素人である自分には、わからないことがたくさんあるので、少しでも理解したい。それも政治的問題と言うより(表にはその姿しか見えてこないが)、尖閣に近い沖縄からみたらどうなのかという点でより知りたい。それにしても、素人の思いを超えて、政治的、軍事的な緊張関係が次第に激しくなる気配は不気味である。
話題は変わるが、いろいろな本を取り上げて読書会とその意見交換会をやる時を考えてみよう。
取り上げる本は様々であり、本の内容に対していろいろな考え方があるのは当たり前であるが、少なくとも、書いてある内容を理解するのが大前提で、批判や発展的意見の交換は、その次であると思う。
特にテーマを絞った場合、色々な幅広い文献にあたるのも、最終的な判断に至るまでの作業であり、結論を出すまでには結構な時間がかかるものではないだろうか。
「うらそえ文藝」の第16号 緊急特集 尖閣諸島問題 (2011年5月)
浦添市の中央公民館内に事務所を置く、浦添市文化協会事務局発行の『うらそえ文藝』の第16号特集は、「尖閣諸島問題」。沖縄から見た尖閣問題を5人の論客が述べる。

『尖閣諸島』(冊封琉球使録を読む)
井上清『「尖閣」列―釣島諸島の史的解明』に対する反論の書
「尖閣諸島は中国領土とする井上氏への反論」
著者:原田禹雄(はらだのぶお)
発行年:2006年1月17日
発行社:榕樹書林
価格:1470円
126頁
しばらく他の用事があり、この記事は書きかけにします。後日、読み終えたらまた再開します。
『高等学校 琉球・沖縄史』
4年前、沖縄に行った時に購入したもので、私の大事な沖縄教科書。
地域の歴史を学ぶ事は、一般的な歴史に重ねてより深く地域の歴史に迫り、歴史観を培う上での大切な学習であるという立場から、書かれた高校生向けの歴史書。
4年前、沖縄に行った時に購入したもので、私の大事な沖縄教科書。
地域の歴史を学ぶ事は、一般的な歴史に重ねてより深く地域の歴史に迫り、歴史観を培う上での大切な学習であるという立場から、書かれた高校生向けの歴史書。

著者:沖縄歴史教育研究会 新城 俊昭(嘉手納高等学校教諭)
発売元:東洋企画
発行年:2004年8月31日(第5刷)
定価:1500円
311頁
監修者:
第1章~第2章 安里 進(浦添市教育委員会文化課課長)
第3章~第4章 田名真之(那覇市経済文化部 歴史資料室 室長)
第5章~第7章 金城正篤(沖縄大学教授/琉球大学名誉教授)
第8章~第9章 新崎 盛暉(沖縄大学学長)
第1部:先史時代・・・第1章「琉球・沖縄文化の曙」古来琉球から現代にいたる沖縄の歴史と今を知る上では、大変、読みやすく、わかりやすいテキストである。
第2部:古琉球・・・・第2章「琉球王国の成立」、第3章「大交易時代の琉球」
第3部:近世琉球・・第4章「島津の侵入」、第5章「琉球処分」
第4部:近代沖縄・・第6章「沖縄県政のはじめ」、第7章「15年戦争と沖縄」
第5部:戦後沖縄・・第8章「米軍占領と祖国復帰運動」、第9章「施政権返還後の沖縄」
沖縄が歩んできた厳しい道のりに対する執筆者たちの深い思いが反映されているような郷土への愛情と沖縄の未来を若者へ託す希望を感じる。
情緒的な表現はないが、懇切丁寧な解説、ふんだんな資料が少しでも沖縄の歴史と今を伝えようとする努力として伝わる。