先日、僕が応援している次期衆院選の候補者の

イベントに参加してきて思う事。

 

イベントの内容は『21世紀の資本論』を

解説して若干の討論をすると言うもの。

 

素材となった『21世紀の資本論』は、

ざっくりと言うと『格差社会』が生まれる

原理と統計による検証。

 

著者はピケティと言う

フランスの経済学者。

 

よく

『r>g』

として語られる法則

 

r=投資回収率

g=経済成長率

 

r>g

と言うことは、

資本家の富が増える割合は、

経済の成長よりも大きい。

 

つまり給与所得者と

投資家ではどんどん格差が

広がると言う簡単な理論。

 

今でいう『格差社会』の

広がる原理はこの不等式で

証明されているわけ。

 

金持ちは投資をする資金を得やすいし、

投資をすることによってより富を効率よく

増やすことができる。

 

労働者は投資する資金を貯めるのに

時間がかかる上に最近では、

上場企業などでは賃金を上げる前に

株主への配当が優先されるなどで辛い。

 

金持ちがより金持ちになる事は、

いけない事はないしそうなるべきだと

個人的には思っているが。

 

チャンスは公平にあるべきで、

労働者側や中小企業の経営者が

富める側に回れない構造は、

僕は歪んでいると思っている。

 

イベントで驚いたことがあった。

 

質問タイムで大学生が、

「格差って悪いことなんでしょうか?」

と投げかけた言葉。

 

投資家や資産家が言うのならわかるが、

バイトをしている大学生から、

こんな質問が出る事は驚きだった。

 

主催者もこの質問には困惑して、

明確な回答をできなかった。

 

僕個人は先に書いたように、

資本家がそもそもリターンを

得ようとしているので利益追及するのは

当たり前だしそうでないと投資しない。

 

ただ、チャンスがそもそも誰にでもない

これが問題だし『格差社会』の構造の

問題だと思っている。

 

格差が広がる原因となったのは、

小泉純一郎政権時代にあると思う。

 

当時の経済参謀が竹中平蔵で、

アメリカ型の弱肉強食理論を

取り入れた『規制緩和』と

『債権回収』が問題だった。

 

バブル時代は金融機関が、

個人であろうと企業であろうと

回収できるかどうかも関係なく、

ジャブジャブと金を融資した。

 

これによって株式や不動産を

中心にして投資活動が活発になり、

当時の株価は約4万円近くになり、

土地を担保に二重三重に抵当ができた。

 

土地さえあればって感じで、

バブルが膨れ上がった。

 

現在の状態によく似ている。

 

当時はよくも悪くも

『金は天下の回りもの』として、

経済の潤滑油は誰でも享受できた。

 

バブルについては

また別に書くことにするが。

 

結果としてバブルは弾けた、

『改革なくして』の号令の元、

小泉首相は規制緩和と経済再生に

大きく舵を切った。

 

この時にジャブジャブと融資してた、

当時の都市銀行等は破綻などがあり、

統合と整理を繰り返して不良債権に

苦しんでいた。

 

ここで竹中主導で『債権回収機構』が

誕生し公的な回収屋が猛威を振るう。

 

結果、

銀行は貸し剥がしや貸し渋りを

どんどん進めて行き過剰に融資を

受けた人たちは一気に債務者へ転落。

 

日本経済を強くすると言う、

大義名分でアメリカ型の理論を

導入して金融機関の保護を優先した。

 

金融機関と大企業を守ることで、

雇用を確保し日本経済を立て直す。

 

聞こえはいいが、

実際には経済はデフレになり、

失業率が増加し投資も控えられ

チャンスはこの時点で上層にいた者のみへ。

 

現在のアベノミクスもこの理論、

いわゆる『トリクルダウン理論』を

取り入れている。

 

投資家が富めるようになるのは、

資本主義である以上当たり前だが、

政治主導で優遇して行くのはおかしい。

 

税金を使って行政や政策を行うなら、

公平に使われなければならない。

 

民間の競争によって起こる、

『格差』ならある種自然現象だ。

 

政策による構造的な、

『格差』を作るのは、

大問題である。

 

『格差社会』の真の問題は、

いつの間にか社会構造で、

上下を分けてしまっている事。

 

ネットの発達などで、

昔よりも起業をしやすくなったとは

自分でも活動してて思うが。

 

日本はアメリカをなぞっているのに、

アイディアや人材への投資はされない。

 

税制の問題もあるのだろうが、

無償の奨学金や起業資金を提供する

財団などが金持ちから出てこない。

 

学校においても経済の話は、

ほぼ教育されないのは、

ある種の陰謀だと思っている。

 

『格差社会』に人が慣れてしまう、

これは怖い事だと思う。

 

サーカスの子象の理論。

 

気がついたら鎖は

外れないと思い込んでいる。