ビルは高くなる一方だけれど、人の気は短くなる一方。高速道路は広くなったけど、人の視野は狭くなった。お金はじゃんじゃん使っているが、得るものは少ない。物は買いまくっているものの、楽しみは少なくなるばかり。

家は大きくなったが家族は小さくなり、昔に比べ便利になったのにも関わらず、時間が無い。頭のいい人は増えたが常識がある者はめっきり減り、薬が増えたのに、病気がなくなる気配はない。

飲み過ぎ、吸い過ぎ、消費に走る。それなのにほとんど笑うことはないし、すぐに怒る。夜更かしをし過ぎるあまり、朝起きた時にはすでに疲れている。読書しなくなった分テレビばかり、そして祈ることもめっきり少なくなった。

たくさん物を持つその一方で物の価値がなくなる。人ははおしゃべりが過ぎる。愛するということを滅多にしなくなって、いつのまにか憎むことばかりが増えていった。

人は生活の仕方は学んだけど、生きることを学んでいない。寿命が増えただけで、ほんとの意味で生きてなどいない。月まで行けるようになったというのに、隣の人とはトラブルばかり。人は大規模なことは成し遂げてきたけど、本当に大事なことは未だ達成されていない。

空気を洗浄したぶん魂を汚し、科学をも支配したが差別は一向に消えない。色んな計画は増えたのに成し遂げられていない。急ぐことばかりを覚え、待つことを忘れた。多くの情報を抱えるためにコンピューターを作ったけど、コミュニケーションは減る一方。

ファーストフードのおかげで消化は悪くなり、体ばかりでかくて人格は極めて小さい。利益利益で人間関係は薄い。共働きで収入が増えた分離婚も増え、見た目ばかり良い家が増えたけれど、その中は崩壊している。

手軽な旅行にモラルはなくなり、ワンナイトラブが溢れる。太り過ぎの体を持て余して、死に急ぐため薬を使う。スマホは皆の元へすぐにメッセージを届けてくれるけれど、読むも読まないも、また消すのだって、今やあなたの指先ひとつですべてが決まる。今はそういう時代。

忘れないでいたい。愛する人と多くの時を過ごすことを。だってその時は、永遠には続かないから。

忘れないでいたい。側にいてくれる人に温かな愛情を与えることを。だってこれが自分が持っている1番の宝で、しかも愛情を与えるのに1円もかからないから。

そしてどうか、これだけは覚えておきたい。人生は呼吸の数で決まるのではなく、どれだけ熱く生きる瞬間があったかで決まるということを。