大田アニマルセイバーズ設立のお知らせ

 

設立の経緯

大田区には、飼い主がいない猫が多く生息しております。

面積は23区で一番、多摩川があり、東京湾にも面している、、、、飼い主がいない猫さんが増える環境にあります。

 

飼い主のいない猫によるトラブルを減らすと共に地域の環境改善を目的として、

区内の無償ボランティアたちが各々、

TNR(捕獲して不妊手術を受けさせ元居た場所に戻す)・保護・譲渡・マナー啓発などの活動を

長年に渡って継続してきました。

 

しかし、個人での活動では限界に達しています。

 

今後、この活動を継続するのみならず、

より効率的・有効的に成果を出していくためは、

千代田区・杉並区・中央区等のように官民の連携・協働が進んだ体制が必要です。

有志で丁寧にミーティングを重ね、

行政と協力しつつ活動する機能・体制を有する団体として「大田アニマルセイバーズ」を設立しました。

 

一人でも多くの方のご理解とご協力をお願いいたします。

 

大田アニマルセイバーズ

 

#大田区 #飼い主がいない猫 #TNR
 

 

 

さあ、親愛なるシャフリヤール王、今宵もシンドバッドの冒険のお話をいたしましょう。

シェヘラザードは、黄金の髪飾りに手をやりながら、語り始めました。


ある日、シンドバッドは商用のため、

どうしても日差しの強い日中に外出しなければなりませんでした。

用を足した帰り道、いつものように昼寝をしようと、

椰子の木陰に腰を下ろしました。


シンドバッドの背後には二人の青年が座っていました。

聞き耳を立ててみると、どうやら一人の青年が酷く悩んでいるようです。


「死ぬほど悩むなんて、君はやはり立派な男だなぁ。」

「人の不幸を揶揄するなんて、君も趣味が悪いな」

悩める青年は、首をうなだれ顔を伏せてしまいました。

「いやいや。僕には死ぬほど悩むだけのエネルギーはないからね。」

「ベクトルには、

エネルギーが向かう方向とエネルギーの量が表現されているだろ。

ほら、

ベクトルの長さがエネルギーの量で、

ベクトルの角度と矢印がエネルギーが向かう方向だよ。」

「ああ、つまり僕のベクトルは地獄に向かってまっしぐらってわけだ。」

「僕だって、一人前に悩むんだが、

君ほど僕が悩まないのは、

死ぬほどの領域に達するまでのエネルギーがないからさ。」

「数学好きの君らしい慰め方だな。」

青年は友人のほうに顔を上げて、横目のままじっと彼を見つめました。

「少しは聞く耳を持ってくれる気になったようだね。

僕が言いたいのは、

君には明らかに大きなエネルギーが備わっているのだから、

その向かう方向を変えれば良いってことさ。」


「量と方向があるってことか。ああ、なるほどね。」

青年の顔は、憑き物が落ちたようにスッと明るくなりました。


「でもその方向転換ができれば、苦労はしないんじゃないか・・・。」

「そうだな。そこが問題だな・・・。」

今度は友人が頭を抱えて考え込みはじめました。

「おい、おい、そんなに悩むなよ。

エネルギーの方向転換ってベクトルに基づく発想は、僕にとって大収穫だよ、ありがとう。」

「ああ、だけどそれだけでは、解決までに程遠いだろう。」

「おやおや、そんなに真剣に悩むなんて。君のエネルギー量も相当なものだってことだな。」

「君にも方向転換が必要だな。」

二人は、お互いの顔を見合って笑い出しました。


「世の中は広いんだ。方向転換のヒントをくれる賢者がいるかもしれない。

一緒に探しに行くとしよう!」

二人は、すっくと立ち上がり、

裾に付いた砂を払って歩き出しました。


一部始終を聞いていたシンドバッドは、

二人の青年の後を追いかけて、

賢者探しに同行させてくれるようにお願いしました。

シンドバッドは二人の青年とともに新たな出ることにいたしました。


まあ、まあ、すっかり夜も更けて、星が輝いてまいりました。

今宵のお話はこれにておしまい。

この続きは、また明日。

さあ、親愛なるシャフリヤール王、今宵もシンドバッドの冒険のお話をいたしましょう。

シェヘラザードは、黄金の髪飾りに手をやりながら、語り始めました。


シンドバッドの暮らす国は大変豊かな国でございましたが、

ある年、どういうわけか、心の病を患う者が数多くなったのでございます。

民の苦しみを見て、心を痛めた王様は、

シンドバッドに何か策はないものかと相談なさいました。

シンドバッドは、

心の病を治すという評判の女主人の噂を耳にしておりましたので、

そのお屋敷を訪ねてみることにしたのでございます。


無邪気に微笑む身なりの良い女主人がシンドバッドを快く出迎え、

屋敷の広間に通してくれました。

シンドバッドがお茶を頂いていると、

お屋敷に出入りする御用聞きがやってまいりました。


「奥様、今日のご注文は何でございましょうか。」

「麻袋いっぱいの小麦と瓶いっぱいのコショウともぎたての果物を見繕っておくれね。

それから、息子に気立ての優しい嫁がくるように、

庭の椰子の木に去年よりたくさんの実がなるように。」


「はい、奥様。確かに承りました。」と愛想よく返事をして、

帰って行きました。


女主人は、

「忘れないうちに、私も書いておきましょう」と言って、

紙に先ほどの注文を書き連ねました。


シンドバッドは、

御用聞きに息子の嫁や椰子の実を頼むなんて、どういうことだろうと不思議に思いました。


「ああ、私の人生はこれからどうなるのかしら、と悩み苦しむ方がおられます。

でも

どうなってしまうのかしら・・・これこそが心を蝕み、恐怖と不安に陥れる原因なのです。

そのようなことにエネルギーを使ってはなりません。

私たちがすべきことは、

どうなってしまうのかしらと悩むことではなく、

どうしたいか、どうなりたいか、明るく前向きな未来をしっかりと思い描き、

人生の注文書として明確に表明すれば宜しいのですよ。

物資の注文を出すように、

自分の人生についても注文を出せば宜しいのよ。」と嬉しそうに申しました。

そして、

「シンドバッドよ、どうか王様にお願いして頂きたいことがございます。

『幸福の注文書』を御作りになり、全ての民に配って、

毎晩、各々がそこに書き込むようにご命じて頂きたいのです。」



シンドバッドは、王様のもとに駆け戻り、

女主人の願いを申し伝えました。

王様は、早速、家臣に命じて『幸福の発注書』の案を実行いたしました。

王様は、その夜、

ご自身の発注書に「全ての民が幸福でありますように」とお書きになると、

安堵してお休みになられました。



まあ、まあ、すっかり夜も更けて、星が輝いてまいりました。

今宵のお話はこれにておしまい。

この続きは、また明日。