カルロス・クライバー
Carlos Kleiber(1930-2004)
“真"の天才指揮者
父はオーストラリア生まれのドイツ系の指揮者であったエーリッヒ・クライバー。1935年にアルゼンチンへ亡命したためカルロスは5才からアルゼンチンで育った。
プロの指揮者となってからは特定の楽団に所属することなく、著名な指揮者に比べると演奏回数も少なかった。録音にも消極的だったため残されたものはかなり少なく、生前より伝説の指揮者とされていた。
数少ない録音である、ベートーヴェンの交響曲 第4.5.7番の3曲、ブラームスの交響曲 第4番、ヴェルディの「椿姫」、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」などを筆頭に、その全てが超名盤として知られていて、映像にも残っているとおり、カルロス・クライバーの指揮は華麗で美しく、音楽とリンクした躍動感にあふれている。今なお絶大な人気を誇る伝説の指揮者であり、親交が深かったカール・ベームやバーンスタインなどからも実力を高く評価されていた。
カルロス・クライバーの特徴としてまず第一に挙げられるのは音楽の躍動感だ。音楽が縦にホップするような感じはきわめて特徴的で、同じ系統のトスカニーニやミュンシュとも違う独特なもの。サウンドはキレがあり爽快、華麗な指揮さばきと躍動感あふれる音楽は聴く人にワクワクとした楽しさを与えてくれる。
テンポはあまり動かさず、真面目かつ繊細に音楽を作るタイプで、映像にも残っているが、事前のリハーサルではかなり細かく指示を出しており、構築性はとても高い。
おすすめはやはりベートーヴェンの第4番と第7番が筆頭になると思う。
ではランキング
★★★★(4/5)
リズム・ビート・グルーブ感 ★★★★+
構成・展開力 ★★★
ダイナミクス・インパクト ★★★+
美しさ・歌・センス ★★★
緻密・繊細さ ★★★★
サウンド・音色・色彩感 ★★★
カリスマ性 ★★★★
魔力 ★★★★
万能さ ★★
人気・ユーモア ★★★★★
録音数の少なさゆえにランキングは難しいところです。天才という言葉がこれ以上にピッタリくる指揮者はいない。
ベートーヴェン「交響曲 第4番」