LIAR'S STORY

LIAR'S STORY

嘘つきリアの物語

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彼と旅に出て数ヶ月ーー

彼の向かう場所はまだわからない
彼はどこに向かい、何をしようとしているのか
歩けば歩くほど疑問が大きくなる。

どう尋ねても彼は
「お前は知らなくてもいい行けば分かる」
などと軽くあしらい、教えてくれない

だけど彼は僕がその答を聞き拗ねる度に
その地の産物を買い与えてくれる。

それがとても嬉しくて
幾度尋ねては彼を困らせた。

旅の最中は幸せだった
そのためこの時間が続けばいいとすら思ってもいた

道中、僕らはある汽車に乗った。
赤いペンキが剥がれかけ、錆の入った
良い感じに古びた歴史のある宿泊可能な汽車だった

僕らはその汽車に数日間乗り
幾つかの州を横切った

彼は大抵眠っていた。
彼も相当疲れているのだろう。
歩いては僕らの留まる場所を探す
其れを彼は毎日続けていたのだから疲労も理解できた

そしてこの旅の目的地に着々と近づいている。
そう思わせるのは彼の表情だった

近づけば近づくほど彼は険しい表情になる

哀しいような苦しいような痛ましい表情に…



そして終点。僕らは汽車を後にした
彼は相当気に入ったのか「帰りも乗るぞ」と優しく微笑む。
久しぶりに見た彼の安らいだ顔に僕も安堵の笑みを浮かべた

そしてまた一つの道を歩く。
近くて遠い場所に向けて…