年明け早々の正月に石川県で震度7の大地震が発生しました。特に日本は災害が多い国であるため数多くの自治体が対策に念を入れていると思いますが、それでも死者や負傷者というものは発生してしまいます。いかに正月とはいえどやはり日ごろから危機管理をしっかりしておきたいと感じさせる出来事でした。

 

しかしながらこうした出来事が起こるたびによく持ち出される「温室育ち」「平和ボケ」という言葉に筆者は疑問を持たざるを得ません。自分たちの命を危険にさらさないために先人が努力して開発してきたシステムを全否定し、平和ボケ呼ばわりされるとは先人も浮かばれないですし、そもそも「安全な環境=甘え」という考え方自体命の大切さを軽視しているとも思うのですが...。被害者の方も(落ち度があるかは別として)被害以上に理不尽な思いをするかもしれません。ましてや災害というのは犯罪のように誰かの責任で起きるわけでもないので尚更でしょう。

 

もうこれで何度目かというこち亀』第181巻収録の「野性に帰れの巻」でも、山にキャンプに出掛けた本田速人と電極+が夜中にテントで寝ているとテントの横を熊が歩きに来て、両さんとボルボを頼りにしていたところ翌朝それを注意されてしまいます。その中に両さんが「自然に触れるのが重要である」理由として「平和で安全な日々は危機意識もなくなり本来生き物として持っていた野生の感覚もなくなってしまう」ことを言うシーンがありました。

両さんの言うことはもっともなのですが、「平和で安全な日々」を形成できないならできないでそれが社会問題となってしまうのが難しいところです。自然の脅威と真剣に向き合うのか、あくまでも人類の発展を選ぶのか...簡単に解決できる問題ではないのは紛れもない事実です。それでも冒頭に出てくる「バーチャル父と子のキャンプマシーン」は流石に擁護しがたい

 

結局、不満を抱えながらも今の生活が送れることが一番というありきたりな結論が私の心には刻まれたのでした。