例えばそれが、恋ならばきっと、おれは君に包まれたいと願ったんだ。
君の色で、全ての思い出を塗り替えたい。その上に、バツ印を書き続けて、これだけ歩いて来たんだと云う二人だけの『しるし』を、ずらずらとみせびらかすように、並べたい。
きっとそれは、今までに見たことのない模様であり、
きっとそれは、二人だけに与える感動的な絵にもなる事だろう。
その一枚、一枚を壁に並べて、その一枚、一枚の思い出を語らう明日を、きっと君と、迎えたい。
例えば、最後の一枚を語る時、おれの白髪が驚きを重ねて圧倒的に増えていたとしても、きっと君は気にせずにおれの名前を呼び、微笑みかけてくれるのだろう。
おれは、それを生き甲斐なんだと感じている。
しあわせは時々かたちを変えることもあるだろう。
それでも、おれの白髪は増えてゆき、君の笑い皺に、癒される夜は変わらない。
今夜は月が、美しく輝いている。
そう見えるのは、おれの心が澄み切っているからだ。
また一つ、気づかないうちに、ありがとうが増えている。
こんなにも、色とりどりに感情を感じられるのは、君の色のおかげです。
こんなに素敵な事は、他にはない。