あなたはいつもその場所に立ってるね。

7両目の、1番8両目よりのドアの右。

そこに毎朝立ってる。



晴れの日も、くもりの日も、雨の日も、雪の日も。

いつもケータイ片手に立ってるね。

遅刻なんかとは無縁でしょ?

小学校から皆勤でしょ?

実は私も、そうなんだ。



一緒の電車に乗るようになって1年。

不思議だね。

約束なんか1つもしてないし、話したこともないのに

毎朝一緒にいるの。



長い休み明けの日

そこにあなたがいるだけで、私は懐かしい気持ちになって

安心するの。

不思議だね。



きっとこのまま、言葉を交わさず終わるのだろうけど、

でも、それでもいいや。

名前も知らないままだろうけど、

それでも。



あなたが今日も特等席に立っている。

それだけで憂うつな電車が少し楽しくなるんだから。





この学校に入学し、1ヶ月がたちました。

まだ見ぬ人やものにドキドキ胸を躍らせ門をくぐり、

今、私はここにいます。



色々なものに出会いました。

たくさんの友達もできました。

けれどまだ、何か足りない気がします。

出会うべき人に出会えていないような…。



まだ見ぬあなたへ


いつの日か会えるこを楽しみにしています。

どこで出会うのでしょうか。

教室、廊下、校庭、クラブ、文化祭、通学路…

そのどれにも可能性があって、私はいつも胸を躍らせています。



どこにいるか分からない、名前も知らないあなた


出会えたら何をしましょうか、何を話しましょうか。

あなたは何が、好きですか?



親愛なる人


どうかそう呼ばせてください。

いつか出会えるその日まで。



私はここにいます。

どうかどうか、出会えますように。

青空に願いを託し、

星空に祈っています。



親愛なる人へ


あなたは今、どこにいますか。





あなたのことが憎い。

憎くて憎くて、この手であなたを引き裂いてやりたい。

あなたのせいで、父は死に、母は廃人になりました。

底辺のドロ沼で、汚水へ頭を押さえつけられ続けているような毎日。

昔はもっと、明るく輝いていたはずの生活なのに。



あなたのことが憎いです。

すべてをぶち壊したあなたが。

何も負わず、のうのうとすべてから解放され生きているかと思うと、心が破れそうです。

なぜ、あなたはそれまでどおりの生活を続けているのですか。

私たちを、暗闇に突き落としておきながら。



あなたのことが憎くて憎くて、

いつでもその姿を思い浮べています。

そして、思いつく限りの残虐な方法でなぶり殺す。

そうすると、少し、心が落ちつくのです。



あなたを憎みすぎて憎みすぎて、

いつしか心にできた黒いシミは暗く広がりつづけ

私の一部になってしまいました。



あなたのことが憎い。

憎くて憎くて、忘れられない。

だからどうか、

せめて、あなたが私たち家族を忘れませんように。





僕は 君のことが好きです。

どのくらい 好きかというと、君に宿題を見せて 格好つけようと、

夜中の 3時まで 教科書と 格闘して、朝、寝坊して 遅刻しちゃうくらい。

もう少し言うと、英語の時間、アメリカン な 発音をして 目立ってやろうとして、

皆の前で 舌、噛んじゃうくらい。

体育の 時間に ダンクシュートをしようとして ネンザしたのは、君に笑われたかったからじゃなくて、女子に人気の バスケ部エース佐々木の奴を負かしてやりたかったからで、授業中、真面目に なろうとして ずっと背筋伸ばしてしゃきっと座ってたら、後ろの タカハシに でっかい声で 「お前、座高、高すぎ。前、見えねぇよ」って はたかれたのも、つまりは 似たような 理由だったんだ。



で、つまり、どうして 僕が今、これを書いているかっていうと、

もう この気持ちを 君に 伝えとかないと、

そろそろ 僕の身が 危ないからなんだ。



  恋は 危険だね。

  だから 頼むよ、 僕を助けてください。



        君の右ななめ後ろの席から。





あなたは私のことを覚えているでしょうか。

そう、あれは遠い昔のこと。

正直に話せば、私の記憶の中のあなたは、もう、あやふやで

その姿は、離れている間に出会った誰かにとって代わっているいるかもしれません。

でも、それでも、

私はあなたのことを、覚えています。



あなたは今、どこにいるのでしょうか。

どこで泣き、笑い、怒り、生きているのでしょうか。

あなたの側に、あなたの愛しい人がいるのでしょうか。



私は、あなたがどうしているか、知りません。

知るすべはなく、この手紙を送ることもできません。

でも、それでも、

私は綴ります。この想いにつき動かされるままに。



あなたは私の初恋の人でした。

奇跡のような偶然に導かれるように出会い、

想いを寄せるようになったのは、もう、ずいぶん昔のことです。

環境が変わり、離れ離れになった後も、いつでも私の心には

あなたが、いました。



愛しています。

あれから何度か新しい恋もしたけれど。

それでもあなたが愛しい。



親愛なるあなたへ

どうか今、幸せでありますように。





あなたの名前を、今、ここに記すことは出来ません。

でも、私は あなたを、いずれ 沖へと 帰っていく 小波のように静かに愛しました。

寄せては引き、寄せては引き。臆病すぎる私の愛は、決して 津波のようにあなたを のみ込むことは出来なかったけれど、それでも、私の愛は 小波。

深遠に通じる 深い輝き。



 あなたのことが好きです。

燃え上がる炎のように、この思いを表立って騒ぎたてることが出来ないけれど。

 あなたのことが好きです。

夜空を飾る星のように、遠くから見守れるほど、欲のない人間にもなれないけれど。

 あなたのことが好きです。

ただ、 小波のように。



 けれどもう、私は あなたに向かって 寄せていくことはありません。

私の愛は、 どうしようもない あの渦に巻き込まれ、深い深いあの海の底へ引き込まれてしまいました。だから 私は、もう、あなたに向かって寄せていくことは出来ません。



 だから今、ここに 私の最後の 光 を記させてください。

決して あなたに届くことのなかった 私だから、ここにあなたの名前を明かせないけれど

大好きです。あなたが 大好きです。

 この言葉が、私の 残す 最後の 輝き。



 さようなら、親愛なる人。

 私は暗い海の底からも あなたを想う気持ちを失うことはないでしょう。

 さようなら

 さようなら 私の……



 愛しています

                小波より