「この子の心臓ですが、まず…」

あ、この子は簡単な心臓じゃないんだ。

そう思いました。

詳しいことは専門の先生から話をしてくれるとのことで、

この日は口頭説明だったのでわかったことと言えば

「心臓の壁に穴があいているということ。」

でした。



翌日、改めて専門医から説明を聞くために通院しました。

もちろん面会も。


そこで紙一枚にまとめられた姫の心臓の絵を元に説明を受けました。

大きく4つ、異常があるとのこと。

1.心室の壁に穴があいている。(しかも結構大きめ)

2.2つの大動脈が同じ心臓の部屋からでている。
本来であれば、右と左それぞれの部屋からひとつづつでている。

3.肺動脈の入り口が狭い、肺動脈が細い

4.2つの大動脈の交差の仕方が逆

何かまずいのか。

中学ぐらいの理科の勉強してるような感覚で話を聞いていた。

正常であれば、心臓からでた血液は全身を通る間に不要物を取り込み汚れて(酸素濃度が低くなり)心臓にもどってくる。

戻ってきた血液は今度は肺へ送られ、キレイになって(酸素濃度があがり)心臓に戻ってくる。

そしてまた全身へ送られる。この繰り返し。

姫は心室に穴が空いているため、全身から不要物を取り込んだ汚れている血液と、

肺から戻ってきたキレイな血液が混ざってしまい、

全身に送るべき血液がすでに汚れている状態であるということ。

つまり、どこをとっても血液がキレイではないのだ。

産まれた直後に看護師さんが感じていた違和感は間違ってなかったのです。

機械のせいではなかった。


血液の流れがちょっと狂うだけで、

心不全やチアノーゼがでたりと具合が悪くなるものだが、

いろいろな状態があいまって、

血液のバランスがとれているのが姫の心臓だった。


バランスがとれているとは言ったけれども、

正常な心臓では酸素濃度(血液のキレイさ)が100に近いところが、

姫は80台でキープしている状態だった。

 
専門医からは今後の治療方針についても説明してくれた。

壁の穴が大きすぎるため壁を構築することはできなそうなので、

単心室という扱いにし、血液の流れを変えるという方法を考えているそうです。

心臓外科的には稀な症例ではないので淡々と話をしてくれました。

しかし、これはあくまでも上手くいけばの話で、

定期的な外来で成長具合を確認しながらその都度検討し直すとのこと。 

想定している手術は生後6ヶ月までに1回(グレン手術)、

1歳〜2歳で1回(フォンタン手術)の手術を想定しているとのことです。

話を聞きながら、

私のせいで姫に辛い思いをさせてしまっているという申し訳なさに潰され

涙を堪えることができなかった。。。