2009年5月30日(土) 読売新聞 夕刊


「ドギーバッグ」は、レストランなどで食べ残した料理を家に持ち帰るための入れ物のこと。


「食べ残しを持ち帰りたい」と言うのは、ちょっと気恥ずかしい、それで「家で待っている愛犬のおみやげにしたい」といういいわけを考えたとのエピソードが残る「ドギーバッグ(犬へのおみやげ袋)」です。


「もったいない」という日本語が、食品の大量廃棄への警鐘として世界的に知られるようになりましたが、かわりに「ドギーバッグにして下さい」という言葉が、日本で少しづつ広がり始めているようです。


実は、このドギーバッグという考え方は、かつて日本にあった「折り詰め」文化と同じだという指摘もされています。


当初、ドギーバッグには、「愛犬家である」ということをアピールする意味もあったと聞いたことがあります。


犬の祖先が人類と暮らすようになったきっかけは、食べ残しを漁るために人間のすみかの近くをウロウロするようになったからだという説もあって、犬には「スカベンジャー=残飯漁り」というちょっと不名誉な呼称もあるのです。


「残飯」というと何だかゴミのように聞こえますが、「飼い主さんの食べもののおすそ分け」であれば、れっきとしたワンご飯の食材になるのではないでしょうか。


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