あれはいつ頃だったか
いつも眺めているバルコニーをふとみると
灰色の塊が横たわっていた
ボロボロになった羽根が身体を纏い
光を失ったその命の灯火は
もう消えているかのように感じた
自分の拳に感じた事のない力がはいる
一羽の鳩だ
その存在とは裏腹に
その周りを自由に生き生きと羽ばたく鳥達が
生の螺旋を描き動き回る
たった一人
時間の流れが違うあなた
身体は自由を失い
石のように硬く、硬直している
もしまだその肉体と魂がそこにあるのなら
どうか御印を、、、
すると
傷に覆われ閉じている左目の横から
少し声がした気がした
あなたはゆっくりと身体を動かそうとする
片方の足は腐り
2倍に腫れ上がり
もう片方の足先は指を失い
その身は自由に動かない
でも
その魂の小さな光は、とても美しかった
あなたの身体がやがて光に満ち溢れた
本当のあなたの光が解き放たれる
私はただそばにいる事をつたえ
そっと身を置かせてもらった
どれくらい穏やかな時間が過ぎたであろう
あなたの愛はとても温かい
それから
あなたは毎日遊びにきてくれた
あなたらしい飛び方と着地は
人間に多くの事を教えてくれる
あまりに美しい姿だった
驚く程のスピードで
無数の光が生まれていたあなた
わずか2週間弱で
高く、遠くに飛べるようになったあなた
たくさんの世界に愛されたあなた
あなたが残してくれた光の線は
愛に満ちていた
