釣り船での釣りに すっかり懲りてしまった私ですが、ある時主人が「島に渡っての釣りならば、船酔いの心配もないし、大きな石鯛が釣れるよ。」と楽しそうに言うので、止めておけば良いのに つい誘いに乗ってしまいました。

 下田の外浦港から渡船で島へ向かって出発しました。船長さんはとても無口でせっかちな人で、凄いスピードを出すものだから荷物が後ろにずずっと移動して、立って乗っていた主人もよろけていました。

 20分位すると「はい。着きましたよ。」と
どう見ても島とは思えない ただの岩に船を寄せると船長さんは帰って行きました。主人は何の違和感も無さそうに初めからこんな場所だと知っていたかの様に、釣り道具を持って岩を登って行きました。私もゴツゴツした岩に足を掛けながら慎重に登って行くと、畳3畳位の少し平らなスペースが有りました。主人は早速 釣り道具を広げ、準備を始めました。私はと言うと高度恐怖症で怖くて怖くて立ち上がる事も出来ず、腹ばいになったまましっかりと岩を掴んでいました。主人は私のこの様子を少し心配そうに見ながらも、撒き餌をしたり餌のサザエを刻んだり、釣りの準備に余念がありません。

 周りは360度海、下方では波が大きな音を立て、岩にぶつかっては白い飛沫を上げて砕け散っています。俄かに恐ろしさが私を襲ってきました。
もう釣りどころではありません。
「無理 無理 !早く迎えの船を呼んで!」
「  お願いだから早く陸に戻して〜!怖いよ〜!帰りたいよ〜!」
 腹ばいのまま まるで駄々っ子のように泣き始めました。そしてその声はだんだん叫び声に変わっていきました。この様子に主人も釣りの続行を諦め、渋々船長さんに連絡を取ってくれました。
本当に釣りは懲り懲りなのです。

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     伊豆の海   ドライブ
   ( 釣りの記事とは関係ありません)