麻雀との出会いは大学1年生の夏である。
サー室に置いてある雀卓。いつもそこには先輩がタバコを吸いながら麻雀をしていた。
その先輩の中でも明らかな勝ち頭がK先輩だった。4年間で獲得単位数は40もいってない典型的な堕落大学生であったが、麻雀はめっぽう強かった。
そんなある日、ふと導かれるように麻雀に興味を持った俺は、先輩Kに麻雀を教えてくれと頼んだ。
基本的なルールを教えてもらい、簡単な役を覚えいざ実戦へ。
「おもしろい…!!」
麻雀の魅力にすっかり取り憑かれた俺は、貪るように麻雀にはまっていった…
かに思えたが、やはり麻雀に多少のレートを乗せて行うのもまた現実。
麻雀をやるごとに金を先輩Kだけでなく、他の先輩にも奪われ続ける。
先輩Kは俺を積極的に徹マンに誘ってくれた。
メンツは同期の1年生、一個上の2年生に、先輩Kの4人のほぼ固定メンツだった。
ルールは0.3の10-20の祝儀50。今思えば可愛いルールだが、俺は毎回5000ペリカほど負けていた。
しかもこの徹マンは毎週1回は行われていたため、月に約20000ペリカ負けている計算になる。
当時大学1年生だった俺からしたら、なかなかきつい負け額ではあった。
まさに鴨がネギを背負っている状態だ。
今思い返せば、テンパイだろうと高打点良型イーシャンテンだろうと、リーチがかかればベタオリをするというカモ麻雀を打っていたから当たり前である。
まぁこんなそんなで、やればやるほど金がなくなる麻雀から次第に俺は離れていった。
サー室でメンツが足りない時も、「金がないから」という理由で断っていた。
しかし俺にはこんな考えがあった。というより苛立ちに近いものだろうか。
「このまま負けたままでいいのか?」
俺は大学に入る前は、全国大会に出場するほどのスポーツガチ勢であった。それ故に負けることが異常に嫌いだった。
それは麻雀でも同様であった。金が無くなるからやりたくないと同時に、負けたままでは許されない、こんな二つの感情が入り混じっていた。
その後俺が選択したのは、麻雀を避けるのではなく、サークルの誰よりも強くなる選択であった。
では、麻雀が強くなるには何から行おうか?
スポーツと一緒で、強い人に教わるのが一番だと思ったおれは真っ先に先輩Kに麻雀を教えてもらった。
麻雀の基本戦術を先輩Kから一通り教えてもらった後、1冊の本を貸してもらった。
渋川pの魔神本である。これをおれは何周も読み、おれは久々に固定メンツでの徹マンに向かった。
この日、初めて俺はトータルトップを迎えることができ、麻雀にどっぷりとはまるようになっていった。