冷泉寺の専用研究室は、ロッジとまではいかないが一通りの生活ができるよう寝室・浴室が完備され、食事はメイドが好きな時間に持ってきてくれるという、立派なものだった。


ベッドに強制収容された聖樹は、夢美とラ・ルの手助けで上着とシャツを脱がされる。


所々血に染まった包帯が、銃弾を受けた時、咄嗟の判断で急所を避けたことや、総帥候補生として厳しい訓練をやり遂げたこと、そして騎士団の未来を背負い自分をこの世に残してくれた神の加護を考えさせずにはいられなかった。


体内に残った25発の弾は、心臓の真横に到達するものもあり、手術は7日間に分けて行われ、摘出された。


貫通した弾を含めると43も銃創があり、体を動かす筋肉のそばの傷は、動くたびに傷口が開き、未だに血があふれ出る。


冷泉寺が診察をし、貧血が無いのと再縫合が不要なことを確認すると、消毒をし、新しい包帯に取り換えてくれた。


冷泉寺は何度も『ありえねえ』を繰り返し、『だろ?』と意気投合するラ・ルリジオン。


血に弱い高天と光坂は、見ていられないと二人で帰って行った。


「鈴影さん、無理しすぎよ」


冷泉寺の手当の手伝いをしながら、夢美が心配でたまらないといった風に、眉間を寄せて聖樹の手を取った。


その手を、握り返すことができる幸せ。


普通の18歳の男が、何でもないことでも、聖樹には一つ一つが新鮮で、感動であった。


思わず笑みがこぼれる。


「もうっ鈴影さん、さっきからにこにこしてばかり」


可愛くて仕方がない、私の愛おしい夢美。