前回のつづきです。
当初の平成23年度税制改正法案は、与党民主党と野党自民党等との協議の結果、2つの法律に分離され、そのうちの1つ「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」は平成23年6月22日に可決・成立しています。また、所得税法施行令も公布されています。
具体的には、「所得税法施行令第183条」の改正で、この改正は、平成23年6月30日以後に支払いを受けるものから適用されます(改正所得税法施行令附則第5条)。
さて、今回は所得税法施行令第183条の改正内容を具体的に確認しましょう。
今回の改正で第4項第3号に新設された内容は次のとおりです。
「三 事業を営む個人又は法人が当該個人のその事業に係る使用人又は当該法人の使用人(役員を含む)のために支出した当該生命保険契約等に係る保険料又は掛金で当該個人のその事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額若しくは山林所得の金額又は当該法人の各事業年度の所得の金額の計算上必要経費又は損金の額に算入されるもののうち、これらの使用人の給与所得に係る収入金額に含まれないものの額」
ちょっと難しいですね。ひと口で言うと、
会社で保険料を負担して会社の損金に算入した金額のうち、役員や従業員の給与として課税されていないものは、所得税の経費に出来ないということです。
これでも難しいですよね。
実例で行きます。
「養老保険の逆ハーフタックスプラン」をご存知ですか。
契約者:会社
被保険者:役員・従業員
死亡保険金受取人:会社
満期保険金受取人:役員・従業員
という契約形態で加入します。
・ 支払保険料のうち1/2は死亡保険金受取人が会社のため、保険料として損金に算入
・ 支払保険料のうち1/2は満期保険金受取人が役員・従業員のため、その役員・従業員に対する給与として損金に算入
という考え方になります。
さて、満期になった時、受け取った個人は一時所得の課税対象になります。
(満期保険金 - 払込保険料 - 特別控除50万円)×1/2
この払込保険料は個人で給与課税された分だけでなく、会社が保険料として損金に算入した金額も含めることが出来るという考え方も従来ありました。
これが今回の税制改正で明確になったわけですね。
