読了した原田マハさんの
「キネマの神様 ディレクターズカット」
感想書いてみます。(自分用でもあります)
泣きました。
まさに、ザ、昭和の父!のゴウ。
無類の映画好きでかつては映画監督として活躍していたゴウであるが、
ある日をきっかけに
ギャンブルと酒に溺れるようになる。
娘歩は離婚し、息子の勇太と実家に帰ると
今度は借金にまで追われていているゴウを目にし
落胆する毎日。
また、そんな父を愛した妻淑子さん。
「酒と競馬と賭け麻雀が三度のめしより好き」![]()
というのに、淑子はいつも穏やかに笑っていて…
正気かよ、と最初は思いました。
ただ、
そんなゴウの過去や、その性格を知るたび、
だんだん愛おしく思えてきました。笑
すごく印象に残っているのが、
ゴウと淑子の関係を周りが反対している中、
当時女優で活躍していた友人の園子が淑子に言った言葉。
「ゴウちゃんと一緒になったら後悔する。
だけど、一緒にならなくても後悔する。どっちの
後悔を選ぶかよ。」
クゥ〜!
それに対する淑子の言葉もまたグっとくるものがありました。
ゴウの器用貧乏な姿や、鈍感で緊張しいなとこ、
大事な場面ですぐにお腹を壊すとこ…
それでいて、誰にも負けない映画愛、
真っ直ぐな性格、表には出さないが不器用で優しい家族想いの父。
個人的に
ゴウと、すごくしっかりしている現代っ子の孫勇太との掛け合いのシーンも面白くて好きでした。
また、昔ながらのデジタル上映ではなく映写機を使用したフィルム上映の描写が、
そんな古びた映画館は行ったことも、
見たこともないのに、そこにいる気がするほど文章で伝わってきました。
それとともに、時代の流れに切なさも感じました。
取り残された古き良きものを一途に大事にする姿、
負けじと慣れないパソコンを一生懸命使ってみる姿。
私が今当たり前に使っている便利なものも
何十年もしたら時代遅れになるわけで…
色々感じさせられました。
この作品は原作小説「キネマの神様」から
映画化するにあたり、山田洋次監督の脚本を、
原田マハさんがノベライズしたものだそう!
やはり本当の映画監督が考えたシナリオということもあってなのか、
映画撮る時って本っ当に神経使うんやなぁっとも思いました。
撮る全体の角度とか、俳優の表情をどこから撮るのがベストなのかとか、天気だったりとか…
知らないこともたくさん知れました!
壊れかけの家族を映画が救った奇跡の物語。
登場人物1人ひとりの違う良さにも感動します。
買ったその日にすぐに読み終わっちゃいました!
そのくらい引き込まれます。
8月6日についに公開だそうです!
すごくオススメな作品です!是非!