すっかりご無沙汰になっていたこのブログ。
再開は、最近発表された
「エネルギー・環境に関する選択肢」へのパブリックコメントのこと。
例の
2030年段階での原発依存度を3シナリオ用意し、その中から選んでコメントせよ、というものです。
これから書こうとされる方のために、参考になるかと思いますので、
資料などをリンクし、私の文も載せることにいたします。
書いてみて、意外と難関だったのは、100字以内での概要を作ることです。書きたいことを1/3も書けていない(涙)
まず、政府が提示している資料。
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120629/20120629_1.pdf
ページ数でいうと、20ページ。ゆっくり読んでも2時間とかかりません。なんだかんだいってよく纏まっている資料なので、まずは読むことをお勧めします。
私は、今回のパブコメ投稿には書けませんでしたが、
最終エネルギー;つまり 消費電力以外のエネルギー消費を含めれば、
2030年までに、約2割減らそうとしているのに対し、
電力消費が、約1割弱しか減らす見込みになっているだけ、という点が気になりました。
電力は確かに便利のいいエネルギーではあるけれど、
だからといって電力に頼りすぎていいのかな、と思ってしまった私。
災害が起きたとき、真っ先に治る生活インフラは、プロパンガスの供給であって、電気はかなり遅れるというのは、よく知られている通り。
災害の多い国で、電気って本当にいいエネルギー供給方法なのか、考え出すとそこから躓きそうでした。
という深淵な話は、脇に置きまして。原発への依存度についての意見は、次のように書きました。
(概要)
経済合理性から、速やかな撤退を求めます。
次のリスクが電力会社や政府にとり大きすぎるため。
(1)使用済み燃料や廃棄物の処理に見込みが立っていないこと、(2)事故による事業リスクが不明、等計7か条
(じつはこれで、100文字ちょうどです‥‥)
(本文)
主に経済的な合理性から、原子力発電事業からの即刻の撤退を求めるものです。
ただし、究極には、発電事業に原子力という方式を使うかどうかは、電力会社個々の判断にゆだねるのが原則であり、
政府がそれに口をはさむのは、自由主義国家として問題があると考えています。
しかし、原子力発電事業は、
プラントメーカーの賠償免責と、発電事業者への無制限の賠償責任を負わせるという不自然な法制のもとにあること、
から、国策を民間企業に押し付けている、といわざるを得ません。
政府の財政赤字が年々大きくなる中、発電事業のみにこのような暗黙の「債務保証」をする余裕があると思えません。
まず、この点が、原子力発電はコスト面での実力を過大評価される原因になっています。
それ以外にも、経済合理性から考え、次の通り、他のエネルギー供給手段として原子力は不合理さを持っています。
(1)使用済み燃料や廃棄物の処理に見込みが立っていないこと
これらのバックエンドの作業量・施設の投資が技術的に、なんら指針が見えない状態である。そのための必要経費が全く見込みの立っていない状態であること。
(2)原子力事業への投資が大きすぎること
沖縄電力以外の各電力会社は、その会社資産規模に比べ、原子力発電所と核燃料のために多くの投資を投じ過ぎている。そのため、原子力発電所が不慮の事態で稼働できなくなると、各社とも数十パーセント以上の会社資産が一気に不良資産と化し、経営危機になってしまう。
このような巨大投資を国策として強いることは、そもそも民間会社に対して酷な要求である。
(3)事故による事業リスクを定量的に扱うことができないこと(会社として許容できるリスクかどうか検証が不可能である)
事故の発生確率の計算が不可能であることは、今回の地震からの事故の発生ではっきりしてしまった。さらに、放射能漏れによる健康被害の大きさを予測不可能である(とりわけ低レベルの放射線被ばくについての、医学知見が不足しており、線量あたりの健康被害レベル・それに対する医療費補償がまったくわからない状態である)。
このような状況では、本来、原子力発電を採用するかするとは、経営判断ができないはずである。
(4)ウラン鉱山の枯渇
石油よりもウランのほうが先に枯渇する見込みであること(可採年数がウランはあと40年以下である)。このことを考慮すると、そもそも2030年までウランが同じ価格であるとは、到底想定できない。
(5)送電路が長くなることでのリスク
原子力発電所は、需要のある土地と離れた場所に設置せざるを得ない。
その間を送電線で結ぶことになるが、その延べ長さが長くなることが、電気の安定供給や、省エネの観点で弱点となる。
とりわけ、落雷による瞬停のリスクは、現在の電子系の機械にとっては致命的であり、各ユーザーは瞬停に備えて自前のバックアップ電源を備えねばならなくなっている。瞬停の確率明らかに送電路の長さに比例するものであるから、巨大発電施設まで送電線を延伸しかつ各需要者がバックアップ電源を用意するよりも、小型の発電所を需要地に隣接して作るほうが安上がりになる可能性がある。
(6)現場労働者への追加補償
現状、現場労働者は非正規雇用で賄われている。そのため健康被害などへの補償責任があいまいになっている。公共事業体である電力会社がそのようなことをしていいか、という道義的な責任がある上に、本来は電力会社が負うべき後遺障害などの医療費が、国民健康保険で賄われることになる。政府が国民健康保険の医療費負担の国庫分を抑制しようと努力していることに矛盾する。
(7)プルトニウムの取り扱いのための追加コスト
プルトニウムの在庫が積みあがる結果、核兵器疑惑や、核不拡散のための労力を、政府や電力会社は余計に負担することになってしまう。原子力発電に参入しなければ、本質的に起きなかった事業リスク、事業負担である。
以上を考慮し、速やかな事業撤退を各電力会社に促すことを、私は政府に求めたい。
その結果、電力供給の安定・電気料金の低減の道が開けると、私は考える。