- 前ページ
- 次ページ
■35kmまで
ここからは、また坂道が続く。
往路で走ったあの下り坂、あの心配していた下り坂が、
上り坂として姿を変え、牙をむき、ランナーたちの足を奪ってくる。
そして、ここは昨年、自分が大失速した付近でもある。
レース前に、このコースで最大の難所と考えていた関門だ。
案の定、前方で走っていたランナーたちの多くが失速していく。
すげぇ~わかるよ、その苦しみ。
と思いながら、その光景をみていると、昨年の記憶がよみがえってきた。
一年前とは思えないぐらいの鮮明な思い出だ。
動かない足を、なんどもストレッチしながら回復、
いや、ごまかしながら坂道を上っていく。
上半身は大丈夫なのに、足が思うように動かない、この苦々しいジレンマ。
何度も何度も心が折れそうになった場所。
たぶん、人にはみせられないぐらい鬼の形相をしていたんとちゃうかな。
そんな1年前の自分。
そして、今回の自分の状態は…、
なんとか安定したペースで走っていけてる。
足に負担をかけないようにしながらも、無理せずに止まらず走っていけてる。
足をつかうのは、まだここではない。
その意識が働いていたのかもしれない。
そんな感じで走っていると、前方にまたもや、あの姿が…。
往路でロックな元気をくれた今ノ葉狂志郎氏だ。
往路の時から、ずっとランナーを応援し続けてくれていたんだ。
すげぇなぁ~。
熱い人だなぁ~。
ハイタッチするときに、今度はこちらから
「帰ってきたぜぇ~!」
って声をかけたら、
「OK!ベイベー!!」
って返してくれた。
テンション上がるぜベイベー。
この地点で、昨年の通過タイムよりも早く通過することができていた。
昨年の自分を超えられた。
まさかの大逆転だ!
■40kmまで
33kmを過ぎたあたりから、昨年と違った新コースを通り、
いよいよゴール近くの大仏殿付近へ向かう。
昨年、経験していないこの謎の新コース。
どうなるかと思っていたが、実際に走ってみると、
これがまた、なかなかの難所。
レース前、自分の想定では35kmまでを乗り切れば、
何とかなると思っていたが、
その考えは、甘かった…。
また、坂道じゃん!!!
35kmを過ぎてからの坂道は、かなりつらい、かなりしんどい。
長くはないけど、急な坂でしんどかった。
それでも、ちょっとだけペースを下げただけで、なんとか上りきることができた。
ここでも力になったのは、沿道の声援。
そして、子供たちやおばあちゃん、おじいちゃん、おっちゃん、おばちゃん、
お姉ちゃん、お兄ちゃんとのハイタッチ。
「がんばってぇ~!」
「ありがとう~!!」
言葉にすると、こんな些細なやりとりなのに、
お互いにみずしらずな者どうしなのに、
なんだろうか? この不思議な一体感は…?
すごいな…。
難所を乗り越え、37kmを過ぎたあたりで、現在の体調を考えてみた。
なんと、足がまだ残っている感じだ。
あと5km程度か…。
まだいける。
ギアを上げてみた。
キロ30~40秒ほど速くしてみた。
なんとか、いけそうだ。
ペースを上げて走る。
どんどん走る。
ついに奈良公園の芝生が見えてきた。
やっとここまで戻ってきた。
走っている道の左側と右側に奈良公園の芝生が見える。
その芝生や周りの景色にみとれながら
順調に駆け抜けていると、
突然、それは現れた。
前方で走っているランナーたちが、次々に止まり出す。
それに気づいた時、自分も足を止めていた。
いや、すぐに足を止めざるをえなかった。
ドドドドドドドドドドドドドドッ!!
なんと、前方の左の芝生から、右の芝生へと、
鹿の大群が通り過ぎていく。
いったい何頭いるんだ…。
待っている時間としては、数秒のはずだったが、
ずいぶん長い時間に感じた。
ランナーどうしも顔をあわせて苦笑い…。
ひょっとして奈良公園では、よくある風景なのかもしれないが、
こんな鹿の大移動を見るのは初めてのことだ。
まさに野生の王国…、そんな感じだった。
ここまで調子よく走ってきたのに、
まさか、こんな形で足を止めることになるとは…。
こんなことが起きるのも、このマラソンならではかもな…。
…おっと、いかんいかん。先を急がねば…。
思わぬハプニングに和みながらも、再び走り出す。
少し進むと、沿道の人が急激に増えてきた。
大仏殿前にたどり着いた…。
すごい人だかりがランナーたちを見つめている。
声援がさらに励みになる。
ゴールは目前だ。
■ゴールまで
大仏殿前を左折すると、
残り2kmほどのゴールまでの道のり。
その渦中で、またもや昨年の記憶がよみがえってきた。
足を痛めながらも、この道を走って、いや、歩いていた。
沿道の声援は力にもなるが、
不甲斐なく自分を考えると、申し訳ない気分があった。。
う~む、しんどい記憶ばかり思い出してくる…。
そんなものなのかな…、人の思い出って…。
そんなこんなで、最後の1km付近にたどり着いた。
またもや、坂道…。
でも、最後の上り坂。
そうだ、これは栄光の架橋、いや、栄光の上り坂だ…。
だが、この坂でペースを下げることはしない。
もはや、下げる必要はない。
そのまま上りきって、ゴールするのみっ!
かなり息が上がってきたが、ペースを下げずに坂を上りきった。
競技場の外壁が見えた。
沿道の人がさらに多くなっている。
競技場のトラックに入った。
自然とスタンドに目が向く。
スタンドからランナーに声援を送る人たちが見える。
やっと帰ってこれた。
ゴールアーチが見えた。
しかし、ペースは下げない。
かなり息が上がっている。
でも、走りきる。
そして、ゴールした。
ヨッシャァーーーーーーーーー!!!!!!
自然に声が出ていた。
事前に決めていたわけでもないのに、
声が出ていた。
迎えてくれた大会スタッフが、
「おめでとうございます!」
と言って、完走タオルを肩にかけてくれた。
新品のタオルの肌触り…。
続いて、もう一人のスタッフが、
完走メダルを首にかけてくれた。
なんとも心地よい感触。
あざーーーーすっ!!!!!!
これまた、自然と声が出ていた。
そして、何やらこみあげてくるものがあった。
言葉ではなんとも形容しがたい感動を味わいながら、
バナナとドリンクをもらって、記録発行所に向かう。
記録発行所で記録証をもらい、確認する。
記録(グロス):4時間55分
ネットタイム:4時間48分
昨年の記録から大幅に短縮できたタイム。
しかもグロスで5時間切り。
自分の力量を考えると、目標以上の成果。
結果を出せた…。
しかも最高の結果だった。
大感動だ!!!
こんな感動を味わえたのも、
大会運営に尽力されたスタッフやボランティアの人たち
その他の関係者、沿道から声援を送ってくれた人たちのおかげだと思います。
…なんかスポーツ選手の優等生コメントみたいになっちゃって、
恐縮で恥ずかしいですが、今回は本当にそう思いました。
やべっ、走るのおもろすぎっ!!!
〈完〉
かなり長くなったのに読んでいただき、ありがとうございました。
ここからは、また坂道が続く。
往路で走ったあの下り坂、あの心配していた下り坂が、
上り坂として姿を変え、牙をむき、ランナーたちの足を奪ってくる。
そして、ここは昨年、自分が大失速した付近でもある。
レース前に、このコースで最大の難所と考えていた関門だ。
案の定、前方で走っていたランナーたちの多くが失速していく。
すげぇ~わかるよ、その苦しみ。
と思いながら、その光景をみていると、昨年の記憶がよみがえってきた。
一年前とは思えないぐらいの鮮明な思い出だ。
動かない足を、なんどもストレッチしながら回復、
いや、ごまかしながら坂道を上っていく。
上半身は大丈夫なのに、足が思うように動かない、この苦々しいジレンマ。
何度も何度も心が折れそうになった場所。
たぶん、人にはみせられないぐらい鬼の形相をしていたんとちゃうかな。
そんな1年前の自分。
そして、今回の自分の状態は…、
なんとか安定したペースで走っていけてる。
足に負担をかけないようにしながらも、無理せずに止まらず走っていけてる。
足をつかうのは、まだここではない。
その意識が働いていたのかもしれない。
そんな感じで走っていると、前方にまたもや、あの姿が…。
往路でロックな元気をくれた今ノ葉狂志郎氏だ。
往路の時から、ずっとランナーを応援し続けてくれていたんだ。
すげぇなぁ~。
熱い人だなぁ~。
ハイタッチするときに、今度はこちらから
「帰ってきたぜぇ~!」
って声をかけたら、
「OK!ベイベー!!」
って返してくれた。
テンション上がるぜベイベー。
この地点で、昨年の通過タイムよりも早く通過することができていた。
昨年の自分を超えられた。
まさかの大逆転だ!
■40kmまで
33kmを過ぎたあたりから、昨年と違った新コースを通り、
いよいよゴール近くの大仏殿付近へ向かう。
昨年、経験していないこの謎の新コース。
どうなるかと思っていたが、実際に走ってみると、
これがまた、なかなかの難所。
レース前、自分の想定では35kmまでを乗り切れば、
何とかなると思っていたが、
その考えは、甘かった…。
また、坂道じゃん!!!
35kmを過ぎてからの坂道は、かなりつらい、かなりしんどい。
長くはないけど、急な坂でしんどかった。
それでも、ちょっとだけペースを下げただけで、なんとか上りきることができた。
ここでも力になったのは、沿道の声援。
そして、子供たちやおばあちゃん、おじいちゃん、おっちゃん、おばちゃん、
お姉ちゃん、お兄ちゃんとのハイタッチ。
「がんばってぇ~!」
「ありがとう~!!」
言葉にすると、こんな些細なやりとりなのに、
お互いにみずしらずな者どうしなのに、
なんだろうか? この不思議な一体感は…?
すごいな…。
難所を乗り越え、37kmを過ぎたあたりで、現在の体調を考えてみた。
なんと、足がまだ残っている感じだ。
あと5km程度か…。
まだいける。
ギアを上げてみた。
キロ30~40秒ほど速くしてみた。
なんとか、いけそうだ。
ペースを上げて走る。
どんどん走る。
ついに奈良公園の芝生が見えてきた。
やっとここまで戻ってきた。
走っている道の左側と右側に奈良公園の芝生が見える。
その芝生や周りの景色にみとれながら
順調に駆け抜けていると、
突然、それは現れた。
前方で走っているランナーたちが、次々に止まり出す。
それに気づいた時、自分も足を止めていた。
いや、すぐに足を止めざるをえなかった。
ドドドドドドドドドドドドドドッ!!
なんと、前方の左の芝生から、右の芝生へと、
鹿の大群が通り過ぎていく。
いったい何頭いるんだ…。
待っている時間としては、数秒のはずだったが、
ずいぶん長い時間に感じた。
ランナーどうしも顔をあわせて苦笑い…。
ひょっとして奈良公園では、よくある風景なのかもしれないが、
こんな鹿の大移動を見るのは初めてのことだ。
まさに野生の王国…、そんな感じだった。
ここまで調子よく走ってきたのに、
まさか、こんな形で足を止めることになるとは…。
こんなことが起きるのも、このマラソンならではかもな…。
…おっと、いかんいかん。先を急がねば…。
思わぬハプニングに和みながらも、再び走り出す。
少し進むと、沿道の人が急激に増えてきた。
大仏殿前にたどり着いた…。
すごい人だかりがランナーたちを見つめている。
声援がさらに励みになる。
ゴールは目前だ。
■ゴールまで
大仏殿前を左折すると、
残り2kmほどのゴールまでの道のり。
その渦中で、またもや昨年の記憶がよみがえってきた。
足を痛めながらも、この道を走って、いや、歩いていた。
沿道の声援は力にもなるが、
不甲斐なく自分を考えると、申し訳ない気分があった。。
う~む、しんどい記憶ばかり思い出してくる…。
そんなものなのかな…、人の思い出って…。
そんなこんなで、最後の1km付近にたどり着いた。
またもや、坂道…。
でも、最後の上り坂。
そうだ、これは栄光の架橋、いや、栄光の上り坂だ…。
だが、この坂でペースを下げることはしない。
もはや、下げる必要はない。
そのまま上りきって、ゴールするのみっ!
かなり息が上がってきたが、ペースを下げずに坂を上りきった。
競技場の外壁が見えた。
沿道の人がさらに多くなっている。
競技場のトラックに入った。
自然とスタンドに目が向く。
スタンドからランナーに声援を送る人たちが見える。
やっと帰ってこれた。
ゴールアーチが見えた。
しかし、ペースは下げない。
かなり息が上がっている。
でも、走りきる。
そして、ゴールした。
ヨッシャァーーーーーーーーー!!!!!!
自然に声が出ていた。
事前に決めていたわけでもないのに、
声が出ていた。
迎えてくれた大会スタッフが、
「おめでとうございます!」
と言って、完走タオルを肩にかけてくれた。
新品のタオルの肌触り…。
続いて、もう一人のスタッフが、
完走メダルを首にかけてくれた。
なんとも心地よい感触。
あざーーーーすっ!!!!!!
これまた、自然と声が出ていた。
そして、何やらこみあげてくるものがあった。
言葉ではなんとも形容しがたい感動を味わいながら、
バナナとドリンクをもらって、記録発行所に向かう。
記録発行所で記録証をもらい、確認する。
記録(グロス):4時間55分
ネットタイム:4時間48分
昨年の記録から大幅に短縮できたタイム。
しかもグロスで5時間切り。
自分の力量を考えると、目標以上の成果。
結果を出せた…。
しかも最高の結果だった。
大感動だ!!!
こんな感動を味わえたのも、
大会運営に尽力されたスタッフやボランティアの人たち
その他の関係者、沿道から声援を送ってくれた人たちのおかげだと思います。
…なんかスポーツ選手の優等生コメントみたいになっちゃって、
恐縮で恥ずかしいですが、今回は本当にそう思いました。
やべっ、走るのおもろすぎっ!!!
〈完〉
かなり長くなったのに読んでいただき、ありがとうございました。
■20kmまで
南下を終えて、左折したら田園地帯を通って山道へ向かう。
いよいよ奈良マラソン名物の坂道が多く出現するゾーンだ。
さすがにこのあたりになると、ランナーたちもバラけてきて、走りやすくなった。
しかし、調子がよいのもつかの間、坂道が目前に迫ってきた。
なかなかの上り坂だ。
ここを調子よく走りぬけるのは可能だったが、
ここで足をつかってしまうと、後がつらくなる。
ここでは、あえてペースを下げた。
そんな感じで走っていると、ハプニング。
…というか、待ってましたぁ!!という気分。
一部の友人には、昨年出場した奈良マラソン2010の小話で話していましたが、
今年も忌野清志郎氏が登場。
いや、もとい、パフォーマーの今ノ葉狂志郎氏が登場。
しかも今年はサポーターも引き連れていらっしゃる。
キングオブロック忌野清志郎氏を思わすメイクとど派手な衣装のお姿。
ハイタッチしたら、「愛してるぜ~!」
と声かけていただきました。
今年もロックだったぜ!
そんな今ノ葉狂志郎氏、
お姿はこんなお人です。
ロックな声援をガッツリいただいたおかげで、坂道を上りきることができた。
■25kmまで
20kmを過ぎたあたりで、個人的に用意していた栄養ゼリー飲料で個人的チャージ。
大会で用意された給水・給食ポイントがあるが、それだけでは足りない気がしていたので、用意してみた。昨年の反省を踏まえた初の試みである。
2回目の折り返し地点(25km付近)までは、上り坂を越えると下り坂が続く。
この辺りになると、すでに折り返して対向コースを走ってくるランナーと、
どんどんすれ違っていく。
このすれ違いランナーを見ることはまったく問題ないし、
むしろ自分もあのように折り返してやるぞと思い、いい刺激になる。
ただ、気になるのは、すれ違いランナーの表情だ。
さすがに疲れてきている様子。
このすれ違いランナーと同様に、後ほどこの下り坂を上り坂として
走らなければならないと思うと、ちょっとうんざりした。
しかし、こんな時も、沿道の声援や太鼓などでの応援が元気をくれた。
そして、レースはハーフマラソンの距離(21.0975km)を越えて、マラソンの領域に入る。
この地点でのタイムは、昨年よりも14分ほど遅かったが、気にせずにペースを保った。
■30kmまで
25km~26kmの間に、3回目の折り返し地点がある。
美しいいちょう並木道を過ぎ、折り返し地点に来ると、ブラスバンドでの応援が聞こえてきた。気持ちがいい応援。
そして、給食ポイントで、ぜんざいがふるまわれている。
このぜんざい、昨年の時はすでに品切れで食べることができず、残念な思いをした。
今年こそはと思ったが、ぜんざい待ちの行列を見たらげんなりし、
タイムのことも考えて、やむをえずスルーした。
断腸の思いでの決断だった。
今年は、なんとしてでも昨年の悔しさを晴らしたいことが最大の目標だったので、
この気持ちがぜんざいへの食欲よりも勝ったというわけだ。
昨年は完走したものの、30km付近で足にきて失速、
終盤は歩いたり走ったりでのゴールだった。
だからこそ、今年は最後まで走り切る!と決めていた。
正直、ぜんざいの存在には、かなり心がざわつきましたが、ここまできたら意地ですな。
3回目の折り返し地点を過ぎたら、進路を北へとり、ゴールを目指す。
30km付近で、個人的に用意していた栄養ゼリー飲料で、2度目の個人的チャージ。
リフレッシュして、さらに北へ。
あかん、まだまだ書き足りませんわ。
→その3へ続く
南下を終えて、左折したら田園地帯を通って山道へ向かう。
いよいよ奈良マラソン名物の坂道が多く出現するゾーンだ。
さすがにこのあたりになると、ランナーたちもバラけてきて、走りやすくなった。
しかし、調子がよいのもつかの間、坂道が目前に迫ってきた。
なかなかの上り坂だ。
ここを調子よく走りぬけるのは可能だったが、
ここで足をつかってしまうと、後がつらくなる。
ここでは、あえてペースを下げた。
そんな感じで走っていると、ハプニング。
…というか、待ってましたぁ!!という気分。
一部の友人には、昨年出場した奈良マラソン2010の小話で話していましたが、
今年も忌野清志郎氏が登場。
いや、もとい、パフォーマーの今ノ葉狂志郎氏が登場。
しかも今年はサポーターも引き連れていらっしゃる。
キングオブロック忌野清志郎氏を思わすメイクとど派手な衣装のお姿。
ハイタッチしたら、「愛してるぜ~!」
と声かけていただきました。
今年もロックだったぜ!
そんな今ノ葉狂志郎氏、
お姿はこんなお人です。
ロックな声援をガッツリいただいたおかげで、坂道を上りきることができた。
■25kmまで
20kmを過ぎたあたりで、個人的に用意していた栄養ゼリー飲料で個人的チャージ。
大会で用意された給水・給食ポイントがあるが、それだけでは足りない気がしていたので、用意してみた。昨年の反省を踏まえた初の試みである。
2回目の折り返し地点(25km付近)までは、上り坂を越えると下り坂が続く。
この辺りになると、すでに折り返して対向コースを走ってくるランナーと、
どんどんすれ違っていく。
このすれ違いランナーを見ることはまったく問題ないし、
むしろ自分もあのように折り返してやるぞと思い、いい刺激になる。
ただ、気になるのは、すれ違いランナーの表情だ。
さすがに疲れてきている様子。
このすれ違いランナーと同様に、後ほどこの下り坂を上り坂として
走らなければならないと思うと、ちょっとうんざりした。
しかし、こんな時も、沿道の声援や太鼓などでの応援が元気をくれた。
そして、レースはハーフマラソンの距離(21.0975km)を越えて、マラソンの領域に入る。
この地点でのタイムは、昨年よりも14分ほど遅かったが、気にせずにペースを保った。
■30kmまで
25km~26kmの間に、3回目の折り返し地点がある。
美しいいちょう並木道を過ぎ、折り返し地点に来ると、ブラスバンドでの応援が聞こえてきた。気持ちがいい応援。
そして、給食ポイントで、ぜんざいがふるまわれている。
このぜんざい、昨年の時はすでに品切れで食べることができず、残念な思いをした。
今年こそはと思ったが、ぜんざい待ちの行列を見たらげんなりし、
タイムのことも考えて、やむをえずスルーした。
断腸の思いでの決断だった。
今年は、なんとしてでも昨年の悔しさを晴らしたいことが最大の目標だったので、
この気持ちがぜんざいへの食欲よりも勝ったというわけだ。
昨年は完走したものの、30km付近で足にきて失速、
終盤は歩いたり走ったりでのゴールだった。
だからこそ、今年は最後まで走り切る!と決めていた。
正直、ぜんざいの存在には、かなり心がざわつきましたが、ここまできたら意地ですな。
3回目の折り返し地点を過ぎたら、進路を北へとり、ゴールを目指す。
30km付近で、個人的に用意していた栄養ゼリー飲料で、2度目の個人的チャージ。
リフレッシュして、さらに北へ。
あかん、まだまだ書き足りませんわ。
→その3へ続く




