アメリカ先住民（ネイティブ・アメリカン）伝統料理は素朴だ。

ニューヨーク州北部セネカ族の伝統料理、かぼちゃのスープに豆入りコーン・ブレッドを取材先でいただいた。決して毎日食べたいほどうまいものではない。しかし、自然の恵みに感謝する先住民のスピリット込みでありがたい。

かぼちゃのスープは、煮込んだかぼちゃを裏ごしにしたもの。チキンスープを合わせて洋風のアレンジをしているが、これのおかげで非常に食べやすい。

灰色のコーンブレッドは、乾燥したコーンをつぶして粉にし、煮込んだ豆と水を混ぜて丸く固めて、１時間ほどお湯でゆでて作る。食感はかための蒸しパン。豆がアクセントになっていて、思いのほか食べやすい。

セネカ族にとって、かぼちゃ、豆、コーンは、独特の三姉妹農法で作られる特別な食材だ。コーンを植え茎が育ったところで豆を植えると、コーンの茎に豆のつるが巻きつくので、そえ棒をたてる必要がなくなる。

またコーンの根元にかぼちゃを植えると、かぼちゃの葉が地面を覆って土壌にほどよい保湿効果を与える。３つの作物が互いに支えあって成長する。いかにも先住民の助け合いの精神を象徴するかのような、三姉妹農法である。

感謝の気持ちがあれば、旨味もひとしおだ！

案外美味いアメリカン２１：アメリカ先住民の恵みを食らう