生まれたばかりの赤ん坊には認識はありません
でも見る、聞く、味わう、嗅ぐ、触覚などの人間としての五感の機能はあります
目の前のあらゆる物体は見えているけれども、それが何かは分からない
全く認識がないのである
だんだんと成長するにしたがって、物があると分かってくる
何かを見たり触れたりすると、何かあるという認識の働きが動き始める
母親のことを、この人はママというものだということも分かり始める
認識するもの、対象物があると思い始めた時に、自分と他があるように思い始めた
物があると認める働きによって、私というものもあるように思い始めた
親がそうやって呼ぶから、自分のことは○○ちゃんとだということも分かってくる
そして自分のことを○○ちゃんだと呼んだりする
物と同じように自分も対象物として見るようになる
○○ちゃんは私なんだと
そして、私があると思い込んだ
さらに、対象物があると、対象物に対してさまざまに思うことが可能になる
それはいいものか、きれいなものか、好きなものか、きらいなものか、いろいろ考えることができるようになる
対象物は、それ自体でその通りだが、いい悪いを思うようになる
そのことを自分に対しても始めてしまう
自分はどんな子だろう、自分はいい子なんだろうか、褒めてもらえるんだろうかと、
自分に対しても同じようにいい悪いを考えるようになる
それをずうっと続け、思い込みの私が迷いの原因となった
そもそも、私というものは元々なかったのである
