大人を困らせる子どもの質問。


私が小学校5、6年生の頃に流行った小説がある。
それは「山田ババアに花束を」という小説だ。
内容はあまり覚えていないが、衝撃的な内容が小学生の間で流行っていた気がする。


子どもの頃というのは、だいたいは人間関係から新しい言葉を学ぶが、本からも、人間関係では知り得ない新しい言葉を学ぶことがある。

その小説に書かれていた言葉で
「若いツバメ」
「バージン」というものがあり、全くそれらの意味がわからずページの前後が繋がらないのだ。
言葉の意味がわからなければ小説の内容も途中でわからなくなる。
私はどうしても、それらの言葉の意味が知りたくてまずは友人に聞くが、友人も「わからない」と言う。

その後は担任の男の先生に「せんせー!バージンてなに?」と聞いた。
当時の担任教師は絵に書いたように真面目で髪型も七・三分けであり、生徒に媚びる所も全くなかった。
その担任教師から何て答えてもらえたかは記憶にないが、たぶん「今は知る必要がない」というような事を言われた気がする。


そのことが、どうやら担任と私の母を含むクラスメイトの母達の間で取り上げられたらしく、後日母からバージンについての説明があった。


「バージンっていうのはね、ジーパンの別の名前だよ。」と言われた。

謎が解けた私はその後、同じ小説を読んでいた友人に「バージンって、ジーパンのことらしいよ!」と教えてあげた。


本当の意味を理解するようになったのは、もう少し後になる。

やはり、そういったことは友人同士や雑誌だったりで知るのだ。
今はインターネットですぐ調べることができて便利な時代だが、人と人との間で「あれってなに?」と情報を交換し合える喜びと滑稽さも面白くていいなと、昔を思い出しながら一人ほくそ笑むのであった。