父の誕生日。


今日は亡き父の誕生日だ。
生きていれば71歳だと思う。
71歳の父はどんな父なのだろうか。
働くことが好きな父は、きっと今でもシルバーセンターの紹介でどこかで働きながら、大好きな植物をベランダで育てていたことだろう。


私は保育園の頃
親戚のおばさんや、両親の友人から
「うちの子になりなさい」と言われ続けていた。
あれは冗談だと思うのだが、当時の私は断固拒否していた。


仕事で留守がちの両親で、姉はかなり歳が離れていて家にはほとんどいなかったし、兄は妹の私をいじめてくるのでそれは嫌で寂しくはあったが

この家族から離れたいとは思わなかった。

中学生くらいになって大人に近づけば近づくほど「大金持ちの家庭が良かった」
「芸能人のこどもが良かった」などと
妄想を繰り広げたり
「こんな家族はうんざりだ」と思ったりはした。



しかし、保育園当時の無垢な状態の私は一切そんなことは思わず
「うちのこどもになりなさい」と言われると「やだ!お父さんとお母さんがいい!」と泣いていた。


そんなことを思い出すと
私達はちゃんと生まれる前に
生まれる場所を選んで来ているような気がする。

そうでなかったとしても
どんな家庭に生まれて
どんな状態であろうとも
こどもはお父さんとお母さんが好きなのだと思う。


そこには純粋な愛がある。


こどもはその小さなからだいっぱいに
家族を愛している。