横浜市 妙蓮寺のピアノ教室

いそざき音楽教室に

ご訪問 ありがとうございます。

 



 

先日は さいたま音の葉研究会の

小倉喜久子先生による

特別講座 第二弾

 

ピアノの歴史と奏法について

「モーツアルトとショパンに

焦点を当てながら」

に参加しました。

 

先生の素晴らしいご自宅には

チェンバロから現代のピアノ

に至るまでの古楽器が

ずらりと並んで圧巻です。

 


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この反対側にも、3台
あります。


妙蓮寺から片道2時間は

ちょっときつかったですが

伺った甲斐が充分ありました。

 


 

超至近距離で聴く

小倉先生の演奏は

息遣いそのものが手に取る

ように感じられ

何よりもその楽器の音は、

 

空気を伝わって

音を肌で感じるとでも

言いましょうか・・、

本当に教室の生徒にも

聴かせてあげたい音色でした。

 

遠い昔

バッハやモーツアルトや

ベートーベンの頃に

思いをはせながら

聴き入りました。

 

 

現代のピアノよりも

個人的には

チェンバロは 装飾音が

またもう少し時代が新しい

フォルテピアノは 延びた音が

美しいと感じました。

 


現代のピアノで何も

考えずに弾くのではなく

 

作曲された時代にどのような

楽器が使われ

また それがどのように

発音されていたのか

ペダルがあったのかなかったのか

ペダルに代わるものがどのように

使われていたのか

 

作曲家がどのような音を求めて

作曲していたのかを考えて

演奏してみる

ことの大切さを感じました。

 

また 作曲家の弟子関係も

その曲風に影響がかなりあることも

面白く 奥が深いと感じました。

 

 

研究会のメンバーが

皆、「これ、ほしい〜!」

と唸ったのは

クラヴィコード。

 

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モーツアルトは、演奏旅行に

持っていくためのコンパクトな

旅行用クラヴィコードも

あったそうです。

 

一人一人試弾させていただきました。

 

鍵盤楽器では珍しく

ヴィブラートができるので

感情を表すのに適しているそうです。

 

第一関節がかなりしっかり

していないと音が出ませんでした。

 

このクラヴィコードで

美しくひけるようになるには

かなり指先の感覚が

研ぎ澄まされないと

難しいと感じます。

 

これで 練習すれば現代のピアノの

音が絶対に変わるだろうということで

皆さんが「ほしい〜!」

となったわけです。

 

製作されている方も少なく

もちろん全部手作業で

高価なものなので

買えるわけない・・・ですが。

 

今回 納得がいったことの

ひとつ。

ベートーベンのソナタ月光の

第1楽章に

senza  sordino

(弱音器をつけないで)という

指示があり

解説を読むと

ダンパーペダルを踏むということ

つまり現代のピアノの

ペダルを踏むということ

と書いてあったのですが

意味がよくわからないままでいました。

 

 

小倉先生の解説と自分で再度調べ

本物の楽器を目で見て

耳で聞いて納得しました。

 

当時の楽器には

足で踏むペダルはついていなくて

膝で押し上げるレバーしかなく

ダンパーをあげたままの

状態で弾く、つまり

ペダルを踏んで弾く

という解釈になったということです。

 

ベートーベンのころの

フォルテピアノで 弾いてくださった

月光は 音の響きがわずかに

濁りそれがまた 本当に

月夜に照らされた静寂な

森林でも連想するかのような

音いろでいつまでも

聴いていたいと思うひと時でした。

 

ユーチューブにありましたが

やはり 実際の音色は

もっと繊細で説明し難い

美しさで

現代のピアノで和音ごとに

濁らないように弾くと

古楽器で弾いた時の

雰囲気は損なわれるなと

思いました。

 

 その作曲家が生きていた頃の

楽器の仕組みや音色を

知ることは

演奏する上で

とても大切だと

改めて思いました。