遅くなりましたが、GPS初戦のスケートアメリカの感想です。
まず、三浦・木原ペアが日本人同士のペアとして初めてGPSで銀メダルを獲得したのに感動しました。
ソチの団体戦に向けて木原選手がペアを組んだ時には、世界のレベルとは明らかに差があって、海外との育成環境の違いもあって、正直難しいかなと思ってました。それが、時には怪我もありながら、何年も練習を積み重ねてきて、世界で戦えるレベルまで来たことに胸が熱くなりました。フリーのスロー3回転ルッツで三浦選手が転倒して壁に打ち付けられた時、ひやっとしたけど、すぐに立て直してその後ノーミスの演技で終えて、二人ともすごい笑顔で終わっていたのに、こっちも幸せな気持ちになりました。
アイスダンスも小松原組もかなだいも頑張っているし、団体戦が楽しみになってきました。
でも、男子でフリーを滑る選手一人にすごい負担がかかるようなスケジュールだけは何とかしてほしい。
男子はネイサンがまさかの不調でびっくりしました。いつも初戦はそんなによくないイメージがあって、ちょこちょこミスしながら、でも他の選手とのジャンプ構成の差で優勝は固いって感じだったけど、いよいよオリンピックイヤーで注目が集まって重圧を感じてしまったのか、ヴィンセントも昌磨くんもフリー5クワド構成で挑戦してきて余裕がなくなってしまったのか、珍しく優勝を逃しました。
演技が終わった後も、表彰式も元気がなくて、心配になりました。昌磨くんもなんとなく、心配だったんじゃないかな。
2年前のGPFの会見で昌磨くんがすごく落ち込んでいた時、自分は1位だったのに、隣の昌磨くんのことを心配そうに見ていたネイサンを思い出したりしました。
でも、最後の日のエキシビジョンで、リンクメイトのマライヤベルと笑顔で会話して、その後、いつのものように回転の速いキレのある4回転跳んでいたのを見て、安心しました。ピークはもっと後にもってきた方がいいし、ここで一旦、連勝記録の重圧を下ろしてしまったのも良かったのかも。
昌磨くんが2位に着けたのにとりあえず、ホッとしました。
今までの中で一番ジャンプの調子が良い、ちょっとくらいは期待して欲しい、という言葉に安心しつつも、「たとえ失敗しようとも1シーズン通してこのプログラムを完成させたい、世界のトップと戦える選手に。例えどれだけ失敗して打ちのめされてもこれをやりたい」という言葉を聞くと、ついあのフランス大会の記憶が蘇ったりして、ボレロを滑る前からドキドキしてました。着氷が乱れたジャンプも多かったけど、転倒なしでまとめられて良かった。
あと、やっぱりSPはオーボエがいい。マイケルプロはステファンの振り付けが素晴らしいから、きっと他の人が滑ってもそれなりに良いものになる気がする。でも、あのオーボエの演技は昌磨くんにしかできないと思う。静寂な音楽の中で、昌磨くんの滑りが観客を惹き付けて、場を支配していた。冒頭の4Fが抜けたにも関わらず、PCSも出ていたから、ジャッジの受けも悪くないと思う。
マイケルプロはエキシですごく観客が盛り上がっていて、ザアイスで初披露だった時より、動きもキレキレになっていて良かった。来シーズンにSPで観たい気もする。
女子は宮原さんのSP「小雀に捧げる歌」を見て、涙が出そうになりました。新SPにする予定でリモートで振り付けたリラ・アンジェリカをやめて、小雀に捧げる歌に戻した時は、どうしたんだろう、と思っていたけど、3年前に見た時より、さらに印象的で、動きの一つ一つが美しくて、衣装も素敵で、今シーズン、この小雀に捧げる歌を持ってきてくれて良かったなぁと思いました。
トスカも圧巻で、観客のスタオベと歓声がすごかった。
「最初から楽しく滑れた。楽しく滑ることをアイスショーや小さな試合から考えてやってきたので、少しずつそれができるようになってきたのかな」
去年は予定されていた試合がどんどん中止になり、調整も難しかった中、ぶっつけ本番で臨んだ世界選手権で不本意な結果に終わってしまったけど、今シーズンは失敗を恐れずのびのび滑れていて良かった。回転不足を取られたジャンプもあったけど、芸術性ではトップだと思います。
配信の特典映像で、ステファンが宮原さんを見つけて声をかけて、ハグして話しかけているところがあって、きっと演技を絶賛してくれてたんじゃないかと思いました。(前にステファン、インタビューでサトコの大ファンだって言ってたよね)
ジャンプでもっと加点が取れたら、点数というところでももっと評価されるのにと思うけど、逆に考えると、ジャンプが得意じゃないから、自分が伸ばせるところ、スピン、ステップ、繋ぎや表現力をコツコツと磨き上げていって、今の演技があるのかなぁと思いました。
宮原さんがミスパーフェクトと呼ばれていた頃、全部のジャンプをノーミスで滑り、エレメンツも高いレベルで淡々とこなしていた頃は、特に演技に惹かれたことはなくて、怪我をして休養した後、ジャンプの練習ができない分、表現力を磨き始めた頃から、どんどん演技が好きになっていっていきました。
北京オリンピック後はルール改正があると思うけど、ジャンプだけじゃなくて、もう少しバランスの取れた演技が推奨されるような流れになるといいなぁと思います。今みたいに技術点が上がると、連動して演技構成点も上がるみたいな仕組みだったら、選手だって勝つためにはジャンプを優先するしかなくなるし、長くスケートを続けられる選手が少なくなってしまうんじゃないかなと思います。
坂本さんはアジアンオープントロフィーでフリーに苦戦してたから、どうなるんだろうと心配だったけど、わずか1週間で立て直して、ジャンプがすべてはまって良かった。リンクを縦横無尽にすごいスピードで駆け抜けるスケーティングは、他のスケーターには真似できないなぁと思いました。PCSが70出たのも納得。繋ぎもすごく難しいことやっているし。
前回の世界選手権ではなぜかとても低い評価をされてしまったけど、PCSの評価が戻って良かったです。
去年は中止になる大会もあったグランプリシリーズ。今年はこのまま、全ての大会が無事に開催されるといいなぁと思います。