多くの方は一度見かけたことがあるであろうデュマ法。名称は知らなくとも、次の問題文を見れば思い出すかも…
※全て理想気体をベースとして解説します。


ある蒸発しやすい液体の分子量を測定するために、次の実験を行った。…

①アルミ箔,フラスコ,輪ゴムの質量をはかると237.6gであった。
⑦実験時の大気圧は1.0×10^5Paであった。


今回はこのデュマ法について解説していきます。


 ​概略《フロー》

今回の問題形式では状態方程式を用います。ですからまずは、数値の整理から行います。

次に、各数値を求めて代入。それだけです。


  状態方程式の変形

※特に断りがなければ文字の示すものはすべて教科書等に準拠し、m=mol濃度・w=質量を示す。


ここでやりたいこと:
分子量に関する方程式をたてる


気体の状態方程式: pV=nRT


これを都合よく改変していきます。まずは今回のミソである分子量、つまりmolの部分を左辺にもってきます。(⇒n について解く)


nに関する式: n=pV/RT


今一度考え直してみるとnは(質量w)/(mol質量m)でも表すことができますね。また式変形して今つくりたい、分子量(m)に関する式に変形します。


mに関する式: m=wRT/pV


さてこれでm、つまりmol質量に関する式ですからすなわち、分子量の式が導けた訳です。

これはこの問題のみならず、そのほかのさまざまな問題に幅を利かせます。ぜひ覚えてください。


 ​デュマ法による分子量測定

では解答準備も整ったので、デュマ法による分子量測定を解説していきます。


デュマ法では

⓵器具(フラスコ・アルミ箔・輪ゴム)の乾質量を量る

⓶液体試料(分子量を測る対象)を適量いれる

⓷完全に蒸発するまで加熱する

⓸気体が液体になったら室温まで冷やす

⓹全体の質量とフラスコの体積を量る

の5つのステップで分子量を計測します。


ちなみに⓶でいれる液体試料は少なすぎなければ量は問いません。なぜなら計算に影響を与えることがないからです。これも後ほど理由がわかります。



この操作で器具の総質量が分かります。これは、試料の質量を求めるために後ほど使います。

この操作が肝心です。

この操作をすると、フラスコ内はフラスコの体積(V)分の気体の試料が満たしていることになります。そして、フラスコ内に元々あった気体と液体試料の気体は最初、アルミ箔の穴から噴き出ますが、しばらくしてフラスコ内と大気圧が同圧になると噴出が止まります。そしていま液体試料の気体はT(K)に温められています。

これらから分かることは、この気体は

⓵1.0×10⁵ Pa(実験した部屋の大気圧) のとき

⓶ T(K) で

⓷ V(L)

の気体であることがわかります。


これで気体の状態方程式における

p・V・R・T (※気体定数Rは普通明示されているから)

がわかった。

つまり残りは w(質量) のみである。

このときは室温まで完全に下げきることに注意します。(誤差予防)

⓷の操作で、フラスコ内はVℓの液体試料の気体で満たされた状態でした。しかしその気体は⓸の操作で凝縮し、液体へと戻ります。すると、今この状態の総質量wから乾質量を引けば、液体の質量が求まるはずです。


(乾質量)=(フラスコ+アルミ箔+輪ゴム)

(w)=(フラスコ+アルミ箔+輪ゴム+液体)


(乾質量)-(w)

=(フラスコ+アルミ箔+輪ゴム)-(フラスコ+アルミ箔+輪ゴム+液体)=液体


そうすると分かるのが、⓷の操作の時にVℓを満たしていた気体がwgであることが分かりますね。というのも気体も液体も同じmolなら質量は変わらないからです。従ってwの値も求まりました。

こうしてあとは先に立てた状態方程式に代入することで分子量が求まるのです。


 ​最後に

いかがでしたか?理論的に紐解いてみると、その見た目に対して割合簡単というか、すんなり解けることがほとんどなのが化学です。まずは諦めるのではなく、『情報を集めて解いてみる』なんてこともしてみてください。以上が今回の解説です。不明な点があればお教えください。





by 中間層の高校生