少しづつスペイン人の来日も可能になって来ましたね。10月にはアントニオ・ガデス舞踊団が来日して「カルメン」を上演すると聞き、早速チケットを予約しました。



アントニオ・ガデスは踊り手ですが、フラメンコを劇場の舞台で洗練された芸術として見せることに成功し、舞台演出家としても才能豊かで有名でした。その舞台を作る舞踊団の中で起こるお話を、リアルとフィクションをないまぜにしてカルロス・サウラ監督が撮った映画「カルメン」を私が見たのは、まだフラメンコを始める前、高校生の時でした。




NHKのドラマ「アンダルシアの虹」でフラメンコを見て気になっていたところに、TVで映画「カルメン」の迫力あるタバコ工場のシーンを見かけ、この映画を絶対見に行こう❗️と思ったものの、当時「ぴあ」か何かで調べたら、新宿の歌舞伎町でしか上映していない…。数人の友人に話してみても、そんなマイナーなスペイン映画を見に新宿まで付き合ってくれる友達も見つからず、それでもどうしても見たくて…行きましたよ‼️早目に授業の終わった放課後に、横浜から新宿・歌舞伎町へ…女子高生一人制服のまま…チュー


歌舞伎町のケバケバしさにちょっと緊張しましたが、興味あるものには行動して追わずにはいられない性格でした…(まあ、高校も横浜西口、通学路にポルノ映画館もあったので、ケバケバしさには多少慣れてもいましたね爆笑)そして期待通りの、迫力満点のフラメンコシーンに感動して興奮しながら「フラメンコ習ってみたいな〜❣️」と思ったのでした…。


見終わってお腹が空いて、ファストフード店に一人で入ってハンバーガーを食べていたら、「君、TVに出たくない?」とどう見てもまともなハズがない、変な男に声をかけられたのも、強烈な思い出笑い泣きこんなのに引っかかっる子がいるんだろうか、と思いながら、こんなところに女子一人制服でいたら、そりゃ変なのも寄ってくるかもなぁ、なんて考えましたが…頭の中はもうフラメンコでいっぱい、受験を控えていたので、受験が終わったら習いに行こう❗️とその日決心したのでした。


翌年晴れて大学生となり、通学途中の駅にお教室も見つけて、私のフラメンコ生活が始まりました。後から聞いたところでは、当時映画「カルメン」の影響でフラメンコを始めた人は結構いたようですね。


その後アントニオ・ガデス舞踊団の来日公演も何度かあり、もちろん見に行きましたニコニコガデスの飾り気のない、ストイックで陰影に満ちた舞台は、映画とはまた別の魅力で素晴らしい芸術作品でした✨


どういう経緯か忘れましたが、私とは別の日に父がガデスの舞台を見に行き、終わってお寿司屋さんに行ったらそこにガデスが食事に来て、サインをもらって来たこともありました音譜

その頃はもう、劇場の洗練された舞台より土臭い野生的なフラメンコの方に心惹かれていたので、驚愕というほどではなかったけど、やっぱりフラメンコ界の大スターのサインを直に貰うなんて、羨ましかったです〜照れ


さらに後、留学時にマドリードのスタジオ「アモール・デ・ディオス」の前のバルでガデスを見かけたことがありました。白髪等外見はかなり歳を取ったことを感じたものの、後ろ姿でも一目でガデスだ、と解る美しい身体と立ち姿が印象的でした。


映画は、後からパコ・デ・ルシア始め沢山の有名アルティスタが出演していたことを知りました。内容やフラメンコシーン、迫力だけでなく、見どころの多い映画です。

近年は久しく見ておらず、DVDを検索してみたけど、なかなか入手しにくそうです。実家には大きなレーザービジョン(ビックリマーク)が残っているけど、なかなか見る機会もないしキョロキョロ


アントニオ・ガデス舞踊団はガデス亡き後もガデスの演出を守りつつ、ガデスに信頼され鍛えられた元団員たちによって運営が続けられているそうです。私はガデス没後の舞踊団は見たことがなく、今回初めて。何十年か振りの舞踊団の舞台、どんな風になっているのか、昔見たトキメキがまた蘇るか…とても楽しみですねニコニコラブラブ


作品としては「血の婚礼」も大好きです。ガデスの美意識がより研ぎ澄まされて詰まっている気がします。こちらもカルロス・サウラ監督によって映画化されています。


劇場フラメンコは好みもありますが、この2作品はフラメンコ好きには是非、基礎知識としても見ておいて欲しい作品です。