いきなり連絡が途絶えて1年半。
もう連絡する事も、会う事も無いと思っていた元彼のY氏との再会。
デートの待ち合わせは、必ず東梅田の旭屋書店だった。
別れてからは一度も私は、東梅田には足を向けてない。
二人してお気に入りの店、必ず利用していたホテル、手を必ず繋いで歩いた道。。。。
この一角はY氏との思い出ばかりで、あの時は楽しかったけど、
別れてからは、思い出したくない場所の1つでもあった。
その待ち合わ場所に、予定時間より30分遅れで、やっと訪れたY氏。
そう言えば、この人って時間にルーズだった事をすっかり忘れていた。
「ごめん、ちょっと遅れる」約束の時間15分前に連絡はあったけど、
結構はっきりしない時間を待つのは疲れる。
19時になっても、来る気配がなければ、帰ろうか?と思ったくらい。
これも今に始まった事じゃなくて、昔も良くあった。
しかも実際に待ちくたびれて、帰ったこともある。
B型の彼の行動は何時も自己中心的だ。
彼との付き合いのうち1年間はストレスの連続だった。
Y氏との1年半前の、あの別れの原因は、はっきりさせたい。
今日はこれが1番の目的だ。
Y氏にメールをしたのも、今日のデートを決めたのも私。
これから誰と、どう進むにしても。
久しぶりに会う彼は、変わらずとは言えなかったけど、
相変わらずの風貌に、懐かしい笑顔だった。
細身の身体が更に細く、何となく、やつれた感じもした。
Y氏は商社に勤務しているにも関わらず、
スーツは着ないので、誰とも違うおしゃれさがある。
状況が悪い時に会う時のY氏は表情が険しいのだが、今日は笑顔だ。
どうも私は笑顔の良い人に惹かれるみたい。
この笑顔に会うために、東梅田にあるこの本屋に通っただろう。
「ごめん、お待たせ。」Y氏
「遅い!(笑)相変わらず忙しいみたいね。」私
「なんかなー、夕方になると、バタバタ何時もするんだ。」Y氏
「まぁそれはいつもの事で、よく解ってる。(苦笑)」私
「本当にゴメン。」Y氏
「さぁ、今日は色々と話を聞かせて貰おうね。」私
「もうさ、なんかな、話をしたら全部言い訳になるから、言いたくないしさ、
愚痴になるから言ったらダメってこともよくわかっているんだけどね。
あまりに良くなかったら、厄落としにも行ったし、会社でも厄落としに行ったんやで。」Y氏
「そう言えば厄年やもんね。」私
「そうそう、本厄や。」Y氏
「じゃまだまだ災難が続くと言う事だ、実は私の出現もその1つだったりして。」私
「いやいや、いいタイミングでメールくれたよ。」Y氏
「本当に?迷惑じゃなかったの?」私
「いや本当に凄く嬉しかったよ、本当!」Y氏
近況を話ながら、いつものように御堂筋を南に向かう。
何時もデートをする場所は、東梅田か北新地か西梅田のどっちか。
と、言ってもお気に入りの店が有るからだ。
深緑のダッフルを着ているY氏の姿を見るのは久しぶり。
おしゃれな彼は、色のコーディネイトも良くて、
何時も茶系に合う色にまとめられていて、
ちょっとしたバックや時計等の小物にもセンスの良さが見え隠れする。
スーツとコートを合わせた、何処にでもいるサラリーマンじゃない事は確か。
横に並んで、身長を楽しみながら歩くのもこの人ならでは。
178センチは5~7センチのヒールを履いても、全然目線が違う。
この差がたまらなく好き。
何となく以前と同じように、不意に腕を組んでみたら、
嬉しそうに私の顔をみて笑い、見つめてくれて、彼から手を繋いだ。
何時もこの辺りを、腕を組んだり、手を繋いで、歩いていたのだ、
連絡が途絶えるまでは。
「今日は何処にしようか?何が良い?」Y氏
「うーうん何でも良いけど、今日は、やっぱり~。。。」私
「やっぱり?(笑)」Y氏
「お蕎麦!」二人
「って言うと思った。」Y氏
「私、別れてから全然来てないもん。この辺り。」私
「俺も来てないよ。どっちにしようかな?」Y氏
東梅田でもお初天神の辺りが、私達のテリトリー。
東京で独身の時に、お蕎麦が大好きになった私とY氏なのだか、
美味しいと思えるお蕎麦屋さんが、この界隈には2件ある。
今日選んだ店は、お蕎麦屋さんだけど、居酒屋メニューもあるお店。
若い人が入りやすい感じに仕上げた、スタイリッシュなお蕎麦屋さん。
この店は個室があって、非常に便利。
しかも襖で隔てられている完璧な個室で、密着度が高い。
味も雰囲気も良いので、お気に入りの店の1つ。
個室なので、キス放題な環境。(笑)
店に入ると、お酒が殆ど飲めないY氏が珍しくビールを頼んでいた。
私もY氏が飲むなら同じモノをと珍しくビール。
2人して飲まないので、食べることが常にメインになるが、
強はビールで久しぶりの再会を祝った。
「痩せた?」私
「そう?あまり変わらないよ。でも久しぶりに合う人にはよく言われる。」Y氏
「私、久しぶりやし。それにメールアドレスの632って体重じゃないの?」私
「おっ、覚えてた?」Y氏
「うん、だって前は670だったでしょ?だからメールを貰ったときに、
あれ?とは思ったけど、やっぱり痩せてるやん。」私
「もうな、ホンマに色々あってね、何を話しても何を言っても、
愚痴か言い訳にしか思われないと思うし、
そんな事を言いたくないけど、ホンマに凄いねん。。。」Y氏
個室に入って落ち着いて来た頃に、色々と近況を報告してくれた。
仕事の事、怪我の事、空き巣に入られた事、本当に色々。
で、私の事。
別れる半年間強ぐらい、仕事が上手くいってないのは知っていた。
クレーム&クレームの繰り返しで、進まない状況の案件が数件有った。
丁度、偽装事件が頻繁に起こっていた時期と重なっていて、
食品を取り扱う彼の仕事にも、大きな影響力ともなっていた。
そんな時期だったので、デートを約束しても、
30~1時間の遅刻は当たり前で、当日キャンセルも有った。
そんな事の繰り返しを続けていたので、
私はなかなか会えないもどかしさに加えての不安を募らせ、
彼は仕事や時間に負われていて、常に余裕のない状態に。
お互いに何か見えないモノに振り回されていた事は確かだ。
それなのに、S氏じゃないけど、Y氏もそんな多忙な時期に、
他の女性とメールをしたり、yahooのメッセンジャーで他の出会いを探していたし、
こんな状況の中、最後にデートを最後に、いきなり連絡が途絶えると、
他に誰か好きな人が出来たか?私との付き合いが嫌になった?としか、
私には考えられなかった。
「今も病んでるけど、あの頃はなにもかも嫌になって、もっと病んでた。」Y氏
「色々仕事で思うように、事が進んでないのは解っていたけど。」私
「何もかも見えなくなって、嫌になって、全部情報消したんだ。
後から、連絡がない事に気が付くやん。メールしようと思っても、
何もないから、あっ、なんで消したンや~って自己嫌悪に陥ったし。」Y氏
「絶対に、陥ってないわ。(笑)」私
「そんな事無いよ、ずっと待っていたよ、メール来るの。自分からはメール出来ひんから。」Y氏
「前にさ、女性とメールやメッセンジャーでアクセスしていた事がバレた時も、
そう言えば、いきなりメールアドレスを消したとか言っていたよね?」私
「う、うーん。。。そうやったけ?」Y氏
「あの時は私からメールをしたら、直ぐに返信が来たけど、
今回はメールを2~3回したけど返事無かったよ。
最後のメールは、こんな別れ方したくないって送ったんだ。。。。」私
「ごめん。。。」Y氏
「なんで唯一のつながりを消しちゃうのかな?
一時的な感情で連絡先を消去しちゃうなんて、女みたい。
よく女性が着信拒否や情報を削除するのは聞くけど、
そんなん普通、男性はせんよ、消すこと自体が面倒じゃないの?」私
実際、私もY氏との付き合いで、何度アドレスを消去したことが。。。
だけど、普通男性はそんな行為自体しないと思っていたから、
Y氏の行動は、受け入れがたいモノが有った。
でも前にも連絡先を消去する事件があったので、
良く思えば、あの状況を考えたら?有り得ない話でもないかもしれない。
「俺って、女ぽい所があるんかな?」Y氏
「少なくとも、一時的な感情で行動する事は確かじゃない?」私
「・・・・」Y氏
「まぁ良いんじゃない、メールしたら返事くれたし、また、こうして会ってるわけだし、
あの別れで、トラウマになっていたのも確かだけど、
Y氏にメールしたと言うことは、一歩前に進めたと言うことやわ。」私
「ホンマにメール嬉しかったよ。」Y氏
「そうやね。夜遅かったのに、直ぐにメールしてくれていたモンね。」私
「うん、接待の帰りに、メールに気が付いてん。
ちょっと前に後輩がSMSでメールをくれて、で、玲ちゃんからメールが来て、
そうかこのやり方があったんかー!って。」Y氏
「って、覚えてなかったでしょ!電話もアドレスも。」私
「アドレスは車の名前を思い出したりして考えたけど、確か長かったから断念したわ。」Y氏
「絶対に嘘や。(笑)」私
「嘘じゃないって、ホンマに連絡を取ろうと思ったって!」Y氏
「そうやね、じゃないと土曜日にメールなんかしないよね。」私
「絶対に早く返事をしないと、せっかくのチャンスやのに、また切れるやん。」Y氏
「私もY氏が返信をしてくれた事、凄く嬉しかったよ。」私
「そう思ってくれると嬉しいよ。」Y氏
「こうしていると、1年半も会ってなかったなんて思えないね。
全然空白感じひんわ、このまま、また元に戻れるんかな?」私
「それはもう玲ちゃんさえ良ければ、こんなに嬉しいことはないよ。
でも俺からは何も言われへんわ。」Y氏
「なんで?」私
「だって。。。。こんな事になったんは、俺が原因やし。。。」Y氏
「そっか(笑)、そうやね。でも1つ解ったことが有る。」私
「何???」Y氏
「連絡が取れて凄く嬉しかったし、こうして話をしてもやっぱり楽しい、凄くこの時間が待ち遠しかった。
また出来れば、昔と同じ付き合いが、これからもずっと出来たらと思う。
で、もしまたメールがいきなり来なくなったとしても、懲りずに私からメールをしないといけないって事と、
絶対にY氏の情報を削除したらダメって事。(笑)」私
「そう思ってくれるの?」Y氏
「うん。Y氏は私にとって大事な人だから。どんな事になったとしても。」私
Y氏は大好きで恋人だった人だけど、
それ以外にも、同じ年齢の息子が居るので、色々な話しをしたり、
仕事の事だったり、色々な事を関わっていたい人。
だけど、本当にY氏を信じて、恋愛をまた始めることが出来るのだろうか?
気持ちと頭の中では、全く違う答えを出している私。
どうなるんだろう?