“加害者”が口止め工作!? イージス艦あたごの衝突事故で、海上自衛隊の幹部が20日、行方不明の父子の親族に対して「報道陣には話さないで」と、口封じとも受け取られる要請をしていたことが分かった。一方、あたごの見張り員が事故の「約12分前」に漁船の灯火を視認していたことも判明。「2分前」としたこれまでの説明よりかなり早い段階で、漁船の存在に気付いていた可能性が浮上してきた。
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これも得意の機密保持? 行方不明父子の無事をひたすら祈り続ける親族に対して、海自幹部があまりにKYで無責任なお願いをしていた。
問題発言の主は海自横須賀地方総監部の山崎郁夫幕僚長(55)。行方不明となっている漁船「清徳丸」の吉清(きちせい)治夫さん(58)と長男の哲大さん(23)の親族12人に「あそこに報道陣がいますが、知らんぷりしてください。ひと言も話さないで通ってください」と要請したのだ。
親族は千葉・館山沖までえい航された清徳丸船体が台船に引き揚げられる作業を、山崎幕僚長の同行で沖合で見守った。船体の無残な姿にハンカチで目頭を押さえる親族もいた。その作業後、山崎幕僚長が取材で待機していた報道陣を指しながら問題の発言をした。
親族が帰宅後、発言を聞いた報道陣が「加害者の海自側から被害者の家族にそのようなことを言うのはおかしいではないか」と抗議。山崎幕僚長は言葉に詰まり「報道陣の数が多かったので驚いてしまった。おわびしたい」と陳謝した。
2人の捜索は地元の漁師仲間約80人や周辺漁協の船も自主的に加わり、海保や海自を含め計約100隻で続けられた。しかし手がかりとなるものは発見できなかった。
事故自体については新たな事実が。防衛省は自民党の国防部会で、あたごの見張り員が衝突事故の約12分前に「清徳丸の灯火を視認したと思われる」と説明した。19日の説明では、灯火の発見は「衝突2分前」だった。
さらに、漁船の存在に気付きながら自動操縦を続け、手動に切り替えたのは事故1分前だったことも明らかになった。
業務上過失往来危険容疑で捜査している第三管区海上保安本部は乗組員らから本格聴取を開始。あたご船体の衝突痕確認を進め、清徳丸から衛星利用測位システム(GPS)2台も回収した。
これまでの調べで、あたご側に海上衝突予防法に基づく回避義務があった疑いが浮上していた。少なくとも12分前に漁船の存在に気付きながら、なぜ回避措置が遅れたのかが焦点となりそうだ。
★笹川氏「生存の可能性ない」
自民党の笹川尭衆院議院運営委員長(72)は20日の党国防部会で、行方不明の父子2人について「救命胴衣を着けていないので恐らく生存の可能性はない。なかなか発見も難しい」と発言した。捜索は続いており、親族らの感情を逆なでする発言として批判が出そうだ。
笹川氏は部会後、記者団に同様の趣旨の発言をした上で「遺族に何と言っていいか分からない」とも述べた。
★冬柴国交相への連絡も2時間後
海上保安庁を所管する冬柴鉄三国土交通相は20日の衆院国土交通委員会で、自身への一報が発生から約2時間後だったとして「海保が通報を受けたのが(事故から16分後の)午前4時23分なのに遅いじゃないかと海保に申し上げた」と不快感を示した。自衛隊から千葉県への連絡は発生の約4時間後だった。
SANSPO.COM
どれだけの慰謝料支払われるんだろうね。