レイデル の「心のエラー」と「脳のトラップ」

レイデル の「心のエラー」と「脳のトラップ」

人は、時に不可解な行動をします。
それは、”心のエラー” と ”脳のトラップ” が原因です。
これらを心理学と脳科学の視点から、幸せに生きるヒントとしてお伝えします。(各テーマは過去のfacebookページ掲載分より抜粋)
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 あなたの周りには、はっきりとした理由がないのに印象の良い人、悪い人はいませんか? いつも笑顔でハキハキしゃべる人や自分勝手で強引な人など分かりやすい特徴がある人は、その印象の良し悪しの要因もはっきりしています。しかしながら、どうしてなのか、はっきりした理由がないのに印象の良い人と悪い人がいます。一体、何が原因なのでしょうか?理由は、その人が発する様々な ”メッセージ” が、その人の印象となって感じられるからだと思われます。

 このメッセージは、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの2つのコミュニケーションによって構成されています。まず、非言語コミュニケーションですが、あなたの表情や立ち居振る舞い,声のトーン,行動など、言語以外のすべてのコミュニケーションを指します。たとえば、笑顔が多いのか少ないのか、動きがキビキビしているのかノロノロしているのか、声が明るいのか暗いのか、行動的かそうでないかなど、これらがあなたの印象となって相手に伝わるのは理解に難しくないと思います。非言語コミュニケーションは意識的に感じ取れるため、あなたの印象を分かりやすく形作るものと言えます。

 これに対し、言語コミュニケーションは文字通りに言語、つまり言葉によるコミュニケーションです。この言語コミュニケーションもあなたの印象を形作るものなのですが、こちらは意外と意識されにくいため分かりにくいと言えます。なぜなら、何かを言葉で伝える場合、肯定文でも否定文でもポジティブにもネガティブにも表現できるため、聴く相手は意味が通れば1つ1つの単語を意識せずに文全体の意味で把握するからです。たとえば、肯定文で「昨日は試合に勝った」は否定文では「昨日は試合に負けなかった」ですし、ポジティブに言うと「昨日の勝利はみんなの成果だ」で、ネガティブに言うと「昨日の勝利は偶然でしかない」となります。いずれも言っている内容は同じですが、様々な表現ができます。

 この表現の仕方は、多くの場合あなたの癖となって現れています。そう、自分が使う言葉にも癖があるのです。そして、この言葉から受ける印象は相手に意識されにくい代わりに潜在意識で捉えられますので、あなたの印象に意外と大きな影響を与えているのです。このように、その人が発するメッセージとその人自身が紐付けられるように、2つの異なるものが1つのイメージとして結び付くことを ”連合性効果” と呼びます。肯定的な単語はその人を肯定的に印象付け、ネガティブな単語はその人をネガティブに印象付けます。だから、いつも使う言葉は、出来る限りポジティブで肯定的な表現を心掛けるべきなのです。あなたは自分の言葉の癖を知っていますか? これを機会に自分の言葉の癖を意識してみてはいかがでしょう。

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 何かの知恵を出す場合、一人で考えるより二人、二人より三人の方がベターであるという意味で「三人寄れば文殊の知恵」と言いますよね。製品開発や問題解決などでアイデアや解決策をひねり出すような場合、最近では日本でもよくブレーンストーミングが活用されますが、このブレーンストーミングも同じ「三人寄れば・・・」の発想から来ています。英語でも同じ意味で「Out of the counsel of three comes wisdom.」と言います。では、なぜ1人より2人、2人より3人なのでしょうか? 当たり前のことだとは思いますが、分解して考えることでいろんなものが見えて来ます。

 まず1人より2人がいい理由。それは「ああでもない」「こうでもない」と話し合っているうちに、相手の意見だけでなく、1人では思い付かない考えも浮かびやすいからです。場合によっては相乗効果で2人分以上のアイデアが出ることもありますし、最低でも1人分以上の成果は期待できます。さらに2人より3人の方がいい理由。それは、2人だと対立の構造を生みやすいからです。意見が対立した場合は、どちらが正しいかで言い争いになりがちで、最終的には ”知恵を出す” ことからズレてしまうからです。3人であれば対立ではなく融和の方向で話がしやすいですし、たとえ対立しても最終的には2:1の多数決でまとまります。また、2人が対立している間は、残りの1人はそれを冷静に見ることができますので、それによって思い掛けないアイデアが生まれることもあるようです。

 さて、ここで重要になってくるのが人選です。話をしやすいからとか気心が知れているとの理由で自分とよく似た性格の人を選びがちですが、これでは同じような意見しか出て来ません。出来るだけ、性格やバックグラウンドの違う人を選びましょう。だって、目的はアイデアを出すことで仲良くお話することではありませんから。性格やバックグラウンドの異なる人の話を聞くと、人ってこんなにも考え方や感じ方が違うんだということに気付くと思います。それと同時に、その人が長年蓄積した自分には無い経験値を瞬時に手にすることもできます。だから、たとえ苦手な相手でもここはぜひ勉強をさせてもらいましょう。

 それと最後にアイデアや解決策の結論を決める時ですが、これを3人で決めようとしてはいけません。誰だって自分の意見が一番良いと思いますから。だから、決めるときは事前に決定者を選びその人に決めてもらうか、リーダーに決めてもらいます。以上、すぐにでも使える技術ですよね。さっそく次のミーティングででも試してみてくださいネ!

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 世界のほとんどの先進国がテロの脅威に晒されています。今や我が国もその例外ではない時代に来ていますが、まだ対岸の火事だと思っている人が少なくないでしょう。みなさんは、テロリストと聞くとどのようなイメージを抱きますか? 戦争で疲弊した貧しい家庭の出身者,イスラムへの信仰心が厚い,アメリカ中心の欧米諸国を否定,自分たちの理想郷を再建するための聖戦に手段を厭わない,偏執的な人々、などでしょうか。しかしながら、テロに加わった人たちを調査すると、経済的理由や宗教的背景,思想的背景でテロに加わる者はむしろ少なく、非宗教派で裕福な専門職などの特権階級の出身者が多いと言います。また、異常な心理傾向や精神的欠陥があるわけでもないのです。そして、驚くことに彼らはテロ組織からリクルートされて組織に加わったわけではなく、自ら組織に近付いている例が多いのです。ただ、社会的にいかに優位なポジションにいたとしても、既存体制に疑問や不満を抱いている人が多いのは確かなようです。

 ではなぜ、そのような恵まれた環境の人がテロ組織に加わろうとするのでしょうか? 理由の1つに、テロ組織の ”排他性” が挙げられます。テロ組織は、加入を目指す者から見ると、入るのが難しい少数精鋭のエリート集団に映ると言います。崇高な理念を持って世界を変革させる力を感じさせるのでしょう。これらが排他性となって、高い価値観を感じさせるのだと考えられます。そして、テロに加わって活動している実行犯たちは、”表向き” は信仰のためだと語ってはいるが、本当は宗教思想的な背景で動いている訳ではないのです。確かに ”大義” としては、理想郷を再建する為の聖戦ですが、モチベーションは彼らが属する組織での ”承認” なのです。それでも理想郷再建という大義は重要です。これが排他性の根幹になっているからです。もっとも重要なのは組織内の仲間からの ”承認” で、テロ活動で成果を挙げて承認されることが最大の目的なのです。また、組織内では外部からの情報がすべて遮断されていますので、非常に狭窄した視野の価値観が出来上がります。

 このように「排他性」「大義」「承認」「閉鎖性」のプロセスが、小さなエリート集団での偏った価値観を形成し、集団心理と仲間内の力学によって彼らを駆り立てると考えられています。これを、イスラエル人心理学者のアリエル・メラリが ”トンネル” に喩えたことに由来して「トンネル効果」と呼びます。これは、外部から「遮断」された特別なエリート集団という ”トンネル” を、仲間に加わるのが難しいという「排他性」の入口を通り抜け、集団の中で過ごすうちに非常に偏った価値観に染まり、やがてそれが彼らの世界のすべてとなり、その世界で価値を得るための「承認」と「意義」を追い求め、出口へ来る頃には ”立派な” テロリストに変身しているという様を表しています。実はこれは、太平洋戦争におけるカミカゼ特攻隊がまさにこの典型例なのです。また、オウム真理教の事件も同じ構造で説明できますし、組織内での出世のために不正や犯罪を行う心理もまた同じなのです。しかしながら、これは必ずしも悪い心理効果ではありません。危険な任務に向かう警察官や消防士,兵士もこの同じ心理と構造で動いているからです。正義の味方とテロリストは、ある意味、紙一重なのかも知れません。

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 政治家が政策を進める為に支給される政務活動費の不正請求が、ある兵庫県議会議員の事件以来相次いで発覚しています。その手口は、子供騙しのような稚拙なものが目立ち、また、発覚後の言い訳も大人とは思えないものばかりで辟易とさせられます。この政務活動費ですが、自治体によって違いはあるものの、基本的には数ヶ月分先渡しで支給し、清算後に余った分を返還するという仕組みが一般的のようです。しかしこの多額のお金を先渡しする仕組みは、不正な経理処理を助長する大きな要因になると考えられます。一体この仕組みの何が問題なのでしょうか?

 それは、”損失回避性” の心理を誘発すると考えられるからです。損失回避性とは、得られるものへの執着よりも失うものへの執着を優先する心理を言います。例えば、人は将来得られるかも知れない100万円のリターンの獲得よりも、将来100万円を失うかも知れないリスクの回避を選ぶ傾向にあります。つまり、人は「得られる喜びの獲得」より「失う苦痛の回避」を選ぶのです。このことから、一旦自分が使うものとして受け取ったお金は、余った分が自分のものでないことが分かっていても手放すのが惜しく感じられるのです。だから、先渡しではなく、自分のお金の中から必要な分を使い、それを事後に清算する方法を採用すべきなのです。後で清算してお金が戻って来ることが分かっていても、先に自分の財布からお金が出て行くことは愉快ではありません。これも同じく損失回避の心理が働くのです。だから、無駄遣いを防ぐという効果も期待できます。また、この損失回避性はお金や物だけでなく、ポジションや評判などの無形のものに対しても同じように作用します。

 この損失回避性ですが、上手く活用できれば依頼や交渉,指示などの際に、インセンティブを条件にするよりも効果的に相手に動いてもらいやすくなります。つまり、何かのインセンティブを与えることを条件に相手に動いてもらうのではなく、まず先にインセンティブを与え、相手が約束通り動かなかった場合にはそのインセンティブを剥奪するのです。一旦手にした報酬やポジションなどが剥奪されるのは心理的に痛みを伴います。よって、成功報酬としてのインセンティブを与える場合よりも、一旦手にした報酬を失うまいと相手を奮起させることで行動の達成率が増すと考えられます。こちらにしてみれば、先に渡そうが後に渡そうが同じですが、相手にとってはそうではないのです。だから、不正を働いたり公約違反をする政治家には、きっちりとこの損失回避性を使って地位と名誉を剥奪しましょう! そうすれば、今より少しはいい政治が行われるでしょう(笑)。

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 心理学の法則としてよく知られていても、その出所や真偽がはっきりしないものが、実は少なくありません。特に今はインターネット社会ですので、もっともらしく面白い内容であれば、真偽は別にして一気に拡散する傾向にあります。また、一部分だけ抜粋して掲載された為にその部分だけが一人歩きしてしまうこともあるようです。今回はその中の1つ、「スティンザーの法則」をご紹介します。これも有名な心理法則であるにも関わらず、文献が見当たらないため真偽の程は不明ですが、心理学的観点からとても理に適っているのでご紹介したいと思います。

 あなたは会社などの会議でこんな光景を目にしたことはありませんか? 座る席が自由な会議で、いつも特定の相手と意見が対立する人は、必ずその相手の正面の席に着く。どこへ座るかは自由なので、意見の対立する相手の斜め横や同じ側に座ってもいいはずですが、大体ほぼ正面の席に座る傾向にあります。しかもこれは、座る本人も特に意識していない場合が多いというもの。これはスティンザーの法則その①「過去に議論で戦ったことのある相手の正面の席に座る傾向」です。ある会議で特定の相手と意見が割れることが予想される時、相手の正面に座った方が議論しやすいというのもあると思いますが、相手の正面の位置は心理カウンセリングでは ”敵対” のポジションといわれており、たとえ議論するつもりがなくてもきっかけがあれば議論に発展する可能性が高いポジションなのです。ちなみに相手と同じ向きは「共感」また「同調」のポジションと呼ばれ、斜め横は「友好」のポジションと呼ばれます。

 そして、法則その②「ある発言がされた後、その次の発言は反対意見である可能性が高い」。これも相手の心理からすれば自分と異なる意見は賛同の意見が出る前にすぐに打ち消したい欲求に駆られますから、その意見の直後に反対意見を述べようとするわけです。これら法則①②を理解していれば、反対意見による妨害を防ぐことに利用できます。やり方としては、事前に自分の意見の賛同者に協力を依頼し、自分の意見の直後に賛同の意見を矢継ぎ早に2人以上に述べてもらったり、反対意見が出た場合はやはり2人以上が次々とその反対意見に対して反対意見を述べるなど。これって、ドラマの株主総会のシーンでよく見られる光景ですよね。

 最後に、法則③「議長のリーダーシップが弱い場合、参加者は正面の相手と私語をし、強い場合は隣りの人と私語をする傾向にある」。これは、参加者が議長に対してどれだけ遠慮を感じているかを示すバロメータになりますので、これを基準に議事進行の修正を行うといいでしょう。以上3つの法則は、心理学的なことは分からなくても違和感のない内容だと思いますので、ぜひ活用してみてください。

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 今回はちょっと辛口な視点でお話します。最近、人通りの多い街中をスマートフォンを操作しながら歩く危険なマナー違反を至る所で目にしますが、さらに夜に無灯火で自転車に乗りながらスマホをいじる ”犯罪級” の人も珍しくありません。今や大きな社会問題です。また、地震や台風などの際、当局から避難勧告が出ていてもそれを無視する人が意外と多く、これも社会問題化しています。さらに、完全な重大犯罪である飲酒運転がこれだけ厳罰化され報道でも大きく取り上げられているにも関わらず、常に一定数の人が飲酒運転で検挙されています。これはもう事件です。

 これらの問題を引き起こしている人々には、ある共通した心理が見て取れます。それは ”コントロール幻想” です。前に少し触れましたが、人は実際よりかなりの部分を自分でコントロールしていると ”思い込んで” おり、自分の能力を相当過大評価しています。ながらスマホをしても避難しなくても飲酒運転をしても自分でうまくコントロールしているから大丈夫だと誤解しているのです。人は何でも自分でコントロールできていると考えていますが、そうではありません。例えば、人も車も多い繁華街を安全に歩けるのはあなたがコントロールしているからではなく、”あなたの周りの人” がコントロールしているからなのです。もっと端的に言えば、あなたの周りの人があなたを傷付けたり殺したりしてしまわないよう ”守って” くれているのです。それはあなたとすれ違う通行人だったり、あなたの後ろから近づく自転車だったり、あなたが渡る横断歩道に向かって走って来る車だったり、あなたが歩く通りに面した工事現場の作業員だったり、交差点の信号を制御するプログラムだったり、道路交通法だったりします。

 だから、ながらスマホで歩いたり自転車に乗っても無事でいられるのも、飲酒運転をしても事故を起こさないでいられるのも、当の本人ではなく周りの人が適切にコントロールしてくれているお陰です。また、自治体の避難勧告を無視しても危ないマナー違反でも何とか無事でいられるのは、「偶然の力」のお陰なのです。ウソだと思う人はこう想像してみてください。人から刑罰や思いやり,プライド,良心を取り除いた世界で、あなたは無防備に街を歩けるでしょうか。たとえ青信号でもボヤッと横断歩道を渡れるでしょうか。考えただけでゾッとします。

 だから、暗黙の了解で他人を傷付けたり殺したりしないよう、あなたが ”生かされている” ことを少しは意識しないと、そのうち大きなケガをするか、逆に他人に大ケガをさせて多額の損害賠償と大きな恨みを被ることになるかも知れません。今日、無事に家路に着けたなら、こう考えましょう。「ああ、今日も多くの人たちに命を守ってもらった。有り難い!」ひとりでも多くの人が毎晩そう思えれば、世の中はグッと住みやすくなるはずです。あなたも今日からコントロール幻想を捨てませんか? 大事なものを失う前に!

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 2011年3月11日の15時前後、あなたはどこで何をしていましたか? そしてその時の自分の気持ちはどんなだったか覚えていますか? そうです。これは東日本大震災が起こった日ですね。ほとんどの人がどこにいて何をしていたかをその時の感情を交えて覚えているのではないでしょうか。これ以外にも9.11アメリカ同時多発テロや地下鉄サリン事件など、大きな災害や事件,事故が起こり、それを知った時に自分がどこで何をしていてどんな気持ちだったかを割と鮮明に覚えていることと思います。これを心理学でフラッシュバルブ記憶と言います。これは社会に大きなインパクトを与えた出来事や個人的に大きく感情を動かされるような出来事が起こった時など、後に鮮明な記憶として残ります。

 その理由は、その出来事が感情を大きく動かしたためで、自分にとって重要な記憶として想起(思い出す事)されやすいのだと考えられています。だから、大した出来事でなかったにも関わらず、とてもうれしかったり恐い思いをしたり驚いたりした出来事,悲しい出来事などは、その時の自分の周りの事も含めてよく覚えているものです。逆に言えば、社会にとってはどんなに大きな事件,事故であっても、自分が関心を持たなかった出来事は記憶に残らないということになります。つまり、感情を伴った記憶かどうかが鍵と言えるのです。

 最近はこれを応用して、受験勉強などの学習での記憶効果を高めようとする動きが盛んです。例えば、有名受験予備校では、人気講師は学生たちの興味を引き、印象に残る授業展開で記憶に残させようとします。歴史の参考書も少しは学生たちの感情を動かそうとマンガスタイルのものが増えています。物理の授業も劇的な視覚効果のある実験を取り入れて興味を持たせ、記憶に残させようとしています。

 また、このフラッシュバルブ記憶には、「幻のフラッシュバルブ記憶」と呼ばれるものもあります。大きな事故や事件などの出来事があった時に自分がどこで何をしていてどんな気持ちだったかを鮮明に覚えているところまでは同じなのですが、その記憶が事実と違っていたり、そもそも存在もしない事柄を伴って覚えていたりするものです。その原因は、その出来事が起こった後にも折に触れて話題に上ったりテレビで放送されたりして何度も想起させられるため、思い出す度に外部からの情報や他の経験の影響を受けて ”記憶が書き換えられる” ためだと言われています。例えば、テロのニュースをバイト先で友人から聞いたのを「テレビのニ ュースで見た」とか、大地震のニュースを知った時にSNSへ情報をアップデートしたのを「母親に電話した」などと誤って記憶されます。この書き換えられた記憶を「フォールスメモリ」と呼びます。人の記憶は、いくら鮮明に記憶していても途中で書き換えられる程もろいものなのです。

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 写真のデスク、誰のだか分かりますか? 実はこれ、かの有名な天才物理学者、アルベルト・アインシュタインのデスクなんです。こんな雑然とした中でよくあんな複雑な相対性理論を思い付いたなあと思った方もいるでしょう。見方によっては、居心地さえも悪そうに感じます。でもこれは、アインシュタインだけではないのです。天才と呼ばれた有名人の多くがこんな感じなのです。一例を挙げると、アップルの創始者スティーブ・ ジョブズ、フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグ、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ、作家のマーク・トゥエイン、小説家の芥川龍之介に松本清張、アニメーション作家の宮崎駿に元アメリカ副大統領のアル・ゴアなどなど。ネットで検索するとデスク周りの画像がアップされていますが、みなさん、なかなか散らかっております(笑)。

 そこで単純なあなた!「じゃあ、おれも天才かも知れない!?」とか、「おれも片付けるの止めるか!」と思ったあなた! よーく聞いてください。 天才たちは、みながみなただ単に整理整頓が嫌いだったり苦手だったワケではないのです。そう、ちゃんと理由があります。それは、”思考の連続性” です。偉大な発見や発明に至るには何年もかかります。この間、アイデアが浮かぶまで思考の連続性を保っていなければなりません。普通の仕事のように毎日デスクを綺麗に片付けていたら、昨日までの思考の連続性が途切れてしまいますし、そもそも仕事を今日と昨日で区切っていません。だから、散らかっているのではなくまだ仕事の途中なのです。彼らにとってデスクやオフィスは、芸術家のアトリエと同じなのです。

 これは最近の研究で分かって来たことで、今では思考の連続性はひらめくための一つの条件であると考えられています。成果を追い求めて研究や開発,創作に打ち込む熱心な科学者やクリエイター,芸術家たちは、寝食を忘れて四六時中、研究や創作活動に明け暮れています。この中断することのない思考の連続性が、蓄積された知識や経験,思考などが複雑に絡み合った状態の中から1つのひらめきを生むと考えられます。眠っている時に夢の中でひらめいたことが大発明につながったとい言う人も何人もいます。

 だから、もしあなたがどうしてもアイデアをひねり出したいと考えるなら、”デスクを片付けるヒマすら与えずに” ひたすら考え続けることです。ちょっと想像してみてください。あなたがデスクに向かって資料を山積みにしてアイデア出しに集中していて、ちょっと席を外して戻った時にきれいに片付けられていたら集中が切れたりしませんか? そうなんです。デスクの上はまさに ”思考の足跡” なのです! だから、もしあなたが優れたクリエイターや研究者なら散らかっていても誰も文句を言わないのです(笑)。

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 ヒューマンエラーとは、人であれば誰でも犯す可能性がある ”錯誤” のことです。それは、その人の能力や教育レベルなどに関わらず、条件さえ整えばどんな人でも起こすものなのです。認知心理学の観点から言うと、このヒューマンエラーは大きく2つに分類されます。1つはミステイク。「誤認識」や「誤判断」と呼ばれるものです。もう1つはスリップ。いわゆる ”手が滑った” と言うもので「誤行動」と呼ばれるものです。

 これを分かりやすくPCの文字入力が正しく行えないケースに例えると、読みやスペルを間違って覚えていてタイプしても正しい文字が出力できない場合を「誤認識」、読みやスペルは合っているのに変換の時に違う意味の単語を選択してしまう場合を「誤判断」、キーボードを打つ時に手が滑って間違ったキーを押してしまう場合をスリップあるいは「誤行動」と呼びます。これらは、PCの文字入力をしていれば多かれ少なかれどんな人でも起こすエラーですよね。これが車や電車,飛行機を操縦する際に起これば場合によっては事故になり、機械の操作ならケガをしたりする訳です。たとえPCの入力間違い自体は人命に関わらなくても、その出力が交通システムや医療の現場なら、やはり人の命を脅かし兼ねません。

 そこで、企業などはこれらのヒューマンエラーを防ぐ手だてを考える訳ですが、まず普通に考えるのが通達や口頭による注意喚起や研修などによる技術の向上策です。確かに少しはミスを減らせるとは思いますが、ゼロには出来ません。根本の考え方が間違っています。先程も述べたように、人間であれば誰でも起こす可能性があるのがヒューマンエラーなので、人の意識やスキルを変えてもミスはなくなりません。

 それではどうすればいいのか? それは、ミスは必ず起こるものと考えて、起こっても ”仕組み” でそれを回避するのです。つまり、仕組みづくりですね。PCの文字入力であればスペルチェックソフトがスペルの正誤を判断しますし、電車の運転であればカーブに規定以上の速度で侵入した際は自動列車制御装置が働いて減速しますし、機械の運転なら手を入れてはいけないタイミングで手を入れればセンサーが反応して自動停止します。扇風機のファンを覆う網もその1つです。網が無ければどんなに気を付けていても使っているうちにファンに触れてしまいます。その反対にまず人が触れられない天井扇には網を付けないでしょ? あなたの会社でミスが問題になった時は、ぜひ、この「仕組みで回避する」ことを思い出してください。間違っても気合いとか根性は口にしないように(笑)。

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