E.T.の縫ぐるみ抱き待つUFO
E.T.は少年エリオットの額に
長い指をそっと添え、
〝 I'll be there. ″
と言い残し、還って行った。
「きみの中にずっと居るよ。」
と。
宇宙に流れる時間の中で
ほんの塵にも満たない
人の一生というごくごく限られた時間。
期間限定一度きりの人生で
出会っては別れてゆく人々。
お互いの魂が響きあい、
命を結ぶほどの出会いは、
どれほどあるのだろう。
持ち時間は変えられないのだから、
出会いの分母をいっそ
宇宙規模にしてみようか。
時空を超える
どストライクな出会いに
いざなってくれるUFOがやって来はしないかと、
目印にE.T.を抱いて、
宇宙へとつづく空を見上げているけれど、
残念ながら、お迎えはまだ来ない。
残りの時間、
地球上で出会うべき人が
まだまだいる、
ということなのだろう。
きっと。