- 民法でみる法律学習法: 知識を整理するためのロジカルシンキング/金井高志
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そんな我らの未修者にも理解しやすい手法で大まかな内容は法律知識の整理の仕方、法律構成の展開(伝達)の仕方を教えてくれるのがこの本!勉強になりました!法律学の考え方を一般的なロジカルシンキング論を元に展開しています。条文の読み方、法律用語なども書いてあり未修者には優しい内容となっていますし、既習者にはロジカルシンキングのもとに法律を再構成するいいきっかけになると思います。
大まかなさわりだけ内容をまとめます。
ロジカルシンキングは①問題解決のための情報の整理と②相手へのわかりやすい伝達を志向するものなので、法律学では最も大切なものであり、試験にも使える。その手法や思考法が3つずつ説明されています。
伝えるための3思考法
①フレームワーク思考 ビジネスでよく使われる勝間和代とかが大好きな考え方の枠組みを意識するというものです。法律構成には複数のフレームワークがある。フレームワークを意識する。
パターンとしては対立概念型、順序型、複数要素型の3つ類型がある。法律構成もこれらの組み合わせで作られる。
例
時系列(成立要件⇒有効要件⇒効果帰属要件⇒効果発生要件⇒対抗要件) 順序型
演繹型(法規範⇒事実⇒判断内容⇒結論) 順序型
被告の主張⇔原告の主張、判例⇔学説 対立概念型
刑法総論フレームワーク(構成要件⇒違法性⇒責任) 複数要素型
法律構成はMECE(もれなくダブり無く)を常に意識、これを充たさないと論じすぎ、根拠薄で低評価になる。
②ゼロベース思考 先入観なしに客観的に思考するというものですが、司法試験ではすでにある規範や知識を活用するためゼロベースは使いません。
③オプション思考 常に複数の選択肢を持つ。被告・原告両方の法律構成を考える必要があるので問題を常に複数の視点から検討する必要がある。
整理するための3手法
法律情報の整理の仕方としてロジカルシンキングでよく使う以下の3つの手法が紹介されています。予備校教材(択一六法など)を見ればわかりますが、だいたいこの3つの手法のどれかを使って法律情報を整理していますよね。
①ロジックツリー 樹形図を描いて相互関係を階層化、構造化する手法
②マトリクス 縦軸と横軸の二次元で情報を整理する手法
③プロセス フローチャートを使って時系列的に情報を整理する手法