仕事の予定が変わり、ダメかなと思ったらチケットを買えたので行ってきました。
面白かった!
私が考えるラモーらしい、リズム重視の曲、優しく寂しげな曲、素朴な曲を和声家らしく音を重ね、バロックというよりもはや古典派(1760年代だから、すでにハイドンは30歳)な素晴らしいオペラでした。
以下、普段、オペラを聞かない、しかもバロック・オペラ実演鑑賞2回目くらいのオヤジのあてにならない感想です。
バロック・ダンス目当てだったので、譜面が最近発見されたラモー晩年の作で、ほとんど上演されないとパンフで初めて知りました。
音楽もたまにしか聴いたことがないです(持っているのは、サヴァールのCD2枚組で、2枚目最後なのでほぼ聴かず)。
すごく得した気分。
サヴァールにもらったサイン。ただの自慢。
歌手についてコメントできるほどの見巧者でないので、あっさりと。
主役のカミーユ・プールさんは、高貴だけど女王というより王女?と思ったのですが、2幕か3幕の嵐がなんとかの独唱アリアは迫力がありました。
私の音楽の師匠によると、相手役に素晴らしい方が予定されていたのに変更になったのだそう。
師匠的にはがっかりだったみたいです。
日本人歌手さん全体に言えるのが幕や曲によって差があったこと。
いいなあと思ったのは谷口さん(カリシス)、湯川さん(たぶん。一幕で出てきた方がいいと思ったのだけどこの方?)でした。
演奏はCDで聞きなれた3幕のアントレはもちろん、素晴らしかったのが初めて聞いた5幕序曲。
断片的に音が鳴り徐々にメロディーになるという、これがバロック?なかっこよさ。
4幕のアントレはもっとゆったりと演奏してほしかったです。
あと、CDでは序曲、アントレ(4幕)の順で、数曲挟んで、ガヴォット、メヌエットⅠⅡ、コントルダンスなのですが、ガヴォットとメヌエットは4幕アントレの直後に演奏されるのですね。
ここは聴きどころでした。
特にメヌエットとガボットが良かった。
ガボットのフルートがきれいだなと思って演奏後にパンフを見たら、フルートセッションに御馴染み前田りり子さんのお名前が(私の席は2階後ろから2列目で、字幕も満足に見えず、どなたの顔も認識できず)。
バロックダンスを実演で見るのは初めて(上野で講義みたいな舞台は見たことあり)。
私のイメージはこの本(下図 「調和と秩序を保ち、決して感情的にならない」(p12)「体を傾け過ぎない」(p80)など)で出来上がっているので、外国の方のお二人の踊りは、”バロックダンス風、本質はバレエ”な印象。
しなやかだけど、体が動きすぎ。
女性の方の、ふわっとしたソテは素晴らしかった。
私の考える”これぞバロックダンス”はピエール=フランソワ・ドレさん。
体幹が固定してくねくねせず、きれいな角度のプリエ、オポジシオンは本当に素晴らしかった。
松本更沙さんも同じ。
このお二人は、”ちょいバレエ風、しっかりバロックダンス”な印象。
松本さんが不利だったのが、日本人は手足が短いうえにパーツが小さい。
遠目にはどうしてもこれが目立つ。
手掌をくるっと返す美しい仕草やエレヴァシオンが見えづらい。
これはどうしようもないですね・・・
松本さんの腕の位置が終始、低めだったのは何か意図があったのでしょうか。
でも、ぴたっとポジシオンが決まって美しかったし、回転する時にちゃんとスカートを掴んでいたのも好感度高しです。
あと、どうでもいいことですが、稲妻の音(鉄板を叩く)にも当然、譜面があるようでいちいち頁をめくっていたのは、なんか笑えました(打楽器の方、すいません)。
それと司祭の恰好がサン・ラか例の映画の峰岸さんみたいで登場する度に・・・。
こんな格好だけど演奏は素晴らしい。
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これもどうでもいいのですが3幕か4幕でjouissance!と連呼する曲があって、ラカン派の方々はぜひここをテーマ曲にするといいと思います(嫌味です)。
ところで、これから10年くらい子供達が相次いで受験です。
なので、今年からやっとコンサート通いを再開したけれど、今年の5回でおしまい。
今後はまた我慢です。
ラモー:レ・ボレアード 寺神戸亮指揮 レ・ボレアード
北とぴあ 2023年12月10日




