最終回。面白かったです。

 

 イベルなんとかの秘宝(もう失念)が満州あたりにあるという設定らしかったので、「世界を支配できる」なんとかの秘宝を手に入れるべく、政府や軍が動いて、それが満州事変につながる・・・・という筋になるかと一人合点し、すごい話になる!と妄想を逞しくしておりました。

 そうではなかったのね・・・

 でもかっこよかった、草刈正雄!

 

 今回のドラマで、儲け役だったのではと思ったのが、菊之助さんです。

 

 菊之助さん、30歳を過ぎてから、目つきというか眼差しが「妖しい」感じになっていて、こういう悪役、いいのではないかなあと思っていました。

 歌舞伎では、20代のころの女形は繊細で高貴な印象(時代物の姫役がぴったり)、30代になって妖艶さがでてきたなと思っていたのですが(世話物の女房役が意外にいい)、素顔だと、艶っぽさではない妖しさ/怪しさがあった。

 ラストのサイコパスぶりは良かった。

 

NHK 番組HPから

 

 最終回、台詞がよかったのですが、もう少し時間があるといいのにと思いました。

 

 トルストイか誰かの言葉通り、幸福はどれも同じなのだけど不幸は物語性があるので、他人の不幸でどうしても創作意欲が出てしまうことに、平井青年が葛藤するところなど、あの逸話だけで一話作れそうです。

 

 それから、見失っていた<自分だけの物語>を見つけることが探偵の仕事で、一方、怪盗(?)はその人物が見失っているのとは関係のない物語を押し付け、「物語を見出して差し出す」という点で両者は似ているけど実は全く違うことなども、大筋としては分かったのですが、もう少し丁寧な台詞だったらよかったのにと残念でした。

 アクションシーンがかっこよくて、目を奪われていたし。

 

 平井青年が、探偵は何をしたいのかの答えを見つけるラスト近くもよかったのですが、その表現がもう少し違うといいのになあと。

 「人に寄り添って物語を見つけてあげる」だったかと思いますが、<寄り添う>は、うーん。

 じゃあ、どうすればいいかというと代案はありませんが。

 

 

 

 我が家では妻も子供達も隣で喜んで見ていました。

 

 子供1が「江戸川乱歩、文ストでも出ていたし、私、読んでみようかなあ」というので、「D坂の殺人事件」のあらましを説明したら「え」と固まり、「人間椅子」「屋根裏の散歩者」「芋虫」の話をしてあげたら、「やっぱ、いいかな・・」だそうです。

 「鏡地獄」だけ、なぜか興味を示しましたが。

 

 ただでさえ「お父さんとテレビを見てたり話してると、友だちと話題が合わないんだよ。誰も『熱海の捜査官?』のこと知らないし、『トリビアの泉』って何?って聞かれる」と言っているので、まあ、読むのはやめといた方がいいと思うぞ、お父さんは。

 

 

 

NHK土曜ドラマ「探偵ロマンス」 放映終了   2023年2月