「鎌倉殿の13人」が面白くて(前回の頼朝の「ちょっと・・いいかなあ」には腹を抱えました)、前の時代を知りたい&歌舞伎ファンとしてたくさんでてくる「なんとか盛」を区別できるようになりたいと、途中で脱落した「平清盛」をレンタルで視聴中。
これが面白い。
どうして脱落した、おれ。
あと私、前のブログで間違えていました。
伊東四郎は後白河でなく白河法皇だったのですね。
それはそうだ。清盛のお父さんの時代なのですものね。
こっちでは後白河法皇は松田”なんじゃこりゃあ”優作の次男さんでした。
彼が将来、西田敏行になるのかあ。
だいぶ違うなあ(←何か間違っている)。
大河は前半で脱落することがあって、ほとんどの理由が年齢問題。
主人公が幼い~若いころを、無理やり、ええ、あなた30超えてませんでしたっけという方が演じて、それがやはり厳しかったりする。
例外が「利家とまつ」の唐沢さんの10代後半演技(まつは幼い子役さんだったので、実際はハイティーンとローティーンの出会いなのに少々危険な香りでした)。
清盛もそうでした。
今回見ると、前半は清盛パパの忠盛が実質主人公でかっこいい。
そっちで我慢できなかったのかーおれー。
隣で見ていた妻と中井貴一ベスト!と盛り上がりました。
ここ最近、わがままな清盛をじっと見つめて忠盛が静かな口調で言う「左様か・・・・好きにせい」が私の流行語です。
かっこいいぞ!中井貴一!
10年遅いか。で、あるか(これは信長)。
服装や仕草などの時代考証がしっかりしているし、荒廃した京の様子もリアルだけど、内容は完全に家族愛・恋愛ドラマですね。
視聴率が悪かったのはそこでしょうか?
幼い清盛が正論でわーわーわめている。黙って苦杯をなめ続けているお兄ちゃんの代わりに、お前は兄上のお考えがわからんのかーとお子ちゃま清盛に対して、先に手がでてしまう忠正”十文字疾風”豊原功補のナイスな兄弟愛。
血の繫がらない親子に愛は生まれるか問題を繰り返す平家。
しかし根底に強い家族愛がある。
夫婦愛も(この点が、この大河、実は現代劇っぽい)。
似ているけど、もっと禍々しい系譜で混乱する天皇家。
近親憎悪しかなく、すれ違う夫婦しかいない。
その隙に再興を目指し暗躍する藤原家。
家族愛どころか牽制しあっている。
そして家族愛より我の強さが前にでてしまう源氏一族。
おおむねこの4つが絡み合って物語が進む。
面白くないはずがない。
殺傷で血まみれになり、穢れを嫌う貴族に見下された武士たちの中に、治安が維持されれば世の中が変わるという視点をもつものが現れ政治に台頭する、忠盛がその第一世代、というのがメインの物語ですが、繰り返しますが、この大河、家族愛・恋愛が主テーマだったんですね。
脚本も女性がお書きになっている。
てか、どこかで見たお名前だと思ったら、「カムカムエブリバディ」の脚本家さんではないですか!!
前半の鳥羽上皇と璋子の悲恋は素晴らしかった。
なんで分からなかったかなあーおれ。
オンタイム視聴時は待賢門院”檀れい”璋子の演技に、ええ?と思っていたんです。
でも今回、見続けていたら、あれはあんなことがあったので精神的に死んでいたということだったのですね。
それはそうだ。なんで分からなかったのかなーおれ(しつこい)。
そこに佐藤”西行”義清があらわれ、感情を揺さぶられて璋子は「生き返る」。
ところが佐藤義清も「理想」の美を追い求め「現実」に生きていなかった。
彼も精神的に仮死状態だった。
共に強い感情が励起して同時に「生き返る」。
上皇の愛(ゆえの憎)と璋子の遅れて生き返った愛はようやく交わるけど、時すでに遅し・・・そして佐藤義清も感情が動き始めるのだけどその結果は・・・という。
号泣。
それと伏線の張り具合が素晴らしい。
清盛が忠盛パパに言われたことを、今度は清盛が子に言う。
義朝が清盛に放った言葉そして感情を、清盛が成長した頼朝に同じように伝える。
こういうの、ジーンときます。
もう私の感情、完全に「おじいちゃん」です。
年取るといいこともあるもんです(←理解が遅い、精神年齢が幼いだけ)。
あと面白いなあと思ったのが、家族愛・家族の結束が繁栄を招いた(と描かれる)のが、平家と今回の”三谷”北条家で、源氏の前後だというところです。
何しろ源氏は殺し合ってばっかりだからなあ。
私の家の家紋、「源氏車」なので、源氏には頑張ってほしいんだけどなあ。
NHK大河ドラマ「平清盛」 2012年放送