最近、コンサートに行けず、CDやYou tubeで音楽を楽しむ日々。
で、久しぶりに子供たちを連れてCD屋に行ったところ、ミンコフスキーのシューベルト交響曲全集を入手。
CD屋に行くの久しぶりなので、この全集も実はずいぶん前のものでした。
私は「グレート」が好きなのですが、何気に好きな第5番。
それから聞いてみました。
なんとも美しい!
今までワルターやべームで聴いていたのですが、これらと違った良さがあります。
快速。
でも速いだけではない。アクセントをあまりつけず、ヴォリューム変化なども緩徐。
曲想が変化するたびに弦や木管がリセットするように割り込んだり、ゴリゴリと音を刻んでくるパートなどを、普通は強く弾かせたり音量を上げることが多いと思います。たとえば、ワルターなら低音部を響かせていました。
ミンコフスキはその辺りを柔らかく処理している印象で、全体としてはかない感じ。
なるほど、シューベルトは確かにモーツァルトの影響を受けたんだなと改めて理解できました。
終楽章だけやや激しめの演奏ですが、初期と後期のシューベルトのブリッジをしていると考えるとこういうのもありかなと。
いままで、なんだかシューベルトってムラ気のある人のように感じていました。
可憐なメロディーで始まったと思ったら、突然、激しく感情吐露。で、急に短調になる・・・とか。
しかし、ミンコフスキーだとそういう印象を受けることがない。
音がとても明るく、歌謡主題も濃厚に歌ってくれるので、多幸感でいっぱいになります。
シューベルトの第九番のことも。
出だしのホルンがとても綺麗。
初期の交響曲と(たぶん)演奏様式を微妙に変えて、「大きい音楽」になっていると思います。
たとえば、テンポを落とす、デュナーミクの幅が大きい、アクセントもしっかりつける。
しかし、あくまで初期に比べて「相対的に」で、とてもいいなと思いました。
ミンコフスキは古典的なものに近い(か古典)と相性がいいのでしょうか。
クマさんみたいなご本人の見かけどおり、本当に楽しそうな音楽作りをなさる。
ああ、コンサートに行きたいなあ・・・・
マルク・ミンコフスキー指揮 ルーヴル宮音楽隊
「シューベルト交響曲全集」 Naive 2012年発売