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LEC 学べるデジタル!司法書士合格の泉講座 公式ブログ

LEC東京リーガルマインドの司法書士試験対策新通信講座
「学べるデジタル!司法書士合格の泉講座」の公式ブログです。
担当講師の荻原とクラスリーダーの山下が随時更新していきます。

はい、みなさんこんにちは。LEC司法書士講師の荻原です。
お待たせしました!
ゼミ、始めます。


【115】
これはもう、条文どおり、ですね。


【116】
通謀虚偽表示は無効です。これは善意の第三者が出現しても変わりません。ただ、94条2項の善意の第三者に対しては“その無効を対抗(主張)できない”だけです。


【117】
権利外観法理です。権利外観法理は、①虚偽の概観、②第三者の信頼、③本人の帰責性の三点を要件に、第三者の信頼を保護する考え方ですね。
本肢は、①真実はABの共有であるのに、登記名義はA単有になっている(虚偽の概観)、②これを信じてCがAとの間で売買契約を締結した(第三者の信頼)、③そもそもA名義の登記は、ABの合意によってなされた(本人Bの帰責性)と要件がそろっています。ですから、Cの信頼を保護するという結論になります。で、問題は、どのように法律構成をするのか?です。
民法94条2項も権利外観法理の現れですから、これが直接適用(ふつうに適用すること)できれば何ら問題がありません。ところが、民法94条2項は「通謀虚偽表示」を前提とした規定です。つまり「内容虚偽の法律行為」がなされた場合に、その虚偽の外観を信頼して新たに法律上の利害関係を有するに至った第三者を保護する規定です。本肢の事例では、「BからAへと(内容虚偽の)売買・贈与契約等がなされて」虚偽の外観を作出したわけではなく、たんに「A名義の登記」という虚偽の外観を作出しただけ、と読めます。そこで、民法94条2項を直接適用するのではなく、“似たような事例だから”と類推適用するわけですね。


【118】
民法423条の債権者代位権とは、「債務者の権利」を「債権者の名前」で行使するものです。ですから、代位行使された債権の債務者(第三債務者)は、代位債務者に対する抗弁を代位債権者に主張することができます。
本肢では、AのBに対する「売買による所有権移転登記請求権」が被保全債権であり、これを保全するため、BのCに対する「贈与による所有権移転登記請求権」をAがBに代位して行使する、という事例です。つまり、Aが代位債権者、Bが代位債務者、Cが第三債務者の立場に立っています。
この場合、Cは「BがAに対して有する権利(今回は所有権移転登記請求権)」を代位行使することになるのであり、Aからすれば、Cが行使してはきますけれども、あくまで「BのAに対する登記請求権」を

この場合、本来であれば、Aは「Bに対して主張できた抗弁」をCに対して主張することができます。なぜなら、前記のように代位債権者Cはあくまでも「Bの権利」を行使するものだからです。そうであれば、AはCからの登記請求に対して、(Bに対して主張したように)通謀虚偽表示であり無効であると主張できてもいいはずです。しかしながら、Cは、AB間の通謀虚偽表示を前提として、新たに法律上の利害関係を有するに至った者であり、94条2項の第三者に該当します。従って、Cが通謀虚偽表示につき善意であれば、AはCに対して虚偽表示による無効の主張をすることができません。そこで、判例は、このような場合において、Aが善意のCに対して虚偽表示の無効主張をすることができない以上は、CがBに代位してAに対して権利主張してときは、AはBに対抗できた抗弁を主張することができない、と判示しています。


【119】
この事例は、前記【118】とほぼ同様です。違うのは『本肢のCは民法94条2項の第三者ではない』ということ。
本肢では「金銭債権を有するCが債権を保全するために『A→B』の所有権移転登記をAに請求した」という事例設定です。つまり、Bに対して金銭債権を有するCは、B名義の不動産としたうえで、この不動産を差押えようとしているわけです。また、いま『A→B』の所有権移転登記を請求しているということは、まだB名義ではありませんから、Cの差押の登記が入っていないことは明らかです。つまり、Cは現時点では“単なる一般債権者”に過ぎません。これはCが債務名義(請求権を認める確定給付判決など:※民事訴訟法・民事執行法で詳しく扱います)を有していても同様です。
たんなる一般債権者は、民法94条2項の第三者ではありませんから、この者に対しては通謀虚偽表示による無効を主張することができます。従って、AはCに対して「AB間の売買契約は通謀虚偽表示によって無効であり、当該不動産はBの所有ではない」と主張することが認められます。
以上から、
CがBに代位して「A→Bへの所有権移転登記の請求」をしたとしても、AはBに対して主張できる抗弁(通謀虚偽表示による無効)をCに対しても主張し、その請求を拒むことが可能となります。


【120】
解説のとおりです。たんなる一般債権者は94条2項の第三者には該当しませんが、当該財産(虚偽表示の対象財産)を差押えた債権者は94条2項の第三者に該当します。
ですから、本肢のEは94条2項の第三者に該当します。そこで、EがAB間の通謀虚偽表示につき「善意」であれば、AはEに対して無効主張できなくなります。


【121】
判例によれば、本肢のDは、土地の仮装売買につき94条2項の第三者に該当しません。Dは建物の賃借人であり、Dの賃借権の対象は建物に限られ土地をも借りていることにはならないからです。従って、DがAB間の仮装譲渡につき善意であったとしても保護の対象にはなりません。
ちょっと考えてみましょう。
DがBから建物を借りた場合、その賃借権の客体の範囲はどこまで及ぶのでしょうか。たとえば、これが賃貸マンションであったとき、101号室をBから借りたDは、その101号室の2LDKなりの内側を借りたことになります。この範囲にはベランダ等を含みますが、ベランダの外側の庭は含みません。また、101号室を借りたDは、101号室にアクセスするため必要な範囲で、敷地・エントランスホール等を通行することはできますが、そこに私物を置くことはできませんよね。つまり、『借りた部屋の内部は賃借権の目的の範囲内において自由に使用することができる』とともに『その部屋にアクセスする目的の範囲内において敷地等も通行できる』ということになります。
同様に、一戸建ての賃貸家屋をDがBから借りた場合にも『借りた家屋の内部は賃借権の目的の範囲内において自由に使用することができる』とともに『その家屋にアクセスする目的の範囲内において敷地等も通行できる』ということになるのであって、これは「敷地を借りた」場合とは異なります。敷地を借りた場合には、その敷地を賃借権の目的(駐車場使用、家庭菜園使用、建物所有など)の範囲内で自由に使用・収益できます。一戸建てを借りた場合に「敷地を通行できる」ということはこれと同列ではありません。
ですから、本肢のDの賃借権の対象は建物に限られ土地をも借りていることにはならず、AB間の土地の仮装譲渡につき「法律上の利害関係」を有する者であるとは考えません。
なお、この場合、AからBへの「建物収去・土地明渡請求」により、Dはその前提として当該建物から退去することになりますが、これはDにとって賃貸人Bの債務不履行になりますので損害賠償請求をBに対して行うことは可能です。


【122】
民法94条は、次のような条文です。
1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

まず、1項を精確に理解してみましょう。
通謀虚偽表示により無効になるのは、通謀した者の意思表示です。その意思表示が単独行為であれば、その単独行為の要素たる意思表示が無効となるのですから、単独行為は効力を生じません。その意思表示が契約の意思表示であれば、その契約の要素たる意思表示が無効となるのですから、契約は効力を生じません。これが1項です。なお、本肢のように、契約がAを売主、Bを買主とする売買契約であれば、AB間の通謀虚偽表示による意思表示は無効であり、本来であれば生じた法律効果(AからBへの所有権の移転、AB間での債権債務の発生)は効力を生じません。
続いて2項です。これは再三、お話ししているように、1項の無効を「虚偽表示後、新たに法律上の利害関係を有するに至った善意の第三者」には主張できない、ということ意味しています。
ですから、本肢の場合には、ABは94条2項の善意の第三者に対しては「AからBへの所有権移転が効力を生じていない」「AB間で債権債務は発生していない」と主張することができないことになります。
では、本肢のCは94条2項の第三者でしょうか?
94条2項の第三者とは、通謀虚偽表示後、虚偽表示を前提として、新たに法律上の利害関係を有するに至った者のことです。Cは、ABの通謀虚偽の売買契約後、その売買契約により発生するはずの「代金請求権」の存在(仮装)を前提として、新たに法律上の利害関係(債権譲渡による仮装債権の取得)を有するに至っています。そこで、善意のCは94条2項の第三者として保護されることになるのです。
さて、本肢の事例においては、もう一つ、問題点があります。
それは467条と468条です。
CがAから債権の譲渡を受けた場合、その債権譲渡を債務者であるBに対抗するためには、「AからBへの債権譲渡の通知」もしくは「Bからの承諾」のいずれかが必要となります(467)。このうち、「Bからの承諾」があった場合には、これが“特に異議を留めた”承諾でなければ468条1項によりBの抗弁は切断され、BがAに主張できた抗弁はCに主張できなくなります(もっとも本肢の事例では、Bは94条2項のCに虚偽表示無効を主張できないわけですから、Bは「虚偽表示である旨」の異議を留めた承諾を行うことはできません)ので問題は生じません。これに対して、「AからBへの債権譲渡の通知」だった場合には、468条2項の規定からすれば、BはAに対して主張できた抗弁(虚偽表示無効)をCにも主張できるかのように見えます。確かに、BがAに対して主張できた抗弁が「弁済による消滅」や「時効消滅」、「同時履行の抗弁」であれば債権譲渡の通知によってこれらの抗弁は切断されません。では、本肢のように「虚偽表示による無効」はどうでしょうか? これにつき判例は94条2項が適用されるCについては468条2項は適用しないと判示しています(次の【123】の肢集解説を参照)。
まあ、Bが異議なき承諾をしてくれる可能性はほとんどないでしょう。でも、CはAに対しては「Bへと債権譲渡の通知をせよ」と請求できるのですから、この請求を受けたAがBに対して『Cへの債権譲渡』
の通知を行えば、上記判例によってCはBに対し債権譲渡により取得した代金請求権を行使することができますね。ですから本肢は○となります。


【123】
これは、上記【122】と同様です。本肢の甲・乙・丙をそれぞれA・B・Cとすれば、前肢と同じ事例となりますよね。



お疲れ様でした! 
多忙のため、次回、来週末にアップ予定とします。