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LEC 学べるデジタル!司法書士合格の泉講座 公式ブログ

LEC東京リーガルマインドの司法書士試験対策新通信講座
「学べるデジタル!司法書士合格の泉講座」の公式ブログです。
担当講師の荻原とクラスリーダーの山下が随時更新していきます。

みなさん、こんにちは。LEC司法書士講師の荻原です。
民法ゼミ、開講します。


お手許に「2013年ポケット判 択一過去問肢集 民法Ⅰ」をご用意ください。

では、第1問から、順に「問題文」を読んで、解答してください。そのあと私が補足の解説をしますから。


はい、どうぞ。



【1】
ここでいう「外国人」とは、日本国籍を有しない自然人を意味します。たとえば、外国からビジネス・観光の目的で日本に入国した外国人が、「八百屋さんでジャガイモを買おう」という場合、みなさんが普通に売買契約を行って法律効果(所有権移転や債権債務の発生)を享受するように、その外国人も法律効果を享受するわけです。そのためには、権利能力が必要ですよね。
なお、現在、条約によって外国人の権利能力が制限される場合はありませんが、法令による制限としては「日本船舶・日本航空機を所有することの禁止(船舶法1、航空法4)」などがあります。


【2】
(前提)※以下は不動産登記のレジュメ「第9章 信託の登記」から抜粋
Aがその財産を使ってC(たとえばAの孫)のために資産運用をしたい(Cの学費捻出のため)が、どのように資産運用をすればよいかの判断ができない場合、その財産を信託財産としてB(信託会社等)に預けてしまうことがある。これが典型的な信託である。このとき財産を信託するAを「委託者」といい、その信託を引受けるBを「受託者」という。また、信託財産の運用利益を享受するCを「受益者」という。信託する財産が「金銭」である場合、受託者Bは委託者Aの依頼に従いその金銭を運用し、利益を(報酬等を差し引いて)Cに交付する。つまり、CはBに対して運用利益の請求権(受益権)を有している。信託財産が不動産、たとえば土地である場合、BはAの依頼に従い、その土地を駐車場として賃貸して収益をあげ、又は事業用定期借地権を設定して収益をあげる等することになる。

(解説)
このようにAがその財産をBに信託し、Bが所有者として運用することによって生じた利益をCに帰属させるという構造を前提として、前記【1】の潜脱にならないように制限をかけているのが信託法9条です。
たとえば、外国人Cが、日本国民Aから日本国籍の船舶・航空機を購入しようとした場合には、前記【1】の制限にかかります。そこで、日本国民B(もしくは日本国内において会社法により設立した日本の株式会社Bなど)を受託者としてAから信託の形をとり(これによって所有権はAからCへ移転します)、受益者をCとする信託を行うと・・・・・
形式的には、船舶・航空機の所有権は日本国民Aから日本国民Bへと移転しており、一見すると問題が生じないように見えます。しかし、実質的には(おそらく金銭をBに与えたのはCでしょうから)Cが所有者であるとと同視できますね。そこで、これを禁止しようとしているのが本肢です。



【3】
確かに、幼児にとっては「たんに権利を得る」だけの行為ですが、本肢での結論は「無効」です。まず、贈与は「契約」であって、相対立する意思表示の合致が必要です。就学前の幼児には意思能力がありませんので、意思表示を行うことはできません。よって、契約は無効です。
なお、意思能力を有する未成年者(たとえば18歳程度)が、「たんに権利を得る」行為(法律行為ですよ)を行った場合、意思能力のある制限行為能力者が行った行為として「完全に有効」とするか「一応有効だが取消しうる」とするかを判断することになり、これは5条1項但書によって完全に有効な法律行為と評価することになります。


【4】
相続法の知識も必要です。
遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」とがあります。
遺贈は遺言の方式によって行うものであり、法律行為としては遺言者の「単独行為」と評価します。遺言者が勝手?に遺贈してくれるものですので(笑)、受遺者は迷惑だったら、ぞの遺贈を拒否することができます。これが遺贈の放棄です。
特定遺贈の放棄は、986条の規定に従い、「いつでも」「受遺者の単独の意思表示によって」「家庭裁判所においてではなく」行うことができます。
これに対して、包括遺贈の受遺者は相続人に準じて扱われますので(990条)、その放棄は、相続人と同様に家庭裁判所における「相続放棄の旨の申述」となります。
次に「負担付遺贈とはなにか」ですが、これは特定遺贈において遺言者が「財産を遺贈するかわりに一定の義務を負うこと」を遺言した場合を指すことになるでしょう(たとえば、遺言者Aが「兄弟のBに甲土地を遺贈する。但し、Bは遺言者の子Cが成年に達するまで毎月5万円の養育費を支払うこと」と遺言した場合など)
包括受遺者は、相続財産の割合的一部を包括承継し、そこには権利も義務も含まれますけれども、その相続債務をとらえて「負担付遺贈」とは通常は呼びません。
以上から、本肢がいう「未成年者が負担付遺贈を放棄するためには・・・」という表現は、負担付の特定遺贈を受けた未成年者が、その単独の意思表示としてその遺贈を放棄する場合に、法定代理人の同意を要するか否かを問うものであると判ります。
さて、遺贈およびその放棄は「身分法」に規定される行為であり「財産法」上の行為ではありませんので、そもそも「制限行為能力」の制度が適用されるか否かも問題となります。この点、「身分法上の行為」であっても、遺産分割や相続放棄、遺贈の放棄などは財産的色彩が強い行為であることから、制限行為能力制度の適用を受けることになりますよね。
ということで、本肢は「未成年者がたんに権利を得る行為」ではなく、「負担付とはいえ、財産を遺言によって譲り受ける権利を放棄する行為」であることから、法定代理人の同意を要する、という結論になるのです。



【5】
はい、これは解説のとおり「たんに義務を免れる行為」です。



【6】
典型論点です。営業の種類の特定が必要ですね。憶えておきましょう。この論点については、いずれ商業登記法でも講義します。



【7】
これも典型論点です。黙示の同意でもOKだったことも確認しましょう。


【8】
本人、配偶者、4親等内親族、「論理的にありうる保護者」、検察官と憶えていますよね。



【9】
審判とは、家事審判・少年審判・行政審判など多様に用いられる用語ですけれども、ここでは(司法書士試験では)、『家庭裁判所の行う裁判』という意味でとらえておけば大丈夫です。
あとは、典型論点でしょ?


【10】
成年被後見人は「日用品の購入その他の日常生活に関する行為」は同意不要で自ら完全に行えます。ですから、本肢の「『同意を得てした行為も取消ができる』○か×か」における「行為」とは、「日用品の購入その他の日常生活に関する行為」以外の行為を指しています。
ということであれば、「日用品の購入その他の日常生活に関する行為」以外の行為は、後見人が法定代理権によって行うのであって、後見人の同意を得て被後見人が行うのではなく、後見の同意が意味がありませんから、本肢は○となりますよね。


【11】
上記【10】により理解されたい←不動産登記の先例で、こういう表現がよくあります(笑)



【12】
これは解説が詳しいので省略します。※詳解しても、正規の解説どおり、ということです。



【13】
被保佐人であれば「13条1項の行為」の全てにつき保佐人の同意を要することになります。ですから、本肢は×です。講義内でパワーポイントを用いてご紹介したように、13条1項の一部の行為につき保護者の同意を要するという設計は被補助人となります。また、家庭裁判所は、保佐開始の審判の請求があった場合であっても、本人の判断能力の程度に応じて後見開始の審判・保佐開始の審判・補助開始の審判のいずれも行うことができます。そこで、請求権者より「保佐開始の審判の請求」があった場合でも、本人の判断能力が「事理弁識能力が“著しくではなく”たんに不十分である」と判断すれば、補助開始の審判をすればいいのであって、本肢のように『保佐人の同意を得ることを要する法定の行為(注:13条1項の行為)に関し、その一部について同意を得ることを要しない旨を定める』わけではありません。従って、やっぱり本肢は×ですよね。



【14】
保佐人の同意を要する行為については、被保佐人は保佐人の同意を得て法律行為を行うことになります。これはそもそも『被保佐人の利益を保護するため』の制度です。
保佐人と被保佐人の利害が明確に衝突する場合(利益相反行為)には、被保佐人を保護するため、当該行為については、保佐人に同意権が認められません。この場合は、保佐監督人がいれば、当該行為についてのみ保佐監督人が同意権を有します(保佐監督人がいなければ保佐人は『臨時保佐人の選任』を家庭裁判所に求めなければなりません※876の2Ⅲ参照)。このように、明確に保佐人と被保佐人の利害が衝突する場合であれば、形式的に代替措置が講じられることになっています。利益相反の例としては、被保佐人の所有する不動産を売却するに際して、保佐人が買主となる場合などが考えられます。被保佐人の保有する不動産を売却することは13条1項3号に該当するため、本来であれば『その不動産を売却してよいか』『売却代金や費用の負担者の特約はその内容で適切か』といった事項につき保佐人が十分に検討したうえ、被保佐人の利益を守るべく「同意する」または「同意しない」といった判断を行うことになります。ところが、今回は、保佐人自身が買主ですので、保佐人が被保佐人の利益ではなく自己の利益を優先して「同意する」「しない」といった判断をする危険性があります。そこで、「同意する」「しない」という判断を、今回の売買契約に限り保佐監督人(もしくは臨時保佐人)が行うことになっているわけです。
これに対して、形式的には保佐人と被保佐人の利害が衝突せず、保佐人が十分に被保佐人を保護できる場合であっても、保佐人と被保佐人の意見の対立によって、保佐人が同意しない場合が考えられます。そこで、このような場合には被保佐人の請求によって家庭裁判所が『保佐人の同意に代わる許可』を与える審判を行うことができます。
そうですね、たとえば・・・・・
A女が高齢のため判断能力が低下してきたため、その娘であるB女が保佐人となっている場合で考えてみましょう。AとBとは現在、近距離別居であるとしましょうか。Aとしては、住んでいる家の水回りが古くなってきたためそのリフォームをしたいと考えており、費用についても預貯金で十分に賄えると判断していたとします。但し、家屋のリフォームに関しては13条1項8号に該当します(リフォームの程度によりますが)ので、Bの同意が必要です。ところがBは「どうせ近い将来、同居する予定」または「数年で老人ホームに入居してもらう」といったことを考えており、今リフォームするのは適当ではない、と判断したとします。そうすると、Aは水が漏れ、お湯の出の悪いキッチンで我慢して食事の支度をし、寒い風呂場で入浴せざるを得ないかも知れません。まあ、見解の相違といってしまえばそれまでかもしれませんが、ちょっとかわいそうですよね。そこで、Aは家庭裁判所に出向いて「Bの同意に代わる許可をください」と請求し、家庭裁判所が(調査官の現地調査等の結果を踏まえて)『水回りのリフォームを許可します』と審判する、と(笑)
まあ、このような事例で考えておけばよいのではないでしょうか。


【15】
条文どおり、です。


お疲れ様でした!
次回のゼミは受講生限定記事で月曜日にアップします。

ごぶさたしておりました。LEC司法書士講師の荻原です。


以前、予告しましたように、学べるデジタル司法書士合格の泉講座の受講生向けゼミをブログ上で開催します。ゼミ概要は次のとおりです。



司法書士試験において、民法は最重要科目です。

不動産登記法や民事訴訟法の理解の前提であり、会社法や供託法などとも密接に関連します。従って、ただ単に各論点を暗記すれば足りるというものではなく、きちんと考えて、きちんと理解する必要があります。
というわけで、民法ゼミをブログ上で開催します。


生クラスでは、過去問を素材にして、みなさんで議論(問題演習+α)をしてもらい、私が若干の解説を加える形式で行っていますが、通信専用設計の講座ですので生クラスと同じ形式では行えません。

そこで、みなさんが各自で解いている「過去問」つまり『2013年ポケット判 択一過去問肢集』を素材に、私が解説を加えていきます。


みなさんが、一度はご自身で解いている、ことを前提にしますので、記事を読む前にまずは解いてみてくださいね。


今週の金曜日から始めましょう。

第1回は公開記事でアップします。

第1回は、第1問~第15問まで。以降、各回10問~15問程度で開催します。


お手元に『2013年ポケット判 択一過去問肢集』をご用意くださいね。




最近、ブログの更新をさぼっていたんですけれども、実は・・・・深い?わけがありまして。

14向け「体系書式演習:基礎編」の収録が忙しかったんです。

問題を解いて予習するのは、正直、すぐできるのですけれども、今年は、まったく新しい解説講義の手法を導入しようと奮闘したんです。
学べるデジタルの受講生様には“おなじみ”ですが、パワーポイントで解説しました。


記述問題は、時系列を作成して事実を時間順に整理し、登記記録を踏まえて、実体判断を行います。


そこで、マーカーチェックと時系列の作成を視覚化して、皆さんにきちんと使いこなしていただくため、
PC画面上のPDFに、講義中、リアルタイムでマーカーチェックを行い、これに基づいて、PC画面上でパワーポイントによる時系列作成を行いました。


で、ですね、このパワーポイントの作成が、まあ時間がかかること!

体系書式演習基礎編は、全5回で、各回2問の出題ですので、合計10問あります。で、1問当たりのパワーポイントのスライド作成が3~5時間程度かかりました。


というわけで、問題を解いて、パワーポイントを作成し、そのほか諸々の講義準備に費やした時間は・・・・たぶん50時間くらい。

これが、通常の業務(実務+学べるデジタル合格の泉講座の収録)に加算され、まあ、暇のないこと。

ブログの原稿を書いている時間がなかった・・・・・


ブログやってみてわかりましたけど、物理的な時間もさることながら、心のゆとり時間がないとブログって続かないもんですねえ。
頻繁にブログ更新されているたくさんの方、私は尊敬します。これはかなり大変だ(笑)


まあ、今後は民法ゼミという大きなテーマもできましたので、
もうちょっと頻繁に更新したいと思います。


では