読売新聞の1面にある「世界を見る」という欄に日本の企業の内部留保は諸外国に比べ突出していると書いてあった。諸外国の税制も他社の事情は分かりませんが、当社なりの見方をしてみます。
そもそも税制は取る側の都合と論理で組み立てており、実態とかけ離れているのが実情です。
銀行さんが「御社は業績好調ですね、納税資金をご融資しましょうか。」巷でよく聞かれる話です。
儲かっているのに税金を払う金が無い・・・・これが実態。
何故でしょうか。税制ではすべてをお金の価値に換算しています。お金は持ってる分、これから入ってくる分のプラス分(資産)と払わなければならない金のマイナス分(負債)に分けられます。プラス分が多ければ黒字、逆なら赤字です。 問題はお金の価値に換算する部分です。例えば、手持ちの現金で200万で営業車を買ったとしましょう。車以外の資産と負債の差が0だと仮定します。税務上、200万円の利益が出ていると結論付けられ、所得税を始め諸税が掛けられます。
営業車はお金を稼ぐ手段であって、中古車で売る以外に現金化する方法はありません。車はまだましな方で、宣伝用のパンフレットやカタログも制作に掛かった費用がそのまま資産として計上されます。敷地のブロック塀さえ、資産として計上されているのです。未回収の売掛金もすでにお金になったものとして計上されます。現金売の小売店ならともかく、企業活動では月締め、翌、翌々月、または3ヶ月後に支払いが通常です。それでも、手元に現金で入ったとし計上されるのです。
新聞では企業はもっと金を使えと結論づけていますが、資金環境が比較的安定している大企業ならともかく、当社のような零細企業は
不要不急な投資は控えるのが当たり前です。何しろ、税務は単年度単位ですので、決算の見通しがたった時点で慌ててバタバタ購入するのが毎年のことです。デフレ脱却は税の抜本的システム改造が必須ではないでしょうか。猫の目のようにくるくる変わる、小手先税制では落ち着いてお金なんか使えません。