犬の首輪の作り方
レザーマニアでは、珍しい皮革を多数販売 しています。
自信を持って各地から集めた商品を気に入っていただけるのは
仕入れ担当者としてはとても嬉しく思います。
ある日の出来事、遠方からアトリエにわざわざお越し頂き
大量に革をご購入頂いたお客様が、その革をお持ち帰りにならず
全て「犬の首輪にして下さい」との嬉しいオーダー!!
「ありがとうございます」
そんな訳で今週は、首輪職人です。
どんな作業工程で首輪になったかを、お知らせをかねて報告します。
ワニの型押し、小さな柄にホワイト&ブラックのリアルな質感
首輪のサイズが全長43cmなので、荒型は46cmで裁断します。
*荒型とは、実際のサイズより一回り大きな型紙の事。
私は、正味より1.5cm大きく荒型を取ります。なぜ1.5cmかと言うと
表革と裏革をボンドで貼り合わせの際にボンドが効き難い部分の為です。
最初に荒型サイズで張り合わせておいてから、中の良い部分を
切り出すので、最断面は美しく、ボンド漏れやズレも生じません。
この手法で作業をするとコバ面の上部は、プレスの際に力が加わるので
柔らかな丸みがつきますが、コバ面の下部には、少し突起が残るのが
特徴でも有ります。
私は、裁断の際直線は、オルファのロータリーカッターを使います。
革包丁やカッターよりシャープに切れるからです。
*ピザを切る時のカッターと原理は同じです。刃の形状もいろいろ
出ていますので、私は刃を3種類に、カッターのサイズを3種類
それぞれの用途で愛用しています。
定規は、カット師(商品名)を愛用しています。裏面がゴム加工で
滑りにくく、ハンドルのグリップが作業効率を上げてくれます。
150cmと100cmの2本の長さを用途に応じて使い分けております。
*私は、定規マニアです。色々な優れた用途の定規を集めていますので
またの機会に定規特集やりたいと思います。
定規がずれないように必ず重しを2箇所以上おきます。
*この重しは、千葉県産の自然石の裏側にベロア革を貼ってあるので
グリップ力が高く、ナチュラルなフォルムが癒し度大です。
うまく裁断することが出来ました。
*少量の場合は、手で裁断するのですが、量産や精度を
求める場合には、金型を製作します。
・画像上 15mm×43cm
先ほど裁断した表側を元に、張り合わせる裏革の裁断を行います。
*首輪の内側になる部分なので少し起毛しているベロア床を使用しました
先ほどは、裁断はロータリーカッターといいましたが
腕がなまらないように、革包丁も練習がてらチャレンジします。
こんな感じで表裏の裁断が完了です。
*このような手順で他のカラーも黙々と作業を続けるのですが
最初の5枚は、裁断ロスや仕上がり総数のデーター出しを必ず行います。
この計算方法を一度行っておくと次回からは
この大きさの革から何本の首輪が取れるかを即答で答えられるのです
誤差は、10%~20%でおさまるので習得すると便利な能力です。
熟練した職人が即答で見積もりや作業工程を答えられるのは
長年蓄積したデーターと経験の産物だとある職人さんから教えられました。
大きなサイズの場合は、複数の荒型をおいて裁断する場所を考えます。
*画像は、黄色のクリアーのビニールシートに模様が入っています
型紙は、透明なモノを使う事をお勧めします。なぜならば傷や
革のコンディションを良く確認しながら作業をしたいからです。
*多くの方が、方眼になった画用紙をお使いだと思いますが
プラパンや厚手のビニールシートも使ってみてください
裁断の位置取りがスムーズになり、作業効率がUPします。
2竿入りました。
*竿とは、短冊上になったパネルが何個入るかという事
革を買う時に大事なポイントの一つです
例えば、紳士者のベルトを作るとき110~130cmでカットするので
半裁で2竿入るもの・・・とか、ベルト用なので焼き印が無いもの・・・
をオーダーして購入したほうが取り率がいいです。
裁断のコツは、隅っこからではなく大きな傷や汚れの付近から始めると
うまくいく場合が多いです。革の見立てはキャリアと知識が必要ですが
一生懸命向かい合うと革の声が聞こえてくるような気がします・・・
*NHK等の番組で凄腕のきこりや彫刻家が刃物で切るべき道や
出来上がりまでのラインが光って見えたり・・・するという
そんなイメージの入口をある時を境に私も経験する事が出来ました
それ以来、裁断の技術が飛躍的に上がりいっそう革職人として
愛情が深まりました。(この続きはまたの機会に)
黄色の荒型は、傷を避けているので真ん中に隙間があります。
めでたく3竿裁断成功です!
カットした革をボンドで貼り合わせて乾燥させます
クリッカーと呼ばれる機械で、金型を使って裁断します。
*約16トンの力がかかります。
作業中のかおる君は、マッハで仕事をこなすため
カメラで作業風景を納めようとしてもぶれてしまいます(笑)
現在は、バイトとして応援に来ていただいているのですが
とても一生懸命取り組んでくれるので、いつか
スタッフになって欲しいなと密かに願っています(*^▽^*)
上の画像の型の横幅は、15mm。首輪と首輪の間隔は5mmを目安に裁断します。
*参考例として、荒型のパネルサイズの横幅は、首輪の全長+3cm。
(43cmの首輪の場合は、46cm)
*荒型のパネルサイズの縦幅の80%÷首輪の1本分の幅=出来上がり本数
(荒型のパネルサイズの縦幅が50cmの場合で
15mm幅の首輪の場合は、
50×0.8÷1.5=26.6本
このような方程式で大まかな出来上がりの本数を予測できます
革の状況にもよりますが、誤差は約1~2本です
*傷が多いものや装飾を施すものについては、さらに変数を加味します。
綺麗に4色のラインナップです。
この後は、美錠と犬カンを取り付けて完成です♪
*犬カンとは、D間の高さが高いものをそう呼んでいます、一般的な
Dカンでは、リードのナスカンがうまくフィットしないのでご注意下さい。
【小型犬の首輪製作オーダー参考価格】
①オリジナル抜き型制作費 12.000~
②表/裏貼り+裁断 1本300円~(100本未満の場合で表革別料金)
③表/裏貼り+裁断 1本250円~(100本以上の場合で表革別料金)
④裁断のみ 1本100円~
⑤コバ処理 応相談
⑥床処理 応相談
⑦金具の取り付け 応相談
⑧金具の販売 50個以上の場合10%引き
100個以上の場合20%引き
⑨その他 お気軽にご相談下さい
・表革の持ち込みもお受けしておりますが、上記価格の10~20%増しとなります。
・②③の裏革は、床を使用した価格設定ですので別の革をご指定の
場合は、価格が変動する場合がございます。
・製作には、万全の注意を払っておりますが、もし不具合が生じた場合
の保障及び返金分は、表側の材料費を上限とさせていただきます。
*思いつくままに書いていますので誤字脱字ありましたら
ご一報頂けると幸いです。
*今後も、こんな写真+文章に作業時間や費用なども盛り込んで
私のお客様へのオーダーの参考例として・・・
皆様のアイディアの参考例として・・・
役立てていただけたら幸いです。
*不定期ですが更新、手直ししていきますのでまた覗いてくださいね。
レザークラフト材料のレザーマニア→ コチラ
携帯ストラップの作り方
お買い物をした時に
ちょっとした気配りやプレゼントを受けると嬉しいものです。
STU では、シザーケースを購入された方に
花の携帯ストラップをプレゼントしております。
こんなにかわいらしいのに
製作時間は、なんと・・・1分
おまけに低予算・・・(材料費は、97円)
【材料】
2,5mmのハトメヌキで上部に穴を開けます。
玉飾りカシメ(T2)を入れて、お好みのカラーリングで大小の花びらを重ねます。
玉飾りカシメの頭をかぶせ、カシメ打ちでかしめます。
*金具を打つときは、下に鉄板を引きますが、鉄製の物はさびやすいので
ステンレス製の物がお勧めです。
3分間クッキングより早く、完成してしまいました(^∇^)
後は、携帯ストラップなら 1.5~1.6mmの太さを
キーホルダーなら2.3mmのボールチェーンをつければok!
「もしも~し 最近グリーンラベルにはまっている コウジでした」
*記事・写真 アキラ
ウォレットチェーンの作り方
直径7mmのボールチェーンを用いてウォレットチェーンを製作してみました。
①真鍮無垢 ボールチェーン7mm 40cm×1
②マルカン 直径10mm ×2
③レバーナスカン 特小 ×1
④レバーナスカン 大 ×1
ペンチでアタッチメントの隙間にボールを押し込みます
*傷が付かないように当て布をします。
しっかりとはまったら隙間がなくなるようにペンチではさみます。
*意外に固めなので、かなづちで少しづつ打つのも効果的。
両手に持ったペンチでマルカンを掴み、丁寧に輪を広げる。
マルカンを開く時には、このような専門の機具を使うと便利です。
*両手がペンチより片手の方が仕上がりも綺麗で早い為。
レバーナスカンは、大と特小サイズの組み合わせがお勧めです。
*大をツリバリフックに変えてもgoodです。
製作時間 たったの8分!
真鍮無垢の輝きが素晴らしいです。
チェーンの長さは、40cmでしたが金具の長さを合わせたら
調度よい長さになりました。
これで財布の脱落防止をかねてドレスアップ!
真鍮フェチの私には最高のご褒美です。
材料は、全てレザーマニア で揃いますので
興味のある方は、お試しあれ→コチラ
*記事・写真 アキラ