お稽古の極み




3番目の題材は、西安にある大雁寺(だいがんとう)。
西安は、最初のルートでは行かないはずだったのに
どうしてここに来ることになったのか!?



世界一周旅行幕引きの約1ヶ月前の旅日記を見返してみると、
大理から世界遺産の街、麗江へ行くだけでもサーズの検疫にかかり、
危うく旅行者は路線バスにも乗れない状態だった・・・




検疫所では、各方面からの通行車両が一斉に止められ、
長い列を作って、順に検温やサーモグラフィの検査を受けます。
旅行者だとわかると、返される場合もあります。




私と夫は検査官に、自分達は日本人でタイから入国し、
昆明だけで広東方面には行っていない、健康状態はずっと良好などと
訴えながらバスを乗りついで、やっと麗江にたどり着きました。




気が付くと世界遺産の街に、たった2人きり。




そんな未曾有の(笑)観光を味わって、
また検疫を何度もされながら日帰りで昆明に戻ってきました。
おかげで中国人との筆談も上手くなっていきました。




帰国まであと1ヶ月。
昆明市からは海岸伝いに上海まで・・・と楽しみにしていたルートを
サーズの猛威の影響で変更せざるを得なくなったのでした・・・




ある日、ルートに悩んでいた夫が、おーい、行くぞビックリマーク




と言うのでついて行くと航空会社。
そこで西安行きのエアチケットを手にいれ、
私達は一気に大陸中央に飛ぶことになりました・・・




さて。
大雁塔は慈恩寺にあり、三蔵法師が天竺から持ち帰った経典を
納めるために建立したものである、なーんてロマンたっぷりの塔。




日本の五重塔のモデルとも言われますがそれとはかなり趣が異なる!?





お稽古の極み





7層で高さが64mもあります。楼閣式の煉瓦造りで,
煉瓦を研磨して隙間を合せる という建築法で建てられています。
風格もありますが、繊細さも併せ持っているのがイイグッド!




ちなみに、階段で20分くらい頑張れば、一番上まで登れますよチョキ
すると、まっすぐとどこまでも伸びる参道と西安の街が一望できます。
唐の時代には大きな長安城の中にあったんですねぇ。




この風景を見ていると時を遡って、長安の都を想像するに難くないです。
大慈恩寺は最盛期には648のお堂と3000人もの僧がいたそうですが、
今はお堂は30になり、30人の僧がいるだけなんだそうです。

 

 

写真は、人っ子ひとりいない、静まり返った塔。
これもサーズの影響で観光客はほとんどいなかったのです。
普段はそれはもう人気の観光スポットなんですよ。




最初、こんな変わった形の塔はないなぁ~と思いましたが
見れば見るほど、全体のバランスの良さといい
屋根の作りといい、その見事さに心を打たれました。




私が描くと、この微妙な塔のバランスがどんどん
スリム化していき、“塔”というより”タワー”な雰囲気だし
7層が6層(普通、仏塔は奇数)に変化しているし・・・。




まァ、こういうアレンジの仕方もありと思ってもらえたらドキドキ
完成までお楽しみに~音譜