お稽古の極み




この写真の建物、「崇聖寺三塔」と言います。
大理石で有名な雲南省大理市にあるんです。
崇聖寺は唐と宋の時代の南詔国と大理国の重要な寺院。




今は崇聖寺はなく、3塔のみが残っています。
ピクリともたなびかない鏡のような水面に映る3塔。
2003年サーズ発生に沸く中で、私はこんな穏やかな風景を見ていました。




中国へ行ったら中国人と同じようにチャリで街を走ってみたい。
そんなささやかな野望はてなマークを抱いて、レンタサイクル自転車
一日20元(約300円)で昭和初期のようなゴツイ黒いチャリが現れました。




ほとんどスポンジの入っていなサドルに舗装の甘い道。
15分も漕いでいると、お尻が痛い。
野ッ原の道をひたすら漕いでいたらこの風景が迎えてくれました。




一番高い主塔は千尋塔と呼ばれ、唐代に建てられました。
方形の密檐式16層のレンガ造りで、中は空洞。
上に行くほど細くなり高さは69.13m(地上ビル22階位)もあります。




実はこの3塔、これまで浸食や度重なる大地震によって
破竹のごとく崩壊したことがあり、そのたびに修復されていますが、
なんと、土台がありません。




それでも、わずか1~2度の傾きだけで400年も建っています。




この塔は、雲南の各民族の人々と、黄河の中・下流地域の文化と
の交流の証であり、象徴でもあり、文化と知恵の結晶なんです。
1961年には第一級の重要文化財に指定され観光名所になりました。




こんな歴史を、私は帰国してから知りました。
ただただ心に残った風景として染付の題材にとりあげた
美しい山河のなかに凛々しく聳え立つ崇聖寺三塔。




今、ますます描きたい気持ちが強くなりました。
この風景を選んでよかったと思います。
私なりの感じ方が、絵になるといいのですが・・・





お稽古の極み