小学1年生で習う漢字80字は、

 

バランスよくマスの中に収められるものが多いですが、

 

2年生で習う160字は、画数も増え、

 

部首の存在がひときわ目立つ「しんにょう」も登場。

 

「家」「場」「鳥」のように曲線が難しいものも。

 

 

 

 

では、今日は番号の「番」について。

 

 

 

 

こちらの漢字、

 

まだ全然書き慣れていない状態でマスの中に書こうとすると、

 

頭でっかちになったり、脚長になったり…

 

 

 

 

出だしが勝負の「番」。

 

真横(左方向)に払う気持ちで入ってほしいところですが、

 

まだ漢字を書き始めて1年ほど、

 

そんな簡単に器用には書けません。

 

 

 

 

どうなるかというと、

 

出だしの1画目を思い切り縦方向に払ってしまい、

 

そして、2画目、3画目も縦方向に大きくなり、

 

さらに1画1画しっかりと書かなければならないという意識が働き、

 

1画目と4画目が離れ、

 

5画目の縦棒も長~くなり、

 

6画目、7画目を書いたらもうほぼほぼマスが埋まっているという…。

 

一瞬途方にくれます。

 

それでも何とか頑張って、ぺしゃんこの「田」をねじ込む。

 

自分が書いた明らかにバランスの悪い「番」を何とも言えない表情でみつめる生徒さん。

 

 

 

 

『大丈夫、3回書いたら上手にマスの中に書けるようになる方法があるよ~!』

 

『えっ?!』と期待に満ちた表情。

 

自由帳を用意してもらい、

 

『好きな大きさで思いっきり書いてごらん。』

 

 

 

その時のノートがこちら

 

 ↓ ↓ ↓

 

 

 

 

まずは何もアドバイスせず一度書いてもらう。

 

(一人一人癖が違うので、それをしっかり見極める。)

 

そこで初めてアドバイス。

 

このときは『1画目をもっともっと横に』『2画目は1画目にくっ付くくらい上に』と。

 

2回目。

 

次は『2画目と3画目を横に倒す』と。

 

3回目。

 

すばらしい。

 

 

 

 

枠のない真っ白なノートに書くことで、

 

自分の字のバランスがより見えやすくなると考えています。

 

マスの中では常に線を意識してしまい、

 

自分の書いている字を見ているようで見ていません。

 

どこがどうなっているのか、

 

どこをどんなふうに直したらいいのか、

 

真っ白なノートに書くことによって、

 

はっきり見えます。

 

 

 

 

そのあとマスの中に書いてみたときのようす

 

 ↓ ↓ ↓

 

 

 

 

しっかり収まっています。

 

はなまるや△は生徒さん自身が評価したものです。

 

自分で自分の字を再確認。

 

納得がいかなければもう一回書きたいと、自ら練習しますから。

 

 

 

 

そしてここでも集中力が効いてきます。

 

『10回書いてみよう』と浅い集中力でもできてしまう、

 

ただただ書く練習は避けています。

 

おそらくほとんどは視覚を頼りに手を動かしているだけになっています。

 

 

 

 

自由帳の3回とマスの3回のあわせて6回に、5分ほどの時間をかけます。

 

自由帳の最初の1回は除き、

 

残り5回は書く前に1回1回ミーティングをします。

 

アドバイスをして、メモをして、もう一度振り返ります。

 

(メモは必ずではありません。こちらの生徒さんはメモをするのが好きです。)

 

『次はどこに注意して書こうか?』

 

『どこをどういうふうに変えたい?』

 

すぐには書かず、次の1回に向けて意識を高めていきます。

 

高めて高めて、『よし、書いてみよう!』

 

その1回にものすごい集中した状態になります。

 

 

 

 

そして、さらにいいことが。

 

思いを込めて集中して書くことで、このぐらいの回数でも覚えてしまうんですよね。