こんにゃく閻魔としても知られる文京区源覚寺の一角にある塩地蔵です。
具合の悪い体の部位に塩をつけてお祈りするということで、お地蔵様は塩にまみれていました。昔は塩が歯磨きに使われてきたことから、歯痛も直してもらえるそうです。また、塩をまくお相撲さんも来るとか。
このような塩地蔵は、調べてみるとほかのお寺にもあることがわかります。お願いをして塩でお礼をするという共通のコンセプトがあるのは興味深いです。塩は生活に欠かせませんし、塩漬けにすれば食品を腐らせないこともできます。炎症にも効果があるので、そんなときのうがいに昔の人は塩水を使っていました。
そういえば、「塩ふき臼」という昔話もあります。右に回すとお米など欲しいものが出てきて、左に回すとそれが止まるという不思議な石臼。欲張りな兄がこれを善良な弟から盗んで船で逃げます。塩が欲しくて塩を出すが、止め方を知らなかったので、塩で重くなった臼ごと海に沈み、臼は今でも海の底で塩を出し続けているとか。